タカノ
お題ショートストーリー(2009/09/14執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:タカノ
【得票数:18】

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プレイング
「あれは不思議な夢でした」
 いつも通りの喧騒に包まれた酒場、その中に不釣り合いなほど優雅な動作でお茶を口元に運ぶ姿もすでに名物のようなもので特に気にも留めていなかった冒険者だったが、ユリシアが唐突に発した言葉にいささか興味があったのか、その視線をふとユリシアの元に向けていた。


「わわわ! 危ないからどいてー!」
 会議を終え廊下を歩いていたユリシアは、突然何者かの襲撃にあった。
 襲撃とは言っても大した話ではない。一人の学生が廊下を疾走していたところ、いきなり出て来たユリシアに思いっきりぶつかっただけの話なのだから。
 「あいたたた……あっ、す、すみません! ちょっと急いでて……これから、ゴースト退治に行くところなんです……ってああっ!?」
 そんな慌てふためく彼女を一蹴……もとい、微笑で返し、優しいまなざしで見つめ返す。
「そんなに急いでどうされました? ……もしかしてゴースト事件ですか?」
 その問いかけに勢いよく首を振るマヒロ。
 それは、首振り鳥のおもちゃの首が取れるんじゃないかってくらいの勢いで。
「先生! 今度のゴーストは凄いんですよ! 何でも金髪に長い髪で、変な帽子に眼鏡をかけて腕に鎖をつけてるってゴーストらしいんですよ!」
「あら……そうなの? でも、それの何処が凄いのかしら?」
「えっと……よくわからないけど凄いんです!」

 どうやら凄いらしい。

「ところで、それならここで油を売ってていいのかしら?」
 そのユリシアの声に一瞬きょとんとした表情を浮かべた後、真っ青になって。
「あー!! すっかり忘れてた! 先生、それじゃあまたー!」
 マヒロが急いで走りだそうとすると、その背中に。
「依頼もいいけど、勉強の方もしっかりね?」
「偽身符に任せておけばバッチリですっ」

『ちゃり』

「すいません!? 後で補修でも何でも受けます!?」
「いいことだわ。それじゃあ気をつけてね?」
 

「……あれは一体どういう夢だったのでしょうね」
 そうポツリと呟くと、カップに入っていた残りの紅茶をすすっていく。
 そこに見えるはいつも通り、普段のユリシアだった。
 だが、その話を聞いていた冒険者は何故か冷や汗が絶えなかったと言う……。
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