泉青藍
お題ショートストーリー(2009/12/01執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:泉青藍
【得票数:17】

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プレイング
 雪がしんしんと降り、聖なる夜をさらに幻想的にしている。
(「綺麗。とても綺麗」)
 峰月・あかり(bn0188)は星やリンゴ、電飾で飾られたクリスマスツリーに見とれていた。
 あかりは思う。
 眩いイルミネーション――人工の光。
 人が作った光なのに、温かさを感じる。なんて不思議なことなんだろう。
 偽りの光だというのに、木々が色褪せ、街の景色が寂れていくのとよく合っている。
 じゃりっと土を踏みしめる音が聞こえた。
 近づいてきたあなたに気づいて、あかりは思考を止めて振り返る。
「こんばんは、あなたもパーティーにいらしたんですか? 奇遇ですね」
 あなたと軽い挨拶をしたあかりは、誘いを持ちかける。
「ほらほら、あっちは賑やかですよ。一緒に行ってみましょう?」
 一人より、一緒に楽しみたいから――。
 あかりはやわらかく微笑み、手品や寸劇で盛り上がっている方を指さした。
 
 こんがり焼けたローストチキン。華やかな彩りのサラダ。クリスマスカラーを意識したのか、様々な野菜たちが顔を覗かせる。一般的なオードブルを始め、寿司の盛り合わせもあった。
 出し物を見ては、食べ物をつまむ。そしてまた眺めにいく。
 そうしているうちに、あかりは気づいた。
 あなたの肩にほんのり雪が積もっていることを。
 雪女のあかりが寒さを感じないため……というのもあるが、楽しくて浮かれていたから気づかなかったのだろう。
 見渡せば、周囲はすっかり雪化粧を纏っている。
「ちょっと積もってきましたね」
 積もっている雪をてのひらでかき集め、固める。最初は手の体温でうまくいかなかったが、徐々に形をなす。
「……兎?」
「そうです♪ 昔よくこんな風に作ったんです」
 両のてのひらにおさまる雪塊は兎の形をしていた。
 近くに生えていた葉っぱを耳にすると、なおさら兎らしくなる。
 晩秋から冬にかけて実る、赤い南天の果実を目にすれば、雪兎の完成だ。
 一匹作り、もう一匹作る。
 二匹を並べ終えると、あかりは立ち上がった。
「もっとクリスマスパーティーを楽しみにいきましょう!」
 ――楽しいクリスマス。もっと楽しんでいたい。
 さきほどより一層元気に声を出すと、あかりたちは活気の見せるほうへ足を運ぶ。
(「一つは私。もう一つはあなたなんてのは内緒です……♪」)
 ふふ、と小さく笑うあかりを、一緒に並べられた雪兎たちが静かに見ていた。
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