「チッ……囲まれたか」 史檻は敵を睨みつける。いつの間にやら、八方を敵に囲まれてしまっている。逃げ場も無いし、まともに相手をして勝てる数ではなさそうだ。 「随分と盛大な歓迎だね。でも、そのくらいの方が、腕が鳴るってものだよ」 そんな状態でも……史檻と背中合わせの状態で敵に向かい合う立花は、ニッと笑って、トンファーを構える。戦い抜く気満々だ。 「って、わっ!」 しかし、数が多すぎる。次々と自分に向かって放たれる攻撃を弾いていくものの、キリがない。ひたすらに防戦一方で、反撃できない……。 その時。突然に、敵の動きが止まった。何事かと思い、立花が振り返る。史檻と目が合って……気がついた。史檻が八卦迷宮陣を使って、ゴーストの動きを止めたのだと。 「史檻くん、ナーイス!」 史檻が作った、反撃のチャンス。立花は、素早く体勢を立て直して史檻に笑いかける。 「橘、いくぞ」 「ラジャッ!」 2人は身構え、動きを止めたゴースト達を攻撃していく。 水刃手裏剣を使って攻撃していた史檻に、八卦迷宮陣から逃れたゴーストが襲い掛かる。しかし……史檻はダメージを受けていない。 「残念だったな」 史檻はそのゴーストの懐に入り込んでいた。そう……ゴーストが攻撃したのは、霧影分身術で見えていた史檻の偽者だったのだ。 「――食らえ!」 爆水掌を叩き込む。そして、倒れるゴーストには目もくれず、次の敵を睨みつけるのだった。 一方、立花も動かないゴーストに攻撃を叩き込んでいた。 「そこっ!」 敵は密集している。特に集まっている場所に、龍撃砲を叩き込み、一気に倒していく。そして、続けざまにフェニックスブロウを放ち、休むことなくゴーストを倒していく。 「まだまだ。青龍拳士の真髄を思い知れ!」 使用回数が切れても、攻撃をやめない。龍顎拳から龍撃砲、そして龍尾脚と……青龍拳士のアビリティを連携させて繋いでいく。 そうして、満身創痍ながらも敵を全て倒した2人は……顔を見合わせて、笑いあうのだった。
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