スズキング
お題ショートストーリー(2010/03/17執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:スズキング
【得票数:6】

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プレイング
「チッ……囲まれたか」
 壁際に追い込まれた近藤・史檻は苦無を構えて、敵を睨みつけた。鋭く尖る苦無の先端が鈍く輝く。周りはゴーストたちに完全に包囲されていた。
「随分と盛大な歓迎だね。でも、そのくらいの方が、腕が鳴るってものだよ」
 ニッと笑ってトンファーを構える橘・立花が、無鉄砲にも蠢くゴーストの群れに勢い良く飛び掛かっていく。とはいえ、いくらなんでも多勢に無勢。泡を食いながらトンファーで敵の攻撃を弾いていくものの防戦一方でまるで手が出ない。
「これだけの数をマトモに相手にすれば勝ち目は無いぞ」
 立花の苦戦している様子を冷静に分析しながら、史檻が八卦迷宮陣を使いゴースト達の動きを止める。
「史檻くん、ナーイス!」
 みるみるゴーストが動かなくなるのを目の当たりにした立花は、ずり落ちた眼鏡を押し上げると、笑顔で親指を突き出した。それに対して史檻はいたってクールに口角をわずかに上げて応えると、苦無を握り直して敵を睨みつけた。
「橘、いくぞ」
「ラジャッ!」
 落ち着いた様子で水刃手裏剣を繰り出す史檻に送れること数秒、素早く体勢を立て直した立花は身構えると、敵が密集している場所へと龍撃砲を放った。
「そこっ!」
 立花の一撃は動けないでいるゴーストたちを粉微塵に吹き飛ばした。断末魔の叫びがそこかしこから沸き起こる。それでも有象無象のゴーストの群れをせん滅するまでは叶わず、史檻の仕掛けた八卦迷宮陣からも逃れたゴーストたちが立花と史檻ににじり寄った。不気味なまでにもの言わず、四方八方からじりじり迫るゴーストたち。鋭利な爪を史檻の身体にめり込ませんと太い腕を振り下ろす。その途端、鋭い爪の突き立てられた史檻の姿が霧のように霧散する。
「残念だったな」
 それは予め使っておいた霧影分身術で作り出した幻。史檻の身体には指先一つ触れていなかった。反対に敵の懐に潜り込んだ史檻が体内の水分を練り上げたエネルギーの塊を目一杯叩き込む。
「食らえ!」
 爆水掌を叩き込まれてゴーストがゴムまりのように吹き飛んでいく。それには目もくれず史檻は、すぐさま次の敵を睨みつける。
「次はどいつだ」
 一方、立花は呼気を整えるとトンファーでの攻撃からフェニックスブロウへと切り替えて、ゴーストの残党を叩きのめしていた。舞い上がる不死鳥のようなエネルギー波に、噴き上がる火柱。立花は次々とゴーストを地獄へと送っていく。
「まだまだ。青龍拳士の真髄を思い知れ!」
 立花はトンファーを構えると、容赦なく残りのゴーストへと挑みかかっていく。史檻も残りのゴーストを一掃するべく駆け出した。
 全てのゴーストをせん滅したのは、それから間もなくのこと。全身を大きく揺らして息をする史檻と立花の姿が、土煙の舞い上がる中に見える。ようやく闘いが終り、安堵した表情で二人はゆっくりと歩き始めた。
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