平山いつき
お題ショートストーリー(2009/04/16執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:平山いつき
【得票数:5】

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プレイング
「よっし、とうちゃーく!」
 一番乗り、とばかりに大きくジャンプして遺跡地帯に飛び込んだのはアルカナ。周りに響いた弾ける声に、アルカナ、とイオシスが口元に指を当てて静かにするようたしなめる。
「どこに敵がいるかわからない。少しは慎重に行動しろ」
「イオシスは慎重すぎ! これっくらい大胆じゃないと、お宝なんて見つかんないんだから。それにグドンくらい、いきなり出てきたトコで大したことないって」
 眉をひそめるイオシスに、アルカナは唇を尖らせて反論する。ボクの魔法で一発だよ、とアルカナは手にするワンドを振ってみせるが、イオシスは納得しなかった。
 どころか、さらに眉間の皺を濃くすると、お前はもっと慎重になるべきだ、だの、そもそもお前は注意力にかける、だの小言とも言えるそれはアルカナの日常生活にまでも及ぶ。最初は適当な返事をして流していたアルカナだったが、そんな彼女もついに爆発した。
「もういいっ! そんなに言うなら、ボク一人でやるんだから!」
 イオシスはイオシスで勝手にやれば、と。そう言い残すなり、アルカナはその場を飛び出して遺跡の中へ消え去る。
 待て、とイオシスが慌ててかけた言葉は完全に出遅れた。彼が手を伸ばした先にアルカナの姿はもう無く、その場に一人取り残されたイオシスは、まったく、と呟いて溜息を遺跡へと零すのだった。

「イ……イオシス〜……」
 息を巻いて飛び出して行った少女は、恐る恐る声をかけながらこそこそと戻ってきた。
 遺跡の入り口で遺跡に凭れて立ち、アルカナの帰りを腕を組みながら待っていたイオシスは、彼女が背後から顔色を窺うように現れると、怒った視線だけを静かに向ける。そして、それを見たアルカナが思わず首を竦めた瞬間、口を開いた。
「馬鹿ッ! 一人で飛び出して、囲まれたらどうする気だ!!」
「ごっ、ごめんなさい!!!」
「だいたい、お前はいつもそうだ。俺の言う事を聞かないでさっさと一人で飛び出して、いつもいつも、俺がどれだけ心配させられているか……」
 イオシスとて、なにもアルカナが憎くて怒っているわけではない。それは全て、アルカナの身を案じているが故であり、怒って飛び出したアルカナもそれは分かっているからこそ反発して、でもだからこそ『ごめんなさい』の言葉が出た。

 が、それはそうとして、イオシスの説教は長い。

「もっと周りに注意して、どこに罠があるかわからん、大胆な行動ももっと控えて――」
「イッ、イオシス、ストップストップ!! え、えーと、さ。それで……」
 放っておけば、きっと日が暮れるまで続く。そんなイオシスの説教を思い切り遮ると、アルカナは数匹のグドンを見つけたことを伝えた。途端にイオシスは顔色を変え、先程とはまた違った真剣な顔つきを見せる。
 アルカナとイオシス。まったく正反対の二人だが、今日の冒険はきっと上手く行くだろう。
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