鈴鹿涼
お題ショートストーリー(2010/08/07執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:鈴鹿涼
【得票数:6】

お題イラストを拡大する
プレイング
「甘いぜ」
 ゴーストの足元から発生した強烈な上昇気流は轟々とした音を立てながらそれを空中へと固定する。
 何匹目をカウントしただろうか、デニー・ウィルソンは順調に進む『腕試し』に喜んでいた。
「蘭、そっちは大丈夫か?」
「大丈夫です」
 東雲・蘭の掌から解き放たれた白燐蟲がゴーストたちに襲い掛かる。蘭の顔も、自信に満ち溢れていた。

 今は廃墟となり、ゴーストタウンと化した巨大なショッピングセンター『アミーゴ横須賀』で腕試しをしようと言い出したのはデニーだ。
 蘭も能力者としての実力をつけるために誘いを承諾。二人で協力しながら、中央広場付近まで侵入できた。
「よし、このまま進んで……っ!?」
 デニーの前にピンクストーカーがサッと出てくる。お得意のジェットストリームで片付けようと思ったが、それは1体、2体と増え出した。
 雑魚には違いない。しかし数が多い。複数攻撃できるアビリティの方が良いかもしれない。
 そうこう考えているうちに、蘭の悲鳴があがった。
「蘭っ!?」
 そちらを見ると、蘭も自分同様に敵に囲まれている姿があった。
 しかし、1体ここにいるはずのないゴースト、陸鮫がいる。今まで倒してきた相手とは格が違っていた。
「どいてもらうぞ」
 デニーは蘭の元へ駆け寄ろうとゴーストの網をかいくぐろうとする。しかし、ゴースト達も分かっているのだろう、それを阻止すべく立ち向かってくる。
 蘭は思いのほか大打撃を受けていた。
 陸鮫だけでなく、他のゴーストたちからも攻撃を受けている彼女は、血まみれになっている。
「っ!!」
 彼女の白い腕が沈んでいく。デニーは躍起になってゴーストをかきわける。
 目の前に立ちふさがる相手にはジェットウインドを使い、走り抜ける。
「蘭っ!」
 倒れた蘭を抱き起こすと、なんとか凌駕したようで、意識はそこにあった。
「大丈夫か? 無理すんなよ」
 ふらふらの彼女を後ろから支え起こし、敵を見据える。
 自分たちに迫るゴーストたちに、切り抜ける方法を考えるが、いい方法が思い浮かばない。
「こ、これしきのことで……負けてられません、っ……!」
 蘭は白燐奏甲使って自らに力を込める。デニーはそれを見て彼女が倒れないように、そっと肩を抱き、突き出された掌に自らの手も添える。
「行きます!」
 ナイトメアランページ。蘭の突き出した掌から、ナイトメアが呼び出され、直線に疾走していく。
 密集していたゴーストたちは一気に霧散していった。
「やるじゃん」
 デニーは蘭の頭を撫でる。まだ額から血を流している彼女はそれでも微笑んだ。
「デニー君がいてくれたおかげです」
※人気投票をする場合は、投票するキャラクターでログインしてください。