れいひじゅん
お題ショートストーリー(2010/09/01執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:れいひじゅん
【得票数:10】

お題イラストを拡大する
プレイング
 アイスレイピアの魔曲使い・ダイアナの店は、比較的奥まった所にあった。旅団仲間である剣の魔法剣士・アシュレイと杖の星霊術士・ティモシーが扉をそっと開けると、ダイアナはそれを見つけてカウンターの向こうから微笑んで見せる。
「わぁ〜、色々あるのね」
 ティモシーが真っ先に手に取ったのは、武器飾りの籠。自分の杖に合う物が無いかを探す為、椅子に座りいらない物をテーブルの上へと置いて行く。
「あれ ・・・・・・これ」
 一方のアシュレイは、きょろきょろと店内を見回しながら歩いていた。特に何を買いに来たと言う訳では無い。ダイアナが店をやっていると言うから遊びに来ただけで・・・・・・。
「なぁ、ダイアナ。これちょっと触ってみてもいいか?」
 言葉だけは尋ねているが、既にアシュレイは壁に架かっている剣を下ろして手に取っている。そのまま軽く一振りすると、空気を奮わせるような音がした。その小気味の良い軽さに、アシュレイはしっかりと両手で柄を握って構える。
「・・・・・・仕方ないわねぇ」
 カウンターの奥で椅子に座っていたダイアナは、苦笑しつつもその動向を眺めた。ティモシーもかしゃかしゃと飾りを選びながら、アシュレイの素振りを見上げる。
「ね、どうなの? すっごく楽そうに持ってるけど」
 数度振り下ろし、それから横に薙いだ。その度に耳に残る音が実に清清しく、実に扱いやすい。試し切りもしてみたいが、さすがにそれは許されない事だろう。
「すっげぇいい剣だ。何て言うのかな・・・・・・とにかくいい剣。見た目もいいしさ」
「うん。似合ってる、似合ってる!」
「だよな?! あ〜、でもなぁ・・・・・・買い物に来たわけじゃないしなぁ・・・・・・それに、これ高いよなぁ・・・・・・」
「なぁに? 私の店の値段が気に入らないの?」
 くすりと笑いながら、カウンターの奥でお茶の用意をしていたダイアナが声を掛けた。それへと慌てて首を振りながら、アシュレイはそっと財布の中身を確認する。
 うん、足りる。買えるだけの金はある。だがしかし。
「これ買ったら財布空っぽになるんだよな」
「男は度胸!」
「よし、買った!」
 ティモシーに後押しされ、アシュレイは剣をカウンターの上へどかっと置いた。
「これひとつ!」
「アシュレイの度胸に敬意を表して、少しおまけするわね」
「やった! ありがとな、ダイアナ!」
 言われた額をばしっとダイアナに渡すと、アシュレイは踵を返す。
「あれ。アシュレイくん。もう行っちゃうの?」
「早く試し切りしてみたいんだよ! またな!」
 満面の笑みを浮かべ足早に店を出て行くアシュレイを見送り、ティモシーとダイアナは顔を見合わせ笑みを零した。
※人気投票をする場合は、投票するキャラクターでログインしてください。