みなかみまこと
お題ショートストーリー(2010/12/21執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:みなかみまこと
【得票数:1】

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プレイング
 凍えそうな寒空の下。
 その風景と時間に似つかわしくない音が空気を支配する。
 そこに立つのはタチアナ・ウィンスレッド。だが、音を発しているのは彼女ではない。
 彼女が使役するフランケンシュタイン、ジルベルトのものだ。
 タチアナとジルベルトは今夜もゴースト退治に来ていた。例えそれが今宵、12月24日――クリスマス・イヴであっても。
 ゴーストガントレットとゴーストアーマーで強化されたジルベルトは、姿を現した妖獣たちにガトリングガンを放ち、一瞬で蜂の巣にして殲滅させていった。
 それが、どれほど続いただろうか。
 辺りがしんと静まり返ったところで、タチアナはほぅっと息を吐く。
 戦いが終わったのだ。
 その拍子に目眩を起こしたのか、ふらっとバランスを崩すタチアナ。
 それをそっと支えるジルベルト。
 二人に月が仄かな光を落とす。
 タチアナが見上げれば、くっきりと輪郭の映える月の姿。こんなに綺麗なのは空気が澄んでいる証拠。それは同時に寒い証拠でもある。
「綺麗……でも、寒いですね」
 月光は綺麗なれど、吐く息は白く宙に消えていく。
 その言葉を聞いたジルベルトは、支えていたタチアナをそっと抱きかかえた。
 彼のたくましい腕はその見た目とは裏腹に、タチアナを思いやるように優しく暖かく包み込む。
 その行動に、頬を思わず赤らめるタチアナ。
 こうやってジルベルトと夜道を歩くことなど、彼女にとっては珍しいことだったのだ。だからこそ、頬を赤らめ、喜びを噛み締めているのだろう。
 誰よりも、何よりも大切な存在である彼女のジルベルト。
 彼女は彼を、彼は彼女を。
 お互いを大切に思っているのだ。
「暖かい……」
 夜風は冷たいが、彼の腕が守ってくれる。
 今も、そして、これからも。
 しかし、それは仮初めの刻。
 街に近づいたらイグニションを解き、ジルベルトをカードに封印せねばならないのだ。
 だからこそ、短いこの僅かな時間だけでも大事にしなければならない。
 そして、そっと瞳を閉じ、タチアナは小さく呟いた。
「メリー・クリスマス……」
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