solnia
お題ショートストーリー(2011/01/20執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:solnia
【得票数:4】

お題イラストを拡大する
プレイング
 活気と喧騒渦巻く酒場の一角。荒っぽい怒号さえ、今日は心地良い。
 マスカレイドとの戦いに勝利し依頼を成功させた3人のエンドブレイカー達による祝勝会が、今から始まろうとしていた。
 テーブルの上、溢れんばかりの金貨がつまった袋は勝利の証。
「ミラはまだかなー?」
 飲み物を取りに行ったミラを気に掛けるジェシカ。まだ然程時間は経っていないが、待ちきれない様子でうずうずしている。
「もう戻ると思いマスヨ」
 答えるプリマの声も明るい。ゆったりした帽子を深く被っているせいで表情は見え辛いが、口元は微かに綻んでいた。
「そっかー……んー」
 ジェシカの様子が落ち着かない。勝利の余韻が彼女のテンションをぐんぐん上げ――。
「プ〜リマっ!!」
 テンションが臨界を突破してしまったジェシカは、思わずプリマに飛びついてしまった。
「わわっ!?」
 遠慮の無い抱擁に驚くプリマ。バランスを崩してテーブルを蹴ってしまい、乗せてあった金貨が派手な音を立てて散らばった。しかしジェシカは止まらない。
「いやあ本当に上手くいったよなー。プリマのあのレギオスブレイド、超いい感じだったぜ〜!」
「わわわ、ひっくり返っちゃいマスヨ!?」
 さすがに慌てるプリマだが、迸るジェシカのテンションを下げるには至らなかった。
 このままでは本当に倒れてしまう。あたふたしながらプリマがそう思った時、
「ちょっとジェシカ!?なにしてるの!」
 驚いたのはジュースの入った水差しと3人分のグラスを手に戻ってきたミラだった。まさか酔ってもいないのにこんな事になっているとは。
「あ、すまんすまん。悪いな」
 ミラの声で我に返ったジェシカは、照れ笑いを浮かべながらプリマに謝る。
「もう……!プリマ、大丈夫?」
「大丈夫デス」
 ずれ掛けた帽子を整えながら、座り直しミラに応えるプリマ。慌てはしたが決して気分を害したわけではなかった。
「ミラもごめんって!」
 少し呆れたような顔で金貨を片付けていたミラにも、手を合わせ片目を瞑りながら謝るジェシカ。
 ミラはグラスにジュースを注ぎ、
「……騒ぐのはこれから、でしょ?」
 にっこり笑って2人に配った。
「話せるね!」
 ジェシカは満面の笑みでグラスを受け取り、プリマもそれに続く。ミラは自身のグラスにもジュースを満たすと水差しをテーブルに戻し、乾杯の音頭を取った。
「では、はじめましょうか。私達の勝利と依頼の成功に……」
 3人の「乾杯!」の声が重なった。
 思いっきりグラスを掲げて一気に飲み干すジェシカ。プリマは小さな仕草で乾杯に応じ、ちびちびとジュースを味わっている。そんな2人を微笑ましく眺めながら、ミラはウェイトレスを呼び止める。
「さ、じゃんじゃん頼んじゃいましょう!」
 ミラに言われるまでも無くジェシカはメニューを片っ端から注文し、プリマも控えめな声で、だが大量にスイーツを頼んでいた。
 3人の食欲を満たす戦いは、まだ始まったばかりだ。
※人気投票をする場合は、投票するキャラクターでログインしてください。