鈴鹿涼
お題ショートストーリー(2011/01/24執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:鈴鹿涼
【得票数:4】

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プレイング
 依頼を終え、旅人の酒場に戻ったミラ、ジェシカ、プリマの三人は空いていたテーブルに荷物を置いた。
「じゃあ、少し準備してきますから」
 ミラは二人にそう言うと、店の奥へと歩いていった。
 プリマはそれに従い、ちょこんと椅子に座る。
 ぶかぶかの帽子を被っているため表情は見えにくいが、その口元はにっこりと微笑んでいた。
 それとは対照的に。
「あー、うー、むむむっ、ぐぅ」
 ジェシカはプリマの隣に居ながらも座らずに、ずっと立ったまま。
 何かを考えているのか、顔は気難しそうに見え、そわそわしてまるで落ち着きがない。
「あの……」
 見かねたプリマはジェシカに声をかけた。その瞬間だった。
 ふくよかで豊満な胸がプリマを押しつぶさんと襲い掛かっていた。
「いやあ本当に上手くいったよなー。プリマのあのレギオスブレイド、超いい感じだったぜ〜!」
 喜びを含んだジェシカの声が飛んできた。
 突然の肉壁アタックに体勢を崩したプリマはそのまま椅子ごとジェシカに押し倒されるかと思い、ハラハラしてしまう。
「わわわ、ひっくり返っちゃいマスヨ!?」
「いやー、だってなー」
 そう言いつつ、ジェシカの抱きしめる強さは増していく。
「はいはい、そこまでですよ」
 半ば呆れつつ、ミラが戻ってきた。その手にはグラスが三つと水差し一つ。
「あ、すまんすまん。悪いな」
 ミラの帰還に、ジェシカもやっと離れてくれる。
 柔らかな胸の感触をいくら押し付けられても痛くはないが、さすがにこのままでは本当に床まで一直線だったので、プリマもホッと息を吐いた。
「はい、グラスです」
 ミラは手際よくグラスを渡し、自分用のグラスは机に。二人のグラスにドポドポとジュースを注ぎ、自分のそれにも同じようになみなみ注ぐ。
「それじゃあ……」
 水差しをグラスに持ち替え、高らかに掲げる。
 それに合わせてジェシカも高くグラスを掲げた。
 プリマは謙虚にも二人より小さな位置に掲げる。
「マスカレイドの戦いの勝利と依頼の成功に乾杯!」
「乾杯っ!!」
「……乾杯」
 カツンッ! とグラスが鳴り、注がれたジュースの水面がたゆたった。
「うーんっ! やっぱり勝った後の一杯は美味しいぜ!」
「ジェシカさん、飲むのが早いですよ」
 乾杯と同時に注がれたジュースを飲み干したジェシカに、ミラは苦笑しつつも、ジュースを注いであげる。
 そんな二人を見て微笑みながら、プリマも少し飲んだ。
 そんな三人の下へ、勝利を祝う料理が運ばれていく。
 どれも美味しそうに見えたが、プリマの目には甘そうなお菓子が何よりも極上の料理に見えたのだった。
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