夜。それは、闇が支配する時間。そこに巣食うのは、闇に捕らわれた存在。その者達はゴーストと呼ばれ、闇に紛れ……人を、襲う。 この、人里から少し離れた美しい湖でも、そのような存在が出現していた。少し前から、ここで人が行方不明になるという事件があったのだが、その原因がゴーストなのだ。 そんな場所にやってきた、4人。それは、『能力者』と呼ばれる者達だった。 「イグニッション!」 4人は、それぞれ自らの力を封じたカードを掲げ、叫ぶ。その言葉により、彼らは自らの詠唱兵器を装備するのだ。それが同時に、戦闘開始の合図となる。 「よーし、いっくよー!」 「僕達も頑張りましょう、ディラック」 結子が、手近なゴーストの絵を描く。その絵は動き出し、同じ姿をしたゴーストを攻撃する。攻撃を受けても倒れず、結子に襲い掛かろうとしたそのゴーストに、リーフが放った雷の魔弾と、その使役ゴーストであるケットシーガンナーのディラックが放った銃弾が見事に命中した。 「さっさと倒そうぜ!」 「ああ、いくぞ!」 譲は、知則の武器に黒燐蟲をまとわせる。その武器で、知則は近くのゴーストに具現化した炎を叩きつけた。 相手は、ゴーストの群れ。しかし、4人が上手く連携して善戦することにより、残りはあと1体となった。しかし、その1体は……とても強力な、地縛霊だったのだ。 「強敵ですが、負けられません!」 リーフは雷の魔弾を放ち、間髪入れずにディラックが銃撃を放つ。それに怯まず、ゴーストはリーフに向かって攻撃の手を伸ばしてくる。上手く避けられずに、結構なダメージを負ってしまったリーフのそばに、ぴょこんとモーラットが近づいてきた。 「エイト、リーフのこと頼むぜ」 それは、譲の使役ゴーストのエイト。エイトはリーフの怪我をぺろぺろと舐めて癒そうとしている。それを見てから、譲はゴーストを睨みつける。その怨念のこもった瞳……魔眼により、ゴーストは内側からダメージを負うのだ。 「もう一息! がんばろー!」 結子の場に似合わないほど明るい声と共に、相手のゴーストそっくりの絵が、ゴーストに飛びかかる。大分、ゴーストは弱ってきているようだ。 「これで、とどめだ!」 知則が、赤く燃える手を思い切りゴーストに叩きつける。 次の瞬間。甲高い断末魔の叫び声を上げ、ゴーストは闇の中に消えていった。 「やったぁ! 勝ったよ!」 結子が、嬉しそうに両手を上げる。そこに、苦笑しながらも嬉しそうにハイタッチをする知則と譲。少し背の低いリーフのために手を低めに出してやれば、リーフと一緒にディラックも手を出してきて、エイトもぴょこんと跳ねてきた。使役ゴーストの2匹を含めて全員でのハイタッチに、全員が心を和ませたのだった。
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