星海蟹依
お題ショートストーリー(2009/04/19執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:星海蟹依
【得票数:0】

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プレイング
「ねぇ、もうちょっと早く進もうよ〜」
 やや苛立ったアルカナが、目の前のイオシスにそんな愚痴をこぼした。
 二人が居るのは、半ば朽ち果てた遺跡だ。狙いはもちろん、遺跡に眠るお宝だった。
 アルカナはお宝に心躍らせていたが、前方を行くイオシスは別の事に意識を向けていた。
 遺跡はグドンが荒らし回っているという話を聞いたのだ。モンスターの中でも雑魚とされるグドンだが、駆け出し冒険者である二人には、まだ油断できない相手だとイオシスは考えていた。
 その為、周囲への警戒を強め、時折死角にも注意を払い、いつ戦闘になっても良いように武器に手を掛けたまま進んでいた。
 そんなイオシスを先頭としているため、移動する速度は自然と遅くなる。アルカナにとっては、それがもたもたしているようで我慢ならないのだった。
「アルカナだって聞いただろう? ここにはグドンが徘徊していて、倒壊した壁で見通しも悪い。ここは慎重に進むべきだ」
 そう言って、イオシスは前方に注意を戻す。その様子に、アルカナは小さな溜め息を1つついて、再びゆっくりと進み出すのだった。
 しばらくして、別れ道にたどり着く。
「分かれ道か……どっちに進むべきか」
 と、イオシスが考えている時、右手の壁が崩れ、階段状になっているのにアルカナは気付いた。
 ただ倒壊した壁が重なった物だったが、これを登れば壁の上から偵察が出来そうだと、アルカナは思いついた。そして、思い立ったら即行動! 崩れた壁を駆け上がり壁に登る。幸い、厚い壁は走るのにも十分だった。
 一旦、壁の上に腰掛けてイオシスを見た後、すぐ戻れば気付かれないよねと呟いてから、アルカナは偵察に向かった。
「アルカナ、とりあえず右の……」
 そう言って振り返ったイオシスだが、時既に遅し。呼んだ相手はもう居なかった。思わず頭を抱えてしまう。
 まだ遠くへは行っていないだろうと考え、アルカナの名前を大声で呼ぼうとしたその時。
「イオシス!」
 アルカナが壁の上から駆け下りてきた。
「イオシス、あのね」
「……アルカナ、さっきも言ったがここはグドンが徘徊しているんだ。そんな中の単独行動が危険な事は解るだろう! それを勝手に!」
「う、えっと……ゴ、ゴメン」
「だいたいアルカナは……」
 心配を掛けるアルカナに、思わず声を荒げてしまうイオシス。そんな様子に反省してか、アルカナも身を縮ませつつ、素直に説教を聞くのだった。
 と、何かを思い出したようにアルカナがイオシスを静止する。
「ちょ、ちょっと待って! その前に……この先にグドンが!」
 そして、偵察で見つけたグドンの様子を事細かに報告した。
「……分かれ道を右に進んだ先か……うまくすれば奇襲できそうだな」
「よし、やろう! この鬱憤をグドンで晴らすよ!」
 ほどほどになと、イオシスが苦笑いで応え、二人はグドンの元へ駆け出した。
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