道端のウサギ
お題ショートストーリー(2011/02/08執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:道端のウサギ
【得票数:12】

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プレイング
「オォォォ!」
 その自縛霊の怒りに満ちた雄叫びは、聞くもの全てに死の苦痛を与える。
「――クッ! これでは迂闊に近づけない!」
 自縛霊に一撃を加えようとしていた知則もその声の生み出す痛みに耐えながら叫ぶ。
「ここまでは順調だったのに、ね〜」
 同じく叫びを聞いてしまった結子も、体に走る痛みに顔をしかめながら呟いた。

 ――夜の帳の下りた廃神社に現れる死者。
 その噂に導かれるようにやってきた4人の能力者たち。
 彼らが目にしたのは神社を徘徊する無数の自縛霊達だった。
 数は多くとも、個々の強さと連携力で勝る能力者達にとって、この戦いは危なげなく終えられる物になるはずだった。
 その、憎悪と憤怒に満ちた咆哮を聞くまでは。

「どうやらこのゴーストこそが、此処へ無数の死者を集めた張本人のようですね」
 冷静に状況を見つめながら、雷をまとった魔弾を射出するのはリーフ。
 リーフの連れるディラックも、主人に追従するように自縛霊へ向け弾丸を放つ。
「こんな奴が紛れ込んでいるとはな。まったく、苦労させられるぜ」
「きゅー!」
 譲とエイトがそれぞれ仲間と主人の傷を癒しながら、苦々しく言った。
 ――だが、能力者達の目にはあきらめの光は宿っていない。
 それこそが、彼らの強さ。
 自縛霊などに、負けはしないのだ。
「よし、このままでは埒が明かない。皆で協力し、一気に決めるぞ!」
「オッケー!」
「了解しました」
(コクッ)
「任せろ!」
「キュキュー!」
 知則の合図に全員が一致団結、それぞれが言葉を返す。
 彼らそれぞれが、勝利へのプロセスを開始し始める。
 ひとつ。
「いっくよ〜!」
 結子が描いた自縛霊のスケッチが、自縛霊へと突撃。
 自縛霊の注意を引き付け。
 ふたつ。
「頼んだぞ、知則」
「あぁ、任せろ」
 譲が、知則の赤手へと、黒き蠢きを纏わせ。
 みっつ。
「ハァーッ!」
 知則が気合の声とともに、自縛霊の側面から一気に詰め寄り。
 よっつ。
「させませんよ」
 その動きに気がついた自縛霊が、叫びを上げようとするが、それをさえぎるかのようにリーフの雷が放たれれば。
 ――勝利は確定する。
「これで終わりだ!」
 知則の黒と紅に染まった赤手が、自縛霊を穿つ。
「ウォォッッ!」
 自縛霊の叫びには、もう苦痛を与える力はない。
 断末魔の叫びを上げ、自縛霊は闇へと溶けていった……

「やったね〜!」
「僕たちの能力を考慮すれば当然の結果です」
「え〜もっと喜ぼうよ、リーフくん。ね、ハイタッチしよ?」
「そ、そこまで言うのであれば、かまいません……」
 結子の差し出した手におずおずとハイタッチするリーフ。
 そんな主人の様子を見て、ディラックも結子の手にポンッ、とハイタッチ。
「終わったな」
「だな」
「ナイスアシストだった、譲」
「いい一撃だったぞ、知則」
「キュー!」
 こちらは静かに。パンッ、とハイタッチ。
 エイトがその周りをくるくると飛び、喜びを表しているようだった。
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