道端のウサギ
お題ショートストーリー(2011/03/07執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:道端のウサギ
【得票数:9】

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プレイング
 ――夕暮れ時にこの場所へと足を運べば、きっと。
 今、眼前に広がる美しい赤をもう一度見ることが出来るのだ。

 東の空から顔を出してきた朝日を見つめるのはジェット。
 彼の前に広がるのは、赤に染まった街並み。
 ――ジェットが今まで護って来た、大切な幸せ。
 それらを見つめるジェットの表情は、とても嬉しそうで、何処か誇らしげだ。
「ん〜! もう朝が来たのか」
 まだ日も明けない宵の内からずっと、この場所にいたジェット。
 凝り固まってしまった体をほぐすように大きく伸びをする。
 眼下に広まる街もあと少しの時が経てば、街角からは朝の早いパン屋から立ち上るいい香りや、その朝に採れた新鮮な色とりどりの野菜が立ち並ぶだろう。
 先ほどの言葉はそんな朝を迎えようとする街へ向けた挨拶だったのかもしれない。
「もう朝飯の用意始まってんのかな。あぁ、腹減った……」
 ぐるるぅ〜、と鳴るのはジェットのお腹。
「けど、食べてる時間はなさそうだ。帰ってきてから、だな」
 マスカレイド退治。それがエンドブレイカーであるジェットの仕事だ。
 今日もこれから仲間達と共に、戦いへと赴く。
「さて、そろそろ時間だな。今日も頑張るとするか!」
 この景色の中には数え切れないほどの幸せがある。
 一つ一つが取るに足らないように見えるけれど、とても大切で美しい幸せ。
 それを守ってきた誇りと喜びを胸に、ジェットは今日も行く。
「っと、そろそろ急がないと仲間との集合時間に送れるな」
 先ほどは顔だけだった太陽も、今はもう全身の姿が見えている。
 集合場所は、ここから少し離れている。
 今から大トカゲで飛ばして、ギリギリ間に合うかどうか。
 慌てて剣を担ぎ直し、手綱を引いて街へと背を向ける。
 ――あぁ、忘れるところだった。
 またこの場所へと戻ってくる為にやらなくちゃいけない事があった。
「行ってきます!」
 ただいま。と胸を張って言える様に。
 今日も頑張っていこう、と気を引き締めるジェットだった。
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