タカノ
お題ショートストーリー(2011/04/05執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:タカノ
【得票数:10】

お題イラストを拡大する
プレイング
 遠くから嫌に響く笑い声が聞こえる。
 それと、微かな泣き声。
 其処で佐久間・音也(高校生ヘリオンb00000)は考える。
 此処は一体何処だ?
 考えようとするが思考は纏まらない。
 うっかり飛びそうになる意識に懸命にすがりつき、少し前のことを思い出そうとする。
 ああ、そうか。俺はあの子を守ろうとして負けたのか。
 ゴーストに襲われている子供を思わず一人で助けようとして、それで……。
 気が付けばこの様ってわけだ。
 ひんやりとした無機質なコンクリートの冷たさが体の熱を奪っていく。
 濁流のように流れる思考が追いつかず、鈍い意識がさらに深く落ちていく気がする。
 此処で俺が負けても他のみんなが何とかしてくれるだろう……。

 ……本当にそれでいいのか?
 俺は……。
 僅かに目を開けば泣き叫ぶ子供の顔。
 ……ああ、そうだ。俺はこんなところで……
「負けてる場合じゃないんだぁ!」
 軋む体に無理やり力を入れ、強引に立ち上がる。視界もふら付くし、腕に力も入らない。はっきり言って最悪の状態だ。
「それでも!」
 ゴーストの顔色など分からないが、こちらに意識を移したのはだけは分かる。
 ゆっくりと子供から離れこっちに向き直って来る。
「その子に……手を出すなぁっ!」
 例え体が動かなくても、俺には音と光がある。
 そして、それこそが俺のゴースト達と戦う為の武器。
「ガァァァァァアッ」
 ゴーストが勢い良くこちらに向かって来るが……それはすでにさっき見ている。
 大きく右後方にステップをしてやり過ごし、右手に光の槍を作る。そして振り向いたゴーストに。
「いけぇっ!」
 真っ直ぐに振り下ろす。
 ソレを正面から受けたゴーストは、もはやその形状を保つことはできなかった。

「音矢! 大丈夫か!」
 後ろから聞こえる仲間の声。安心もするが、もうちょい早く来てくれよ。と、思わず愚痴りそうになって自分でクスリと笑う。
「? どうかしたのか?」
「別に? さあ、親玉倒した事だし帰ろうぜ」
 この子を親御さんに帰してあげないといけないしな。
 そう、自分の中で呟いて。 


 

 
※人気投票をする場合は、投票するキャラクターでログインしてください。