のいん
お題ショートストーリー(2011/06/15執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:のいん
【得票数:8】

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プレイング
 深い、深い森の奥。
 そこに眠っていたのは、遠い昔に朽ち果てたとされる遺跡。
 誰かが訪れることもなく、静かに眠る古代遺跡をふたりは発見した。
「ここ、腕試しにいいかも!」
 そう明るく声を上げたのは、エリザベスという少女。
 隣に立つ少年クレスを見やり、いざ入らんとばかりに意気込んでいる。
「そうだな。だが、手に負えないと感じたらすぐに引き返すぞ」
 そんなエリザベスに苦笑しながら頷いたクレスは、けれどしっかりと釘を刺した。
 幼馴染であるふたりにとって、そのやりとりは今に始まったことでもないようだ。
 エリザベスはまた始まった、とばかりに口を尖らせるが、クレスもそこばかりは譲れない。
「わかってるわよ!まったく、あたしはクレスなんていなくても大丈夫なのに、いつもそればっかりなんだから!」
「仕方ないだろう。エリザベスはすぐに突っ走って、厄介ごとにばっかり首を突っ込んで……」
 腰に手を当てて溜息を吐くエリザベスに、溜息を吐きたいのはこちらだと不満げな顔のクレス。
 元々はエリザベスが言い出した、この修行の旅。
 なんだかんだで放っておけずについてきたクレスの心配事は、尽きることを知らないらしい。
 エリザベスはそれこそ嫌そうな顔をしているが、けれど心配をしているからこその言動とわかっているためか、それ以上強く言うことはなかった。
「……だから、わかってるわよ。ほらクレス、さっさと行きましょ!」
 お宝が、あたしたちを待っているんだから!
 そう言ってふたりが揃って見上げた先には、朽ち果てた古代遺跡が聳え立っている。
 いかにもそれらしい雰囲気のダンジョンだった。
 さあ行くぞ、とふたりは見つけたばかりのダンジョンへ足を踏み入れる。
 誰かが通った形跡もない遺跡の中は、荒んでいて歩きづらかった。

 やがて。
 ふたりは探索を続けたダンジョンの中で、大きな音を耳にする。
 がらがらと大きな音を立てながら崩れていく天井の、その先。
 ふたりが見たのは、暴れまわる『ランドホエール』だった。
「なにあれ!?」
「俺たちで倒せるのか……?」
 こんな大きなモンスターなど、ふたりはまだ見たことがなかった。
 その大きさに顔を青くしたふたりを、ランドホエールが睨みつける。
 どうしよう。エリザベスは考える。
 どうする。クレスは考える。
 逃げるか、立ち向かうか。ふたりは顔を見合わせると、固唾を飲み込み頷きあった。
「……行くぞ、エリザベス!」
 ふたりなら、ひとりでは出来ないことも出来るだろう。
 隣に立ち、背を守り、共に闘うことが出来るだろう。
「ええ、行きましょ。背中は任せなさい、クレス!」
 そして。
 覚悟を決めたふたりは、それぞれの武器を構え、ランドホエールへと立ち向かうのだった。
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