宮原もも
お題ショートストーリー(2012/04/02執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:宮原もも
【得票数:21】

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プレイング
 石畳のゆるい坂道を昇る。
 路肩には小さな花が風に揺れ、緩い陽気の中人々は昼間の挨拶を交わす。
 小鳥たちが唱いながら青い空に昇って行き、花には虫たちが踊る。
 いずれの街に来ても、変わらない。
 のどけき光の中、すべて世は事もない……。
 魔法剣士・ダリアは、笑いながら走り去る子供や、大きな声で旦那の自慢話をする奥方をみながら、小さく笑って目を細めた。
「どこの町並みもあまり変わらないな」
 トンファーの群竜士・リーは首を傾げる。
 どんなに新しい場所に来ても、人々が住まう限り、そこはどこも同じように活きていた。
 少し先の街角で老人と笑いながら会話していた剣の城塞騎士・フローラは、手を振り離れて行く老人に応えて、それから二人が追いつくのを待った。
 手には街の地図が握られている。
「さて、どっちに行ったもんか。どうする?」
 フローラに追いついて、リーは肩を持ち上げてみせた。
「ええと、今いるのはここだから……」
 自分の手もとの地図に指先を落とし、フローラが唸った。
「そうね。まっすぐ行くと職人街。右手には城塞騎士団の詰め所、左手には市場があるはず。町の人達に馴染むなら、まず市場はどう?」
 フローラの提案に、ゆっくりとダリアが頷く。
「ん。私に異論は無いよ。町の人から話を聞く事は、この都市国家について詳しく知る、良い機会にもなるだろうし……」
「よし、んじゃ行ってみるとするか」
 リーはぽんと掌を合わせると一瞬擦り合わせてみせた。
 黙ってダリアが頷く。
「じゃ、行ってみましょう」
 フローラが方向転換しようとした。
 その時だった。
 ダリアがふと、後ろを振り返った。
 フローラも体を振るわせる。
「……どうした?ダリア、そっちには何もいな……」
 そこまで言いかけて、リーは言葉を切った。
「この、嫌な感じは……。どこかにいるのね?マスカレイドが」
 フローラのつぶやきに、眉根を寄せて、ダリアが頷く。
「ああ、どうやらそうらしい」
 ダリアの様子をみて、得心の行ったリーはにやりと笑った。
「そういう事か……この都市国家にも、棘の気配は十分なようだな。なに、だとしたら俺達のやるべき事は一つ。早速情報を集めて、奴らのエンディングをぶっ潰してやろうぜ!」
「じゃあ手分けして情報を集めましょう。私は騎士団の方を回ってみるから、そっちはお願いね」
 ぐっと拳を握るリーに、フローラが力強く言った。
「きっと今もどこかで、誰かが私達の助けを待っているに違いない。もたもたしている時間は無い、行こう!」
 ダリアの声を合図に、顔を見合わせ、深く頷いて、三人は歩きだした。
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