いずみ
お題ショートストーリー(2012/06/15執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:いずみ
【得票数:1】

お題イラストを拡大する
プレイング
 すべての都市国家は、それぞれ別の顔を持っている。眼前に広がる市街を見ながら、トンファーの群竜士・リーは新たに訪れたこの都市の空気を胸一杯に吸い込んだ。活気に満ちた空気が身体に入ってくるにつれ、彼は身体に覇気がみなぎってくるのを感じた。
「だが、町並みの雰囲気は他と変わらないな」
「そうだな。細かいところは違っても、人々の活気で満ちているのはどこでも変わらないからな」
 魔法剣士・ダリアはリーに言って微笑した。リーほどあからさまではないけれど、彼女の表情もまた覇気に満ちている。新たな都市にやってきたことで、気持ちが高まっているようだった。
「きれいな町だな」
「同感だ」
 リーとダリアは並んで市街に目をやった。聖霊建築は面白い。普遍的な技術なのに、建築様式に住民の性格が出るのだ。だから都市はそれぞれ個性的な顔を持つ。ふたりはそのまましばらく都市の景観に見とれていた。
 と、そこへもうひとりの仲間がやってきた。剣の城塞騎士・フローラだ。彼女はふたりを置いて道を訊ねて回っていたのだった。
「お待たせ。親切なおじいさんが詳しく教えてくれたわ」
 フローラは言って、ふたりに手書きの地図を見せた。
「ええと、今いるのはここだから……。そうね、ここからまっすぐ行くと職人街。右手には城塞騎士団の詰め所、左手には市場があるはずよ」
「なるほど。さて、どっちへ行ったもんだか……」
 リーは思案顔になると、なんとはなしに通りを見た。街路はどこも人であふれており、どこへ行ってもなにか楽しいことがありそうだ。
「町の人達に馴染むなら、まず市場はどう?」
 フローラがそちらを指さしながら提案した。
「よし、んじゃそっちから行ってみるとするか。……と、その前にダリア、お前の意見は?」
「ん。私に異論は無いよ。町の人から話を聞くことは、ここを詳しく知るいい機会にもなるだろうし……」
 ダリアは微笑した。その顔には仲間への信頼感がにじみ出ていた。
「決まりだな。よし、んじゃ行ってみるとするか」
 三人は道を行きだした。
 が、すぐにダリアが足を止めた。
「どうした?」
 リーは立ち止まってダリアを見た。彼女の顔からは微笑が消えている。リーは一瞬それをいぶかり、間もなくその理由に気づいた。
 どこかにマスカレイドが潜んでいる……。
「いや。そうか、そういうことか」
 観光客然としていた今までの表情はどこへやら、リーは真剣な顔つきになった。見ればフローラも町を覆う嫌な気配に気づいたらしく、厳しい顔つきになっていた。
「予定変更だな」
 リーは言った。理由は、言うまでもない。
「ああ、今この時も誰かが私達の助けを待っているに違いない。すぐに行こう」
「手分けして情報を集めましょう。私は騎士団の方を回ってみるから、そっちはお願いね」
「分かった」
「任せてくれ」
 エンドブレイカーはたちはうなずあった。そして、棘(ソーン)の手がかりを求めて三方へ散っていった。
※人気投票をする場合は、投票するキャラクターでログインしてください。