リョータ
お題ショートストーリー(2009/04/15執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:リョータ
【得票数:3】

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プレイング
 壊れた城壁、崩れかけたアーチ。静まり返った遺跡。
 この静謐な空間を汚すグドンたちがいるらしい。
 その情報を得たイオシスとアルカナは二人で討伐に来たのだったが、何事も思い通りには運ばないものだ。

「ねぇ、もう行こうよ」
 アルカナは城壁の上に腰をかけて片方の膝を抱えながら、少々退屈そうに空を見上げつつ言った。
 グドンの行動、自分たちの侵入経路、撤退経路などなどを頭の中で綿密にシミュレーションしていたイオシスは、現実に引き戻されハッとした。
「……何も分かってない。自分がどれほどの危険を犯したかも分かっていないんだろう?」
 ため息を吐きながら、小さく首を振る。
 たったひとりで、こんな荒れ果てた遺跡に潜り込んで偵察を行ったアルカナ。
 慎重なイオシスは、その行動が信じられない。
 アルカナから報告を受けたイオシスはその内容の確かさに喜ぶよりもまず、説教を始めた。
 そして、説教が一段落つくと二人とも気を取り直して作戦を練り始めたのだが、アルカナはもう充分と判断したようだ。

 ──まだ、何も決まっていないのだが。

 アルカナが何か提案しても、イオシスにとっては穴だらけの稚拙な作戦だった。
 また、イオシスが提案してもアルカナにとっては、まどろっこしいだけの遠回りな作戦だった。

「さっきから、堂々巡りだよ。ボクはもう行くよ!」
 そう言うと、腰をかけていた城壁からヒラリとアルカナは飛び降りスタスタと歩き始めた。
 呆気にとられたイオシスだが、すぐさま自分を取り戻すと
「ど、どこへ行くつもりだ?!」
 慌てながら小走りに後を追う。
「あっち。グドンがいた場所」
 腕を真っ直ぐ伸ばし、彼方を指差しながらアルカナは答えた。
 微笑みを絶やさず、ズンズン進んでいく。真っ直ぐ自分が信じる道へ。
 追いついたイオシスは、頭をポリポリかきながら自分が考えた作戦を説明する。
 どうせ決心したアルカナに何を言っても無駄なのだ。
 聞いているのかいないのか、スピードを緩めず歩き続けるアルカナにイオシスは不安になる。
「なあ。俺たちはまだ経験も浅いし、何より……」
「大丈夫!!」
 満面の笑みを浮かべてアルカナはイオシスの瞳を見つめた。
 肩をすくめてイオシスは空を見上げた。抜けるような青空だった。
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