平山いつき
お題ショートストーリー(2009/05/01執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:平山いつき
【得票数:11】

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プレイング
 哀しみ渦巻くゴーストタウン、ノーザンシティ米沢。現れるゴースト達を倒して進めば、その最奥。修二達の前に慟哭と共に現れたのは、この地を支配するボス・慙愧王。
 妻を奪われ、復讐の鬼と化したあげくに無念の死を遂げたという侍のなれの果てがこの姿なのか、それは分からないが、少なくとも堅い鎧に身を包み、両腕の即部に髪の長い女性の様な瘤を生やしたその禍々しい様は、とても悲しい姿に見えた。
「いよいよだな……前は俺に任せとけ」
 強大な敵を前に、修二がそう呟くとリボルバーガントレットを構えて前に出る。仲間を、特に一番年下で体も小さい更紗を思ってのその行動は、しかし裏目に出た。
「毒島先輩、1人で飛び出したら危ないです……!」
 心配そうな声をあげて、修二を追うように更紗が後ろから飛び出した。その手を伝って白燐蟲が飛び出せば、ほのかに青白く光って敵の目印となり替わる。
 今一度の慟哭と共に繰り出された敵の腕が、更紗へ一直線に向かう。気づいた時にはそれはもう目の前で、更紗は思わずキュッと目をつむった。
「させるか!」
 その声が耳に届くと同時に、更紗は浮遊感を覚えた。来るべきはずの衝撃はいつまで経っても来ず、足が地面についていないのは分かるが、吹き飛ばされたというふうでもない。
 おそるおそる目を開くと、腰のあたりに太くたくましい腕――それは、修二の腕だった。更紗の施した白燐奏甲をまとうガントレットで敵の腕を殴り飛ばした修二に、大丈夫か、と問いかけられれば、はい、と答えて更紗は少しだけ嬉しそうに、修二の腕にしがみついた。

「まったく、世話が焼けるんだから」
 二人の様子を少し離れた場所から見ていた刹菜は、そう言いつつも心底ホッとしたように息を吐く。
 そんな彼女の口元には、次の瞬間、気の強い笑みが浮かべられていた。自身専用にカスタムされたギターマシンガンを構えると、銃口を敵へと向ける。修二の様に前へ出ての攻撃は得意ではないが、後方からの援護なら大得意だ。
「私の援護で負けたら、承知しないわよ」
 誰に言うでもなくそう口にすると共に、放たれる弾丸。それは別々の意思を持って動き回る腕をすり抜け、敵の本体へと見事に命中した。
「二天一流モード! くの一忍法、お見せします!」
 敵が苦しそうな叫び声をあげたところへ、たたみかけるように響いたのはマヒロの声。いつの間にか背後に回り込んでいた彼女は、二人。霧影分身術で分身した彼女たちのどちらに攻撃をしかけるべきか腕たちが決めあぐねているうちに、マヒロのナイフがその装甲に傷をつける。
「てめぇなんざに俺の『道』は邪魔させねぇ。受けてみやがれ!」
 その言葉と共に修二が渾身の一撃を放てば、ひときわ高くあげられた慟哭は身の消滅を示す最後のそれ。

 ――まがまがしい気配が、小さくなる慟哭と共に消えていく。ノーザンシティ米沢に、平穏なる静寂が戻った。
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