緒方智
お題ショートストーリー(2013/12/03執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:緒方智
【得票数:1】

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プレイング
 高く澄み切った青空をのびのびと飛ぶ鳥たちが平穏の象徴そのもの。
 その空の下、やって来た都市国家はひどく穏やかだ。
 街道に沿って並ぶレンガと白壁の街並みは本当にきれいで、人々の活気に満ち溢れている。

 「どの都市国家にきても、人々の活気は変わらないものだな」
 自分たちのそばを駆け抜けていく子供たちや行きかう街の人々を見送りながら、魔法剣士・ダリアはふっと柔らかな笑みをこぼす。
 目的を忘れたわけではないが、心がなごむというものだ。

 「さて、どっちへいったもんだか……どうする?」

 隣にいたトンファーの群竜士・リーはぐるりと辺りを見回すと、地図とにらめっこする剣の城塞騎士・フローラに声をかけた。
 フローラはふうと息を吐き出すと、にこりと笑って地図をリーと魔法剣士・ダリアに広げて見せた。

 「さっきのおじいさん、この辺の事を詳しく教えてくれて助かったわ。今いるのがここ。まっすぐ行くと職人街。右手には城塞騎士団の詰め所、左手には市場があるはず。町の人達に馴染むなら、まず市場はどう?」

 地図の左側に書き込まれた様々な商店の名。どれだけ町が賑わい、発展しているのが良くわかる。
 特に反対する理由はなく、リーとダリアはフローラの提案に賛成した。

 「私に異論は無いよ。町の人から話を聞く事は、この都市国家について詳しく知る、良い機会にもなるだろうし……」
 「そうね。情報を手に入れるなら、人の集まるところが一番ですもの」
 「よし、んじゃ行ってみるとするか」

 嬉しそうに微笑むフローラの横でリーは右の拳を左の掌で打つと、軽い足取りで歩き出す。
 小さく肩を竦め、ダリアはフローラとともにリーの後を追うように歩き出し―ある路地の前で足を止めた。
 全身を駆け抜ける悪寒。
 そのおぞましい気配にダリアは覚えがあった。

 「これは……棘」
 「おっ?どうした、ダリア。そっちには……」

 その場に縫いとめられたように立ち止まったダリアに気づき、戻ってきたリーはその気配を感じ取った。
 フローラも青ざめた表情で息を飲み、周囲を見渡す。

 「この嫌な感じ……どこかにいるのね?マスカレイドが」
 「ああ、どうやらそうらしい」
 「みたいだな。この都市国家にも棘の気配は十分……なら、やることは一つ」

 厳しい表情でダリアがうなづくと、リーは口元に不敵な笑みを浮かべる。

 「情報を集めて、奴らのエンディングをぶっ潰してやろうぜ!」
 「そうね。この瞬間にも誰かが私達の助けを待っている。もたもたしている時間は無い、行こう!」
 「じゃぁ、私は騎士団の方を回るわ。少しでも多く情報を集めなきゃ!」

 一瞬、互いの顔を見合わせ―街の中へと駆けて行った。
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