リョータ
お題ショートストーリー(2009/06/02執筆)
  作品の参考として、「お題イラスト」と「プレイング」を元にしたショートストーリーを執筆しています。ログインすれば、人気投票にも参加できます!

【執筆者:リョータ
【得票数:39】

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【お題のプレイング】
●シチュエーション
冒険の途中で野営しながらの一幕です。
謎のお肉が入ったシチュー(晩御飯)を煮込んでいる間に、3人はサキが宝地図屋から買ったアバウトすぎる地図を前に、旅のルートを検討しています。
サキとルドルフがさんざん口喧嘩した後で、ラインハルトがベストのルートを提示して、会議は終わります。

あーだこーだやりつつも仲のいい3人、という雰囲気でお願いします。

●キャラクター
・ストライダーの狂戦士サキ
一見清楚で可憐ですが、戦闘になれば巨大剣を軽々と振り回す女性です。尻尾は犬。そんなに頭はよく無いのですが、有能な才女っぽい口調で話すのを好みます。メガネも賢く見せるためのダテメガネです。ルドルフは腐れ縁、ラインハルトは信頼。

・エルフの邪竜導士ルドルフ
美しい顔立ちだがひどく顔色の悪い男です。クールぶっているものの冷静沈着にはなりきれず、サキに辛辣なツッコミをしてよく口喧嘩になります。でも、なんだかんだ言いながら結局サキについていきます。ラインハルトは頼れる仲間ですが、男のプライド故に対抗心を見せる場面もあります。

・ヒトの重騎士ラインハルト
無精ひげを生やした、精悍でワイルドな男性です。もともと寡黙ですが、この2人が口喧嘩をはじめると、面白いのでつい黙って聞き込んでしまいます。喋る時は「俺」「お前(呼び捨て)」「だ、だな、だろう」。2人の事を本当の弟妹のように大切にしています。
 暗い森の中、オレンジ色の弱い灯りが辺りを照らしていた。
 その灯りの中心にはパチパチと音を立てながら燃える焚き火。
 焚き火の周りには男女三人が、何事か揉めていた。
「で、このルートで進行するのが得策だと思うの」
 ストライダーの狂戦士サキは、眼鏡を人差し指で直しながら男たちを見下ろし言った。
「……シチュー煮えてるぞ」
 謎の肉がぶち込まれた謎のシチューをかき混ぜ、エルフの邪竜導士ルドルフはつまらなさそうに言い放つ。
「聞いてるの?! ここから、こう回ってグルーンと……こうっ!」
 サキはルドルフを睨みつけ、木の幹に貼り付けた地図に指を這わせながら大声で説明にならない説明を繰り返した。
 くすくすとヒトの重騎士ラインハルトは忍び笑いをする。
 サキが大枚をはたき、宝地図屋から買った地図。しかしその地図はアバウト過ぎた。
 誰一人も地図の情報を理解出来なかったのである。サキさえも。
 ルドルフとサキが喧嘩を始めたようだ。いつもこうだ。
 噛み合わない喧嘩が面白くて、ついつい楽しんで聞き入ってしまう。
「お前は地形を考慮してない! 何ヶ月歩く気だ!」
 ルドルフの的確かつ辛辣な意見にサキは口ごもってしまった。
 ラインハルトはちらりとサキの顔を見る。
 予想通り、サキの顔はみるみる真っ赤になってきた。
 そして案の定、更に激しい口論が開始された。
 そのままラインハルトはアバウトな地図へ目を向ける。
 罵詈雑言の応酬を聞き流し、一人で考え込み始めた。
「ちょっと! 外野決め込んでないでよ!」
「そうだ。ラインハルトも、こいつに言ってやってくれ!」
 二人が息を切らして、同時に振り向く。
 静かにラインハルトは地図を指し示し、ベストと思われるルートを提示した。
 勢いをそがれたサキは眼鏡を弄りながら黙って腰を下ろし、ルドルフは落ち着かなさそうに、シチューをかき混ぜた。
 次の瞬間、示し合わせたように三人で笑いあった。いつもの風景だ。

 そこは漆黒と静寂の森であった。
 冒険者たちの笑い声と、謎シチューの芳醇な香り以外は。
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