「――まだ、ですからね?」
覗きに来るのももう何度目か。見なくてもわかる退屈そうな気配に苦笑を零す。
「…あと少しですから、ちゃんと向こうで座って…――もう」
あとは向こうへ持っていくための容器に移すだけ。本当にあと少しなのだ。
隣の気配にそう言って聞かせても、もう我慢の限界!…と言わんばかり。
「めっ」
物を探すフリで逆を向けば案の定伸びた手に、ぺちと指を置いて。
「一緒に食べましょう、と言いましたよね?」
少しだけ咎める色を声に乗せれば、ごにょごにょと言い訳が返る。
「…味見は他の方に頼みました…ぇー、ではありません。早く戻って……――ほんとうに、もう」
また促す間にも、入り口に別の人影。ため息のつもりで苦笑が漏れた。
「…。はい、できましたよ」
手を止めれば歓声とともに持ち出される籠と重箱と他色々。
「……もう」
余ったお菓子を置いたはずの皿に目をやって、また笑みを一つ。
ほどなく少女も足早に台所を後にした。
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