<アクスヘイムの戦い 第1ターン結果>
第1ターンの開始状況
8月1日。その日、アクスヘイムの平穏は、一瞬にして崩れ去った。
「な……なんだ!?」
茨だ。
圧倒的なまでに巨大な茨が、アクスヘイムの街を覆い尽くしていく。
茨は伸び、寄り集まり、やがて巨大な茎となって、アクスヘイムの上部へと伸びていった。
そして、たちまちのうちに蕾をつけたかと思うと、青空の元に花開く。
咲き誇るのは、真紅の薔薇だ。
圧倒的なまでの大きさを誇る薔薇の花弁が日の光を遮り、アクスヘイムに影を落とす。
己の威容を誇示するかの如く、薔薇は絶対の美しさをもって咲き誇っていた。
だが、アクスヘイムに住まう人々は、その薔薇だけに気をとられてはいられなかった。
薔薇が咲くとともに出現した軍勢が、一斉に人々を襲い始めたからだ。
突如として現れたアンデッドの群れが人々の温かな血を求めて齧り付き、スラムでは駆逐されたはずのバルバの群れが現れ、暴虐の限りを尽くして暴れ始める。
放棄領域から進出した盗賊の集団は、下卑た歓声をあげて人々の命を奪っていく。
さらには、先程まで共にいた隣人に対して、突如として襲い掛かる者すらも現れ始める。
荒ぶる悪しき者達の体に宿るのはマスカレイドの『白き仮面』。
見えざるものであったはずの仮面は、今や誰の目にも明らかなものとして映っていた。
「一体、何が起こっている!? あの仮面の集団は何なんだ!?」
その叫びは、事態を理解していない全ての人々にとって共通の疑問であった。
その疑問が解かれぬままに、仮面の軍勢は人々を殺め、惨劇の渦を広げんとする。
アクスヘイムの全ては、たちまちのうちにその大渦に飲み込まれんとしていた。
だが、アクスヘイムの各地で、悲劇に抗うべく戦いを開始する者達がいた。
彼らの手によって、人々は理不尽な終焉から救われていく。
人々が問う。
「あなた達は、一体?」
彼らは、答えた。
「俺達はエンドブレイカー! 終焉に終焉をもたらす者!!」
絶望のエンディングから人々を救うため、戦いの火蓋は切って落とされた。
●地方行政官ゼイダツ:Battle15
地方行政官ゼイダツの軍団は、エンドブレイカーの大攻勢の前に一方的に壊滅しつつあった。
「我ら官僚組織こそ、都市を正しく都市たらめる崇高な存在なのだ、それをそれをー!」
既に前線は崩壊し、死を目前に迎えたゼイダツは、ゼイダツは怒りと焦りから鼻水を垂らしながら地団駄を踏んだ。
官僚組織なくして都市の存続はありえない。その官僚組織を攻撃するものがいるとは彼には信じられなかったのだ。
だが、
「私腹を肥やす小役人が、そんなたいしたものかよっ!」
ゼイダツに最初に肉薄したエンドブレイカーが、そう断じてその私腹を肥やした贅肉を叩き斬る。
肥満した腹部を引き裂きさかれたゼイダツは醜いはらわたを露出させる。
「おのれ、よくもわしの体に傷を……。わしの血の一滴は下層民100人分の価値があるのだぞっ!」
「それは、それだけの人々を苦しめて私腹を肥やしてきたという告白か何かなのかな?」
旅団メタファリカのチーム『トピカ』に所属するハルバードの狩猟者・イザーク(c08333)は冷たい瞳でゼイダツを見下すと、正確無比な疾風突きを撃ち込む。
もんどりうって倒れたゼイダツに、もはや戦う力は残っていなかった。彼はしょんべんを漏らしながら、哀れに懇願する。
「痛い痛い痛い。やめてくれ、俺が悪かった心を入れ替える。そうだ、今度はお前達の為に働いてやろう。私が官僚組織を整備すれば、エンドブレイカーの組織はまさに盤じゃ……」
しかし、ゼイダツは、その懇願を最後まで喋りきる事はできなかった。
「無様過ぎだよね。軍団長なら、もう少し優雅さが欲しいですね」
無造作に突き出されたイザークのハルバードが、倒れ伏すゼイダツの息の根を完全に止めたのだ。
「まさに、戦斧の汚れですね。あとで消毒しておかなければ」
そう言うと、イザークは、壊滅したゼイダツ軍の残敵を屠りながら、帰還の途についた。
●木のフォルス:Battle20
ガノッサス・アックス率いる五大軍団は、木・火・土・金・水の五軍団から成る。
そのうち、ガノッサスのいる本陣から最も離れた場所に展開しているのが木の軍団であった。
軍団のほとんどを構成するアンデッドマスカレイド達は、作業のように黙々と手にした武器を振るい、前を遮る者に死をもたらしていく。
それを統率する木のフォルスは生者であったが、彼は相対したエンドブレイカー達の目に、死者以上に生気の感じられない存在として映った。
「……行け」
逞しい肉体を金属の鎧に包んだフォルスは、言葉少なに部下としてあてがわれたマスカレイドへと命じる。そして彼自らも、エンドブレイカー達へ向けて修行の末に身に着けた斧術の粋を叩き付けていった。
その斧のダメージを最小限にとどめながら、翠狼・ネモ(c01893)は振り下ろされた斧を蹴って跳躍した。空中で体を回しながら、蹴り足がフォルスの首に叩き付けられる。
その一撃によって、ぐらりと揺れたフォルスの体は、石畳の上に倒れ込んだ。
「……おぬしはもう自由じゃ……安らかに眠るといい」
「感謝する……。これで……ようやく……終わることが、出来る……」
マスカレイド化によってもたらされた狂気から解放されたフォルスの顔は、どこか穏やかであるようにネモの目に映った。
●賭博王ドルバカラ:Battle12
「やろうじゃねぇか、生死をかけたギャンブルをよ!! 嫌だと言っても、この賭けから降りるのは許さねぇがな!」
ドルバカラの号令に従って襲い掛かるマスカレイドの集団。
博徒と呼ばれる彼らは、盗賊街に存在したドルバカラの賭博場を仕切っていた者であった。
博徒達は、ドルバカラの号令に従い、歓声をあげてエンドブレイカー達へと飛びかかっていく。
自らの生死すらも賭博の一部として楽しむ異様な感性を、ドルバカラ配下のマスカレイド達は共有していた。
たちまちのうちに、血煙がアクスヘイムの街路を覆い尽くす。だが、それは襲われたエンドブレイカー達のものではなく、襲い掛かったマスカレイドの側のものであった。
「ヘヘ……いいぜ、盛り上がって来たじゃねぇか! ギリギリの線で勝ち目を拾うギャンブルほど、心躍るものは無いってもんだ!」
驚愕の声をあげたドルバカラの眼前で、一人、また一人と博徒達は切り倒されていく。
そしてドルバカラも、無事では済まなかった。
突如として上空から突き込まれた槍が、ドルバカラの肩に深々と突き刺さる。
「旅団『明るく澄んだ空』のシエルよ。覚えておいてねー」
上空から舞い降りたのは、≪明るく澄んだ空≫【蒼穹に舞う翼】の明るく澄んだ空・シエル(c12577)。彼女は壁を蹴って再び頭上へと跳び上がった。幻惑するような動きからの蹴りが、続けざまにドルバカラを襲う。
「これで、終わりっ!!」
シエルの足に蹴り飛ばされたドルバカラは、壁にぶつかりずるずると倒れ込んだ。
「さて、残った敵の相手もしないとね……」
シエルは自分を取り囲む敵の気配に、軽く汗を感じながらそう呟いた。
●『解体屋』 :Battle17
盗賊街に伝わる、一つの伝説。
負債を抱えて死んだ者の屍の部品を奪い、装飾品や薬品の材料とする伝説の『解体屋』。
この闇の伝説は、今、現実のものとしてエンドブレイカー達の前に現れていた。
「ヒッヒッヒ。いいねぇ……さあ、僕のコレクションの出来栄えをたっぷりと堪能してくれよ!」
伝説の『解体屋』。その正体は、一人のマスカレイドであった。
彼が率いるのは、集めに集めた死体を用いて作り上げた、アンデッドの軍団。ガノッサス軍とは異なり、装備はおろか、肉体までがチグハグな造形となっている。その有様は、創造主である解体屋の狂った感性を示すかのようだ。
その死者の軍勢を切り裂いて、エンドブレイカー達は『解体屋』へと迫る。
「ヒ、ヒィ!? なんてことだ、僕のコレクション達が、こんな簡単にィ!?」
次々と倒されていくアンデッドマスカレイドの姿に、『解体屋』は驚愕を顔にのせる。
彼に向けて一気に駆け寄った大鎌のデモニスタ・チコリ(c06050)は、振り回した鎌を『解体屋』へと一息に振り下ろした。
「ボ、僕の体が、命が!!」
死を収集してきた男は、自らの死に恐怖の絶叫を上げながら息絶えた。
●策士バーバリィ:Battle11
「ヨユウのあるブタイをウヨクにマワセ。いや、サヨクにもだ。ショウメンもアブナイ、ホンジンもマモレ!」
矢継ぎ早に出される策士バーバリィの指示も、壊滅しつつある軍勢を立て直すには至らない。
何故ならエンドブレイカーの大攻勢にあった彼の軍団に余裕のある部隊など、既に存在していなかったからだ。
「お前が、策士バーバリィだな」
そこに現れた蒼魔天征・リゼルがスカイキャリバーを撃ち込む。
「モノドモ、ホンジンをマモレ」
攻撃を受けたバーバリィは必死に指示を出すが、既に本陣のジャグランツ達の殆どが戦闘に巻き込まれており、その指示に従うものはいない。
「オレはジャグランツズイイチのサクシ、コンナところで……」
これはヤバイと感じたバーバリィは慌てて逃げ出そうとしたが、時既に遅く、彼の周囲は本陣のジャグランツに押し勝ったエンドブレイカー達によって固められていた。
「マテッ、オマエたち、よくカンガエろ。オマエたちガたおスベキは、アックスとダイアモードのハズ。われらがアイウツは、テキをリするダケだ」
必死の形相でまくしたてるバーバリィ。
それは、命を賭けた弁舌であったのかもしれない。
だが……、
「ソウだ、オレたちジャグランツは、オマエたちのナカマになろう。ソウだソウだ、それがいい。ともにエリクシルを……」
彼の弁舌が彼の命をあがなう事は無かった。
「問答無用」
多数の攻撃がバーバリィの体に突き刺さり、そして、隠れ家ヘよーこそのチーム『誇り高き雑賀衆』に所属する竜の末の太刀使い・ヤマナ(c05779)の居合い斬りの一太刀が止めとなった。
「策士というから警戒したが、その必要は無かったようだな。エンドブレイカーがマスカレイドと仲間になれる筈が無いだろう? もはや、斬り捨てるのみです」
その返答と、バーバリィの体が地に崩れるのは、まさに同時であったようだ。
●死なずのジョック:Battle10
『死なずの』ジョックの軍勢を構成するジャグランツは、アクスヘイムの街路へと一気にあふれ出していた。
唐突なバルバの襲撃に驚く街の人々へ、分厚い肉切り包丁のような刃が死をもたらさんとする。
だが、その進撃も、エンドブレイカー達によって容易く食い止められていた。
「千の傷で死なないなら、千と一の傷を与えてあげる」
「オレ、シナナイ! イキテ、オマエタチ、タオス!!」
扇の群竜士・カナリ(c00715)の言葉に、ジョックは三つの首でそう答えた。だが、死をも恐れぬ勢いで襲いかかるバルバの群れも、エンドブレイカー達の勢いの前に切り崩されていく。
「オマエタチ、強イ! 王、倒シタヤツラカ!?」
「ええ、そうよ。今回もまた負け戦にしてあげる」
「王、倒シタヤツラニ負ケルナラ、最後マデ、戦ウ!」
戦士としての気概に燃え、ジョックはさらなる一撃を繰り出さんとする。
だが、その寸前、カナリの舞が水流を呼んだ。荒波はジョックの体を打ちのめし、新たな傷を刻みつける。
それがジョックにとって、最後の一撃となった。
「『死なず』の称号は返上ね」
息絶えたジョックに、カナリはそう一言を告げるのだった。
●動物好きのキャメッチャ:Battle9
無窮の業火・グリム(c02811)をはじめ、エンドブレイカー達はキャメッチャを守る敵軍勢を、次々と駆逐していく。
「ガルルゥ……ミンナ、ガンバッテ!」
怯えた仕草をしながら、他のマスカレイド達を鼓舞するキャメッチャ。
だが、その仕草の中にも油断ならないものをエンドブレイカー達は感じていた。
キャメッチャの獣の瞳は、抜かりなくエンドブレイカー達の様子をうかがい、戦況を見定めている。彼女が侮ることの出来ない軍勢の統率者であるのは、紛れもない事実なのだろう。
それでも、エンドブレイカー達の戦力は、キャメッチャ達を蹴散らすのに足るものであった。
戦場を悠然と歩んだグリムが、巨大なデモンフレイムを撃ち放つ。
キャメッチャの毛皮を焼いたデモンフレイムは一撃ではなかった。火球は彼女の獣相を焼き尽くすまで止まらない。
「ぬははは! 儂こそが終焉すら焼却せしめる不滅の業火!」
グリムの高笑いが響く中、キャメッチャを失った敵軍勢は、崩壊を始めていた。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
地方行政官ゼイダツ | 762 | 15勝0敗 完勝! | 250⇒0 |
木のフォルス | 547 | 20勝0敗 完勝! | 530⇒0 |
火のエンドラ | 312 | 2勝18敗 敗北 | 530⇒209 |
賭博王ドルバカラ | 355 | 10勝2敗 勝利! | 400⇒0 |
『解体屋』 | 397 | 17勝0敗 完勝! | 380⇒0 |
盗賊ギルド総帥ザンロック | 362 | 5勝10敗 敗北 | 500⇒95 |
策士バーバリィ | 563 | 11勝0敗 完勝! | 180⇒0 |
死なずのジョック | 274 | 10勝0敗 完勝! | 270⇒0 |
動物好きのキャメッチャ | 280 | 9勝0敗 完勝! | 250⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第1ターン終了時点) |
---|
23481−209−95=23177 |