<アクスヘイムの戦い 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●金のシュラーゲ:Battle7
「お前達に勝つのが、俺の受けた依頼だからな……まあ、やるだけやるさ」」
鋭い斧を構えた金のシュラーゲは、飄々と言い放つと同時に斧を抜き放った。
弧を描いて飛んだアクスブーメランが、エンドブレイカー達を薙ぎ払っていく。
アックス家の斧術指南役というのは伊達ではなく、戦士としてのシュラーゲの実力は紛れもない本物だった。
しかし、エンドブレイカー達は、着実に彼を追い詰めつつあった。先のターンに続いての攻撃に、シュラーゲ自身も肩で息をしている。
「ガノッサスの旦那は花嫁を取り戻して来いとか息巻いていたが……この様子じゃ、それも難しそうだなァ」
金のシュラーゲは、斧の柄でトントンと肩を叩いた。花嫁への執着を感じさせない言葉に、≪フラワーショップ「プラネッツ」≫ブルーミングガーデン、竪琴の星霊術士・ラフィニア(c04595)の柳眉が寄せられる。
「結婚するかも知れない相手でしょう?」
「別に、興味は無いな。金さえ稼げりゃ、俺はいい……」
言葉と共に繰り出される斧。もはや言葉を交わすべき時ではないのだろう。
「沈みなさい!」
ラフィニアの声に応えて現れた星霊バルカンが、シュラーゲの鎧を炎に包んだ。
尻尾の先から続けて撃ち出された炎を受け、シュラーゲは力なく地に崩れ落ちた。
●水のニンフォリア:Battle20
「エンドブレイカー……あなた達さえいなければ、ガノッサス様は問題なくエリクシルを手に入れていたはずなのに!」
水の軍団を総べる軍団長、水のニンフォリアは、憎悪をこめた瞳でエンドブレイカー達をにらみつける。
ガノッサスの娘であるフローレンスよりも年下の彼女は、いまだ少女と呼べる年齢だ。その彼女がガノッサス・アックスから愛人としての寵愛と、武人としての信頼を受けるのに、どれだけの苦労があったのかはエンドブレイカー達も知るところではなかった。
ただ一つだけ確実なのは、マスカレイドと化した今の彼女が、エンドブレイカー達にとって明確な強敵であるということだ。
「ガノッサス様の愛は、全て私のものよ!」
「……」
彼女の複雑な家庭環境など、水の魔曲使い・マクアヌ(c07342)にとって知るとことではなかった。同じく「水の」とつく称号を持ってはいるが、立場は違いすぎるし、マスカレイドと理解し合えるはずも無い。
それでも、彼女の心に届けば良いと、マクアヌは魔曲を歌い上げた。
「〜♪」
明確な詞を持たぬ歌が、それでもニンフォリアの心を揺らした。
「く……!?」
魔曲の力がニンフォリアから戦意を奪う。
くたくたと崩れ落ちるニンフォリアの姿を、マクアヌは気の毒げに見下ろすのだった。
●メリーアン・アックス:Battle16
「奥様、薔薇の紅茶をお持ちしました。ソーンの染みいった薔薇を厳選しましたゆえ」
メリーアン・アックスは、執事から差し出された紅茶を熱湯であるにもかかわらず一気に飲み干した。
「良い味です。さすがは、アックス家の執事長ですね」
「ありがたき幸せ。しかし、アックス家の執事たるもの紅茶の入れ方以外にも、主家に尽くす方法は存じております」
その言葉に、美しい微笑みを見せたメリーアンが、すっくと立ち上がった。
その表情からは、狂気と正気の狭間にあった時の不安定な様子は全く見る事は出来ず、代わりにあるのは、紛う事なき狂気の仮面。
「アックス家の興亡はこの一戦にあります。私が倒れれば、アックス家を時代を担う子供を産むものがいなくなるのですから。さぁ、皆、立ち上がり迎え撃ちなさい。アックス家の為にその命を捧げるのです!」
アックス家の奥方、メリーアン・アックスの言葉に、庭師や料理人やメイドや執事や馬丁や下働きのものまで、アックス家に忠誠を誓う諸々の者達が一斉にエンドブレイカーに向き直った。
「マスカレイドの忠誠心というやつか、少し厄介だな」
先陣を切った静寂なる白き闇・エリオンが感じたとおり、これまでの敵が有象無象のアンデッドマスカレイドであったのに比べると、奥方の周囲にいるマスカレイドは、少しだけ厄介な存在に見えた。
「さぁ、あなた達。私から愛しいフローレンスを奪った罪を償ってもらいましょう」
艶然とほほえむメリーアン。
「そんな、あなたも、フローレンスを助けたいと願って……」
エンドブレイカーの反駁は、だが、全く意味をなさなかった。
当主ガノッサスに匹敵するというメリーアンの猛攻が始まったのだ。
肉を切り骨を断つ攻撃が縦横無尽に戦場を駆け巡る。
それは、まさに鬼神もかくやという戦いであった。
「だが、私達は負けないっ!」
その勢いを止めたのは、祈り子の季節・トリカゴノウタ。
チャージを付与した攻撃で、メリーアンにアイスブラストに痛撃を撃ち込んだのだ。
そして……、
「メリーアン・アックスさん……噂を聞くと悪い人だとは思えない。子ども想いのやさしいお母さんなんだったのだと思う。でも……
」
しあわせ色の小鳥・ファナ(c09889)が竪琴からディスコードの響きを奏でる。
「この音があなたを悪夢から醒ましますように」
ファナのその言葉の通り、彼女のディスコードは、メリーアンを呪われたマスカレイドのくびきから解放する事に成功した。
「やすらかに眠ってください……」
その言葉に意味があろうとなかろうと、エンドブレイカー達は次の戦場へ進むしか無いのだった。
●引き裂き六腕のバルナーディ:Battle7
『引き裂き六腕』の異名の通り、六本の腕を持つバルナーディは、それぞれの手に握り締めた骨の剣を振るい、エンドブレイカー達を迎え撃っていた。
「俺をコケにしたてめぇらにゃぁ、たぁぁぁっぷりと礼をしてやらなきゃならねぇ……」
「……醜いわね」
残月に寄り添う紫紺の蝶・リョウ(c06627)の告げた一言に、バルナーディの顔色が変わる。
『餓アアアアアッッ!!!』
六本の腕を振るいながら、繰り出されるのは連続しての飛翔突撃だ。
骨を剣を突き出し、屈強な肉体を弾丸として突撃を繰り返すバルナーディの力は、かつてエンドブレイカー達が盗賊街で戦った時と同様、他のマスカレイド達からは比べ物にならない程に強い。
それでもエンドブレイカー達は、退くわけにはいかなかった。
「人を人とも思わないマスカレイドなどに……負けるわけにはいかないわ」
「ハッ!! 俺は俺の好きにやるだけだぜ。俺にナメた真似をした奴は殺す、俺より弱い奴は玩具にする。それだけだぜェェ!!」
嵐のように振り回される六腕。だが、その猛攻の中にある一瞬の隙を、エンドブレイカー達は見逃さなかった。
一斉の攻撃がバルナーディに叩き込まれ、そしてリョウの呼び出したヒュプノスが、バルナーディを深い眠りへと導いていく。
「おやすみなさい。……さて……次」
二度とバルナーディが目覚めぬことを確信し、リョウは新たな敵への攻撃を星霊に命じた。
●ダーゴン3世:Battle5
ドドンゴ、ドドンゴ、アーソレ、ドドンゴ。
先の戦いでエンドブレイカーの攻撃を見事退けたクラーリン大王ダーゴン3世の玉座の周囲では、様々な入れ墨を体表に施したクラーリン達が、大王の勝利を祝う踊りを踊っていた。
ドドンゴ、ドドンゴ、アーソレ、ドドンゴ。
声を張り上げ、一心に勝利の踊りを踊るクラーリン達の動きは、いつしか最高潮に達しようとしていた。
だが、その踊りは、ダーゴン3世の御声によってピタリと止まったのだった。
「皆のもの、敵襲である。前回同様、迎撃するんだーごん!」
ダーゴン3世の檄が飛び、クラーリン達が武器を取る。
そして、ダーゴン3世も大王家に伝わる伝説の盾を構えた。
その盾は、アクスヘイム海峡の最も深い場所から引き上げられたと伝える深海の盾……。
「つまり、ただの錆びた盾だよね」
クラーリン大王と相対したエンドブレイカー達は、そう突っ込まざるを得なかったが、クラーリン達は動じない。
ダーゴン3世が統治するクラーリン達にとって、より深い場所から引き上げた武具を持つものこそが、偉大なる大王なのだ。
「バルバの考える事は良くわからないね」
エンドブレイカー達は、半ば呆れながら、大王への攻撃の手をゆるめない。
前回は惜しくも撤退となったが、今回の攻撃は盤石の布陣であり、負ける要素は全く無かった。
ぬめっとした感触ではあったが、確かな手応えを感じる。
「大王に手をあげるとは許されないんだーごん!」
その声は威厳に溢れており、下々のクラーリンならば平伏して許しを請わずにはいられなかっただろう。
しかし、エンドブレイカーにとっては、ただのクラーリンの戯言だ。
「混乱に乗じてエリクシルを狙うってのは大王のやることじゃないんじゃねぇの?」
見習いクラフトマン・キリルのソニックウェーブがダゴン3世に突き刺さる。
「まったくその通りだよ」
その攻撃に続いた流浪の雑技団【ミスティーク】の、雑技団隠密チームの扇の星霊術士・エイリット(c03305)が、必殺の流水撃をダーゴン3世をたたき込んだ。
その攻撃は、勢い余ってボアヘッドにもダメージを与える。
「そんなばかダゴーン!!!!!!」
それが、クラーリン大王ダーゴン3世の最後の言葉であった。
「やったー!」
戦場にエイリットの勝利の声が響き、クラーリン王国の夢は、ここに潰えたのだった。
●元親衛隊ダシュゴート:Battle17
かつてジャグランツ王・ギルバニアを守り、エンドブレイカー達と死闘を繰り広げたジャグランツマスカレイドの最精鋭集団、ギルバニア親衛隊。
ギルバニアが討たれた際に、その大半は命を落としていたが、彼らの生き残りであるダシュゴートと彼の配下の軍団はバルバには不似合いなほどの忠誠心と共に、再びエンドブレイカー達の前に現れていた。
「グルルル……ぎるばにあ様の仇、えんどぶれいかー! コロす!」
「おっ? こいつは大物だな……」
≪遊楽至上主義≫のチーム「楽しい未来を歩くためっ」のトレジャーハンター・ヘラウ(c07485)は、眼前に現れたダシュゴート達の姿に思わず呟く。
エンドブレイカー達への爪牙の鋭さが、彼らの燃え滾る復讐心を示しているかのようだ。
他のマスカレイド達には目もくれず、ただひたすらにエンドブレイカー達を狙う元親衛隊のジャグランツマスカレイド。
だが、かつての戦いと同様に、ジャグランツ達はここでも勝利を得ることはかなわない。
エンドブレイカー達は獣性を全開にして迫り来るダシュゴートらを、ことごとく退け、彼らの主であったギルバニアと同じ運命を辿らせていく。
「オレ、サイごまで、タタカウ! カタキ、ウつ!!」
自らの血に毛皮を赤く染めながら吠え猛るダシュゴート。再びエンドブレイカーへと飛びかかろうとしたダシュゴートの動きを止めたのは、ヘラウが放った矢だった。
「そう思い通りにいかせるかっての!」
「グワォゥッ!!」
憎悪の瞳でヘラウを睨み付けるダシュゴート。だが、ヘラウに飛びかかろうとする動きは、既に読まれていた。
「森の動物のほうがまだすばしっこくて狙いにくいくらいだ」
一人ごちるヘラウの前で、ダシュゴートの体が地面に落ちる。
そして、ダシュゴートの動きは、ようやく止まったのである。
●「七つ傷」:Battle14
体高7mを越えるような巨大動植物は、総称して『巨獣』と呼ばれる。
その巨獣のうち、ゴエティア軍の「大剣獣ゾダン」、そして「七つ傷」と名付けられたボスに率いられた巨獣ランドホエール達が、アクスヘイムの戦いには出現していた。
放棄領域を文字通りに踏み潰しながら出現したランドホエールの群れは、怒涛の如くアクスヘイムの街へと駆け上り、蹂躙していく。ランドホエールが一歩を踏み出すだけで石畳の道は割れ、時には崩落する通路すら出て来る始末だ。
巨獣の群れは、そうした被害すら些末なこととするかのように、けたたましい鳴き声をあげて進軍していくのだ。人が通るために築かれたアクスヘイムの街路は、巨獣達には狭すぎる。
その巨獣の群れの中へと突入していくエンドブレイカー達の姿は、アクスヘイムの人々にとっては、希望そのものであっただろう。
「こんなことしか言えないが……俺達の街を、頼む!!」
「気をつけてね!」
アクスヘイムの人々の声援を背に受けて加速するエンドブレイカー達は、連携した動きで立て続けにランドホエールを、そして周囲にいる獣のマスカレイド達を叩き潰していく。
「ボスを叩きましょう!!」
狙うは群れのリーダーである「七つ傷」だ。
叡智求む旅人・ラグナ(c05813)が≪フローリア学園≫のチーム「フローリアン」の仲間へ声をかけたのを皮切りに、エンドブレイカー達の攻撃が雪崩をうって「七つ傷」へと叩き込まれていく。
「これが私達、エンドブレイカーの力です。その身に確と刻みなさい!!」
身を大きく捻り、渾身の力をこめてラグナは斧を投じた。
弧を描いた斧は、「七つ傷」の瞳へと突き刺さる。
回転の勢いを伴った斧は瞳を切り裂きながら抜けた。手元に戻って来た斧をラグナが受け止める。直後、「七つ傷」の巨体はゆっくりと沈みこむように動きを止めていった。
無言の歓喜と共に斧を振り上げるラグナに、仲間達の歓声が飛んだ。
●怨霊現る
エンドブレイカー達によって元親衛隊ダシュゴートは討たれた。
だが、その瞬間に、悪夢の如き光景が、アクスヘイムの廃墟に現出していた。
それは、物質化した棘(ソーン)の作用なのか。
アクスヘイムにおけるエンドブレイカー達によって討たれた多くのジャグランツ達。
その怨霊は集合し、凝固し、実体を持つ存在と化して、エンドブレイカー達の前に姿を見せていたのだ。
青白い霊体と化して、命あるエンドブレイカー達を睨み付ける怨霊の群れ。
『GAOHHHHHHHHッ!!』
怨霊達の咆哮が、棘(ソーン)に取り巻かれたアクスヘイムの街に響き渡る。
だが、エンドブレイカー達は直感していた。
この怨霊を倒す時、アクスヘイムでのジャグランツとの戦いは、真に終わりを迎えるのだと。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
金のシュラーゲ | 363 | 7勝0敗 完勝! | 113⇒0 |
水のニンフォリア | 547 | 20勝0敗 完勝! | 530⇒0 |
メリーアン・アックス | 527 | 16勝0敗 完勝! | 550⇒0 |
引き裂き六腕のバルナーディ | 384 | 7勝0敗 完勝! | 260⇒0 |
狂王ジェイロック | 445 | 7勝9敗 敗北 | 560⇒115 |
チャンピオン・バーガス | 357 | 0勝17敗 敗北 | 570⇒276 |
ダーゴン3世 | 282 | 5勝0敗 完勝! | 110⇒0 |
元親衛隊ダシュゴート | 624 | 17勝0敗 完勝! | 【ガード】430⇒0 |
「七つ傷」 | 459 | 7勝7敗 勝利! | 680⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第3ターン終了時点) |
---|
22714−115−276=22323 |