<アクスヘイムの戦い 第5ターン結果>
第5ターンの開始状況
●ガノッサス・アックス:Battle33戦力の大半を戦いの中で喪失し、また自身を守っていた大巨人デスアックスをも滅ぼされた。
もはや、ガノッサス軍は壊滅と呼ぶに相応しい状況に陥っていた。
「おのれェ……許さぬぞエンドブレイカー!」
ガノッサス・アックスの異形と化した顔に浮かぶのは、この状況をもたらした者への抑えきれない憤怒であった。
その怒りを叩き付けるように、彼は残った配下へと命じる。
「エンドブレイカーを叩き潰すのだ! 我がアックス軍の誇りにかけて!!」
もはや、生きている配下も残り少ない。
血のつながり以外に信用できるものも無かったガノッサスの重臣は、そのほとんどが血縁者であり、そしてエンドブレイカー達との戦いの中で倒れている。
大英雄ガノッサスの血を引く者は、エンドブレイカー達に保護されたガノッサスの娘、フローレンスを残して滅び去ろうとしているのだ。
「まだだ、まだ終わらぬ……我が生きている限り、アックスは滅びぬ!!」
「いいや、終わりだ! ガノッサス・アックス!」
そう声を上げたのは、ガノッサスと相対するエンドブレイカー達の一人だった。
「フ……フフフ、フハハハハ!! 野望! 野望だと? 我は正統な権利を取り戻そうとしているにすぎん」
「何を……言っている!?」
「アックスヘイムは我が祖先、アックス家初代たる大英雄ガンダッダが開きし都市国家! 故に、このアックス家当主ガノッサス・アックスこそが、アクスヘイムの正統なる支配者である!!」
あまりにも堂々としたガノッサスの言葉に、エンドブレイカー達は絶句する。
その態度をどうとったのか、ガノッサスは満足げに頷いた。
「そう……このガノッサス・アックスこそが、アックスヘイムを支配する者として君臨する存在なのだ。我が前に平伏し、許しを請え! そうすれば、我がエリクシルを得た後も、存在だけは許してやろう!」
その発言に対するエンドブレイカー達の答えは決まっていた。
タイニーブレイブ・ライム(c14324)が言う。
「あなたに、そんな権利はありません……アクスヘイムは……この都市国家は! この都市で今を生きる人々のものです!」
「愚かな。アクスヘイムの全ての存在の生殺与奪の権利は我にある! 無為に生きる者達など、我に生存を許されていただけであると知るがいい!!」
ガノッサスの両手首から先が、斧のような形に変形する。瞬間、地面を蹴ったガノッサスの体は、一人のエンドブレイカーの体を貫いていた。
「なっ!?」
「我は斧、斧は我! 我、ガンダッダが示したる斧身一体の極意に至れり!」
手の形を元のものへと戻しながら、直撃を受けたエンドブレイカーが傷の痛みにうめくのを快いと言わんばかりに高笑いをあげるガノッサス。だが、
「こっちに飛び込んで来たのが命取りです……!!」
ライムの言葉をきっかけに、猛烈な集中攻撃がガノッサス目掛けて叩き込まれた。
炎が、剣が、次々とガノッサスへと繰り出されていく。いかに強大な存在であろうと、仲間達と共に戦えば勝利を掴める……エンドブレイカー達が今日一日であげた戦果が、それを証明していた。
「お、おのれ……!!」
最後の意地が、ギリギリのところで立つガノッサスに向け、ライムの槍が突き出された。
鋭い穂先がガノッサスを貫き、捻りとともに引き抜かれる。
「く……な、何故だ。我は死ねぬ! 死ねぬのだ! アックス家の名誉と栄華を、簒奪者達の手から取戻すまで……うおお!」
絶叫と共に倒れ込んだガノッサスの体は、内部からの圧力に負けたかのように破裂し、完膚なきまでに消滅していく。
それは、幾つも陰謀を張り巡らせ、アクスヘイムを危機に陥れたアックス軍の、完全なる消滅を意味していたのである。
●大剣獣ゾダン:Battle13
頭部から剣の如く鋭い刃を生やした巨獣、大剣獣ゾダンの軍勢は、戦場に現れながらも積極的に戦おうとはせず、ただ沈黙を保っていた。
攻撃を受ければ反撃こそするが、他のマスカレイド達のような積極的な動きは見せていない。
「……何もしないが向かえば噛み千切るか。触らぬ神に何とやらとは言うが、こやつには噛まれたく無いのうー」
10メートル近く上を見上げながら、仄霞・イブティカール(c02889)は一人ごちる。
「じゃが、そうも言うておれんのじゃ。済まんな」
彼が所属するのは、≪Bar amarcord≫アクスヘイムを護り隊。
アクスヘイムを護らねば、チームの名が廃るというものだ。
ここまでの戦いを駆け抜けた戦友達と共に、イブティカールをはじめとしたエンドブレイカー達はゾダンへと接近する。
「参るぞ……!!」
攻撃が、開始された。
ゾダンを中心としたマスカレイドの軍勢は、先程の戦いでその戦力を大きく喪失している。
ゾダンを小さくしたような剣獣のような強力な存在もいたが、今のエンドブレイカーの勢いの前には、それもかなうものではない。マスカレイド達は、エンドブレイカーの猛攻の前に、次第に数を減らしていった。
それでもなお暴れまわっていたゾダンへ向け、イブティカールは視線を向けた。
「では、剣で勝負といこうかのう!」
言葉と共に、レギオスブレイドの群れが彼を取り巻くように現れる。
「往けっ!!」
号令と共に、切っ先をゾダンへと向けた刃の群れが、大気を切り裂いて迫りゆく。
頭部を取り巻くように、剣達は舞い踊った。
『ZOHHHHA!!』
絶叫を上げたゾダンの頭部の刃が砕け散り、それと共に巨体が音を立てて崩れ落ちる。
頭部が地面に落ちる衝撃と共に、顎の骨が砕ける音が響き渡った。それっきり、ゾダンは動きを止める。
「ふぅ……順調じゃのう」
イブティカールは、見事な戦果に満足げな笑みを向けたのだった。
●盗賊王ゴエティア:Battle31
都市の表舞台に立つことなくエンドブレイカー達から己の存在をひた隠しにし、戦力を蓄えて来た盗賊王ゴエティア。
そうまでして蓄えられた勢力も、この戦いですっかり擦り減り、今やゴエティア本人までもがエンドブレイカーと直接刃を交えねばならない状態になっている
だが、ゴエティアと戦うエンドブレイカー達は、このマスカレイドの奇妙な振る舞いに戸惑わされることとなっていた。
「よもや、俺達がここまで追い詰められようとはな……」
「ボコボコにされタのはオレだったーっ!? エンブレさんまじパネェっス」
白い仮面に、体を覆い尽くす漆黒の鎧。
そして奇妙な形の剣を振るいながら、二重の言葉をゴエティアは口にする。
「手を抜いている、つもりですか……!?」
「いえまさかそんな、滅相もございません」
「お前達を相手に、手を抜くつもりは無い!!」
夢の狭間に見た奇跡・エミリオ(c02422)の問いに答えると同時、ゴエティアの手にした異形の剣が怒涛の勢いで振るわれた。
そのたびに嘲り笑うような声のような風切り音が、エンドブレイカー達の耳をつんざく。
まただ。と、エミリオは、ゴエティアの振舞いに奇妙なものを感じていた。
ゴエティアが叩き付けて来る強烈な殺気と、振るわれる剣の軌道は、先程から微妙に噛み合っていない。それが戦いにおいて有利か不利かと言えば、明らかに有利ではあった。
気配を読みあうような達人同士の戦いでは、攻撃におけるその一瞬のタイムラグが勝敗を分けることもあるからだ。
とはいえ、それはゴエティアの現状の劣勢をくつがえすようなものではない。
盗賊王親衛隊も強敵揃いとはいえ、
「ここで、終わらせます……! ヒュプノス!!」
エミリオの命にこたえ、羊の姿を持つ星霊が現れる。
「……何っ!」
「眠りの星霊ィ!? 『俺』が耐えるのはムリかっ!?」
2つの言葉が連続してゴエティアの口から洩れる。
次の瞬間、ヒュプノスは体ごとゴエティアの頭部に飛び込んでいった。
眠りをもたらす羊毛が、盗賊王の意識を夢の世界へと運び去っていく。
盗賊王の体が倒れ、異形の剣が地面に転がった。
「やった! ゴエティアを倒しましたよ!!」
歓喜の声を上げた、その刹那。
……エミリオは、反射的に後方へと飛び退った。
眠りに落ちた筈のゴエティアが、剣を振るったのだ。
しかもその斬撃は、今までとは比べものにならぬ程に重く鋭く、大地を抉った。
「今だダーッシュ!!!」
先ほどからゴエティアの発していた言葉の内、おどけた方の口調が未だ聞こえてきた。
しかしそれはゴエティアではなく、彼の持っていた「剣」から発せされていた。
「剣」は一声発するなり、凄まじいスピードでひとりでに動き、エミリオが追跡する間も無く、みるみる戦場から遠ざかってゆく。
「よっしゃこっからゾダンと合たーイってゾダン死んでるし! ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
「剣」は自ら動き、形を変える。
その形状はまるで、嗤っているかのよう。
「剣」は高らかに宣言する。
「改めて自己紹介します。オレはダイアモード。『嗤う剣ダイアモード』! エンドブレイカーの諸君、またお会いしましょう。お疲れっシた!」
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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ガノッサス・アックス | 1672 | 33勝0敗 完勝! | 620⇒0 |
大剣獣ゾダン | 685 | 13勝0敗 完勝! | 【鈍重】346⇒0 |
盗賊王ゴエティア | 1575 | 31勝0敗 完勝! | 690⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第5ターン終了時点) |
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22343=22343 |