<遺跡島の冒険 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●円環遺跡第3層「まずは条件の整理からですね」
夜来香・ヘミソフィア(c03151)は言った。
「『全員1勝1敗』という条件から、各人が勝敗1回目と2回目のどちらで勝ってどちらで負けたのかを決め、その上で対戦相手を探します。
点数が一番大きい「6」は必ず勝ち、一番小さい「1」は必ず負けとなります。
アナンタは1回目「6」で必ず勝つので2回目は負け。
チェルは2回目「6」で必ず勝つので1回目は負け。
ダーニャは2回目「1」で必ず負けるので1回目は勝ち。
フィネは1回目「1」で必ず負けるので2回目は勝ち」
と言葉を区切り、大鎌の柄の先で床に文字を書く。○は勝ちの試合、×は負けの試合だ。
1回目 2回目
アナンタ 6○ 3×
ベルーサ 5? 5?
チェル 4× 6○
ダーニャ 3○ 1×
エラン 2? 2?
フィネ 1× 4○
「他はすぐには決まりませんので、ここは、1回目、2回目ともに5の貝殻を取っているベルーサが、1回目に勝ったか負けたかで場合分けしてみましょう。
まず、1回目にベルーサが負けた場合は、こうなりますね。各回で勝ちの合計と負けの合計は一致するのでエランは1回目が勝ちとなるはずです」
1回目 2回目
アナンタ 6○ 3×
ベルーサ 5× 5○
チェル 4× 6○
ダーニャ 3○ 1×
エラン 2○ 2×
フィネ 1× 4○
「ところが、1回目の『2』のエランが勝った相手は『1』のフィネしかないのですが、そうすると『3』のダーニャが勝った相手がいなくなってしまいます。
よって、ベルーサが1回目に勝ったことになり、エランは1回目が負けとなります」
1回目 2回目
アナンタ 6○ 3×
ベルーサ 5○ 5×
チェル 4× 6○
ダーニャ 3○ 1×
エラン 2× 2○
フィネ 1× 4○
「ここで、2回目に「5」のベルーサが負けた相手は「6」のチェルしかいません。
同じように、2回目に「2」エランが勝てる相手は「1」のダーニャしかいません」
よって2回目の対戦は、アナンタ−フィネ、ベルーサ−チェル、ダーニャ−エランとなります。
また、1回目で「3」のダーニャが勝った相手は、「2」のエランか「1」のフィネです。
ですが、『対戦相手の組合せはすべて異なる』との条件から、1回目では、ダーニャ−フィネにするしかありません。
同様にチェルが負けた相手はアナンタかベルーサですが、2回目と異なるようにアナンタ−チェルとするしかありません。
残る対戦はベルーサ−エランとなります。整理すると以下のようになります。
(左:1戦目 右:2戦目)
アナンタ6−4チェル フィネ4−3アナンタ
ベルーサ5−2エラン チェル6−5ベルーサ
ダーニャ3−1フィネ エラン2−1ダーニャ
以上から、貝殻の点差が2だった勝負は、2つあります」
長い説明を終え、ヘミソフィアは周囲を見渡した。
エンドブレイカー達の数倍の数の円盤型ゴーレムが、群れをなしてこちらに迫って来る。
微笑み、ヘミソフィアは
「ということで……謎は解けましたので、ダメでしょうか?」
ダメだった。返答は、攻撃という形で行われる。
●遺跡船中枢部
円環通路第3層の攻略が失敗している頃、遺跡船の中枢部でも探索は進んでいた。
細い通路が続く中枢部。
その通路を跳ねるように、ゴーレム達は突破を許すまいと、あるいはエンドブレイカー達を試すように、最後の抵抗を見せる。
ゴーレム達に加えて、新たに出現するのは無数の『歯車』。
しかしそれらは、エネルギーで出来た、実体を持たない存在だ。
ゴーレム達に混じり、それらを上回る強さを見せて実体なき歯車はエンドブレイカー達へと迫る。その動きは軽快そのものだ。
「だけど、この先に何があるか……僕達はそれを知らなければいけないんだ」
ルーイッヒの指先が、ソードハープの弦を爪弾く。
溢れる音はルーイッヒの声と合わさり、一つの音楽を構成した。
妙なる調べと穏やかな歌声は、歯車をも眠らせる力持つ魔曲となる。
「一曲で、決めさせてもらおう……」
薄紅の魔力を帯びて滞空していた一際巨大な歯車。
その回転が、目に見えて鈍るのが周囲のエンドブレイカー達の目に映る。
囁くような歌声は、心無きゴーレムをも眠らせていく。
歯車の回転が生じさせていた魔力の奔流が止まり、やがて魔力の流れそのものを眠らされたゴーレムは、完全に動きを停止する。
●ダンスパーティ会場
雪割り蕾花・デジレ(c18812)と蕾の守り手・セヴラン(c21743)、スカードとガーディアンの2人が躍っていた。
「お前とダンスなんて初めてだわな。大丈夫、ゆっくりな」
「えと……よろしくね?」
セヴランの導きに合わせて、デジレが舞う。しっとりとしたリズムは、2人の呼吸が合うにつれて次第にダイナミックなものへと変化していく。
「さあ……いくぞ!」
「うん!」
セヴランのレイドバスターが、地面から闘気の火柱を立ち昇らせる。
その火柱を、まるで己のものとするかのような形で、デジレの魔鍵が振りぬかれた。
ダンスのリズムに沿うように紅蓮の門は開かれて、そこから現れた炎の龍が、2人を取り巻くように弧を描き、そして天へと昇って行く。
島の暑さをものともしない熱量が、ダンスパーティに熱気をもたらし、その終わりと共に一瞬の涼しさを感じさせる。
ほ、と溜息をつき、視線を合わせて微笑した時、2人は明確に、島が揺れるのを感じた。
●再び、遺跡船中枢部
『──手順、二を確認しました』
声が、響いた。
響きと共に、遺跡船全体が揺れるのを、内部にいたエンドブレイカー達は知覚する。
『正規のプロテクト解除手順を全て確認しました。これより、当船は起動準備に入ります』
ブン、と低い震動がして、まるで血管に血が流れるように、銀色に見えていた金属のパイプにオレンジ色のエネルギーが流れ込み、壁の色を変えていく。
色づく船の中、ギアは音もなく浮遊すると回転し、その周囲に光のような模様を描いていく。
その回転のたびごとに、船が機能を取り戻していっているのだと、エンドブレイカー達は直感的に感じ取っていた。
「人魚を生贄にするんじゃなくて……」
「こっちが、『正しい』手段てわけか」
海賊達は人魚を生贄にすればどうにかなると思っていたようだが、ダンスこそが正規の手段というわけだ。まさか、踊りが鍵とは普通は思うまい。
しかも、それが人魚の王族だけが思い出したこととあっては……。
「確かに人魚の王族は鍵ではあったわけだ」
呟いて、ルーイッヒは奥へと進む。
●ナビゲーター
そこに存在していたのは、船の『艦橋』だった。
「おやおや、あからさまに何かありそうだね」
『ようこそ、勇者よ』
エンドブレイカー達に、見えざる声の主は語り掛ける。
「君は?」
『私は本船であり、同時に本船を操る勇者を支援するための存在です。つまり、現在はあなた方を支援する存在となります』
声……遺跡船に、ルーイッヒは問うた。
「この船は、もう動かせるのかな?」
『ナビゲーターが必要です。船に乗り込む勇者を導く、海路を示す者(ナビゲーター)が』
いかにしてそれを決めるべきか、という問いに対し、歯車はこう答える。
『──皆さんで、戦闘を行ってください。強き者を、本船のナビゲーターとして認定します。
十分な情報を収集次第、本船は稼働可能となります』
●海賊船団接近
ダンスパーティは充分な効果をあげ、遺跡船はその中枢部へとエンドブレイカー達を導いた。
その連絡を受け、ダンスパーティはお開きになろうとしていた。
遠方に船影が発見されたのは、その時だった。
「来たか……!!」
船のマストには海賊の証たる髑髏マークが描かれ、海風にたなびいている。
「間違いない、海賊船だ……遺跡船や円環通路のみんなにも知らせないとな」
セヴランの言葉に、ダンスパーティ会場にいたエンドブレイカー達は事態を悟る。
数時間以内に、海賊船はこの島を襲う……。
「その前に、遺跡船を動かさないと」
デジレが呟く。それが出来れば、戦いは間違いなく有利となるに違いなかった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 戦力 |
---|---|---|---|
遺跡船中枢部 | 2146 | 42勝0敗 完勝! | 1500⇒0 |
円環通路第3層 | 1065 | 13勝17敗 敗北 | 1000⇒237 |