<ニニギア島沖海戦 第4ターン結果>
第4ターンの開始状況
●千眼の・クルセルス:Battle7マスカレイド化による変異は、正常な人の姿を外れることを意味している。
そうした中でも、クルセルスの異形化は全身に大量の目を増やすというものだ。
「あれで監視するわけか。督戦隊を潰せば全体の行動にバラつきが出るかもねぇ」
朱哭・アウロ(c05589)は周囲のエンドブレイカー達に声をかけ、固まると残り少ないクルセルスの護衛達へと突入を仕掛ける。
「残りは僅か、さっさと決めさせてもらうよ」
「む、敵が迫っているでおじゃる!」
戦場の前方にいるクルセルスの目で覆われた顔が引きつったように見えた。
その全身の瞳が、怯えたように激しく左右を見回す。
「その連中を早く始末するでおじゃるよ!!」
多数の目を持つ異形の姿へと変じたクルセルスの怒号に、海賊達が弾かれたようにこちらへと突進してくる。
その突撃を一刀をもって弾き返すと、エンドブレイカーは敵陣の只中へと斬り込んだ。
振り下ろされて来る海賊達の剣を切り抜け、クルセルスの顔面を覆う瞳を見据えると、レギオスブレイドを解き放つ。
四方八方を取り囲まれたクルセルスの瞳がせわしなく動くが、どこにも逃げ場などない。
「ひょひょひょ……! ま、麻呂を守るでおじゃるよ!!」
「まとめて、かかれ……!!」
悲鳴を上げるクルセルスを包囲するように飛んだ剣が、一斉に異貌の海賊を貫く。
「く……アマツの地にて政争に敗れ、神隠しにて異国に到り……そして戻らずして滅びるか……嗚呼、口惜しや……」
慨嘆するような声をあげると、クルセルスは動きを止める。
見ればクルセルスは異様な肌の色と目を除けば、東方風の顔立ちをしているように見える。
「……神隠し、ね」
首を傾げ、アウロはその言葉を口の中で転がしながら、仲間達の元へと戻るのだった。
●ゴルバック最終試験型:Battle15
ゴルバック。その名を持つ存在は、既に量産兵器としての量産準備を為されようとしていた。
だが、その量産工場はエンドブレイカー達によって完膚なきまでに破壊され、残るは既に生産された分だけだ。
伝説の海賊を元として造られた兵器。
その、既に生産された残りを、海賊はこの決戦に注ぎ込んで来ていた。
海賊船に乗り、こちらへと迫って来る『ゴルバックの群れ』という形で、エンドブレイカー達はそれを認識する。
「いい加減、多過ぎねぇか?」
半ば呆れつつも、杭打士・ザルフィン(c25413)は、腕を大きく振るい、拳を叩き付けて来るゴルバック量産型へとパイルバンカーを叩き込んだ。
金属の杭が内部まで達するのを確認し、杭を引き戻すやいなや、ゴルバックを蹴って距離を取る。 一瞬遅れて発生した爆発が、ザルフィンの髪を揺らした。
「ゴルバックを島の内部まで上陸させるわけにはいかないな」
周囲から響く、ゴルバックの自爆の音。
一斉に自爆されるだけでも、さぞかし面倒なことになるだろう。
その事実は疑う余地も無い。
ゴルバック達の隙を見逃さず、エンドブレイカー達は確実にその膨大な体力を削り落としていく。やがて残るのは、一際強力な個体。
「最終試験型か。試験は失敗のようだな……!!」
ザルフィンが拳を振りぬくと共に、ゴルバック最終試験型を鉄杭が貫通する。
ザルフィンを振り払おうとゴルバックは身を振り回し、しかしザルフィンが掴んだ手を離すことは無い。
拳を撃ちつけたまま、幾度も杭を戻しては撃つ。
そのたびにゴルバックの人とも思えぬ巨体は揺れ、衝撃が迸る。
「ま、こんなもんか」
やがてゴルバックの動きが止まると、ザルフィンはその体を蹴って後方に跳ぶ。
遅れて発生する爆発音が、エンドブレイカー達の勝利を教えていた。
●エルフ海賊団団長・ミルレー:Battle17
永遠の森エルフヘイムに住む種族、エルフ。彼ら彼女らは温厚な種族であり、受けた恩を忘れない種族としても知られる。
だが、今エンドブレイカー達と切り結ぶエルフ達は、その性質とは全く異なる存在だ。
「ヒャハハハハハァ!!」
高笑いを上げ、こちらへと斬り掛かるエルフのマスカレイド達。
エンドブレイカー達の活躍によって『密告者』は滅ぼされ、既に『戒律』は意味を失った。だが、それ以前に『戒律』の縛りを逃れるために都市外に逃亡したダークエルフ、その末路がこれだ。
空白の聖譚歌・サイカ(c08221)が告げる。
「エルフを友とする者として、私達があなたを止めましょう」
「だったらお返しに、あんたらの皮を剥がして敷物にしてやるよ!!」
互いに戦意を叩きつけ合うエンドブレイカーとマスカレイド。だが十分な数をもって攻め寄せたエンドブレイカー達に対し、ミルレー率いるエルフ海賊団は瞬く間に被害を増やしつつあった。
「何よ、この力……」
「あなた達では、私達を止めるには及びません」
竪琴を手に、ミルレーの前へと進み出るサイカ。
包囲を詰めるエンドブレイカー達の中に、エルフの姿があるのを認め
「何よ、同じエルフなのにいい子ぶっちゃって……!!」
「種族など関係ない、理不尽を与える側に回るなら、そのエンディングを破壊します!!」
エルフ海賊団の残る戦力を投入しての抵抗を、エンドブレイカー達は容易く撃ち破った。
ミルレーが狂的な勢いで竪琴をかき鳴らし、エンドブレイカー達を魔曲の虜にせんとするが、
「終わらせます……」
サイカのヒュプノスが駆け、ミルレーを羊毛で包み込む。
僅かの後に竪琴の音は止まり、響くのはミルレーが倒れる音だ。
終わった因習の犠牲者を悼むように、サイカは目を閉じるのだった。
●まぼろしウォータくん:Battle21
『ガッハッハ! 我輩の名はウォータくん! 伝説の大海賊であーる!!』
高笑いを聞き、その方向を見た未来へ翔る風標・アルトファルベ(c00215)は、思わず動きを止めていた。いや、アルトファルベだけでは無い。他のエンドブレイカー達も絶句していた。
「……」
アクエリオの祭りで使われる『ウォータくんメダル』。
そこに描かれる海賊、ウォータくんの『胸から上だけ』の姿が、イマージュとして忠実に再現されていたのだ!
胸像のようだが、明らかに異なる存在だということは見れば分かる。
「あれ確か、海賊達の大海賊への憧れを理想化した存在って聞いたような……」
指摘を受けて、海賊達が視線を逸らした。
雑多な妄想を集めても、再現度はこれぐらいなのだろうか。
「じゃあ一人で理想妻とか生み出す海賊首領は、どれだけ精緻な想像をしてるんだ?」
そんな不思議さを感じている暇も無かった。
ウォータくんはくるくると回転すると、叫びを上げたのだ。
『ウォータくんスマーッシュ!!』
口から大量の水が放射しながら突進し、エンドブレイカー達へと体当たりを仕掛けて来る。
「理想かよ!? あれが!?」
思わずツッコんだエンドブレイカー達に、海賊達が目撃者を抹殺しようと剣を向ける。
それを蹴散らしながら、エンドブレイカー達は突き進んだ。
「あんなふざけた奴に、負けて溜まるか!!」
妖精と一瞬視線をかわすと、アルトファルベはウォータくんを指差した。妖精がその意に従い、イマージュへと飛んでいく。
『我輩が真の力を取り戻した暁には、まずはアクエリオを滅ぼし水神アクエリオと雌雄を決し、その後には他の都市国家……あ、痛い、痛痛痛』
青い妖精が針もてウォータくんを貫く。
やがてマスコット決戦は妖精に軍配が上がり、ウォータくんの姿は消滅していく。
「ウォータくん……疲れる相手だったぜ」
アルトファルベは、激戦に疲れたような表情で大きく息をつくのだった。
●海の暗殺者・アウグスト:Battle11
「こんな昼日中の戦闘で、暗殺も何もないよね」
虚実で残酷な亡霊・リディ(c32041)は、海賊勢力の中でも特に不気味な雰囲気を醸し出す集団を見やるり舌なめずりをして大鎌に手を掛けた。
漆黒の海賊船から現れた暗殺者達の姿は確かに不気味ではあるが、「葬者」の一族である自分にとっては、その不気味さんも蚊ほどにも感じない。
それが、リディの偽らざる心情であった。
「さぁ、ワタシの獲物は何処ですか? 大人しく狩られてしまいなさい」
狂気を感じさせるおさない微笑は、リディを暗殺者よりも暗殺者らしく見せていた。
「随分と舐めた口を聞く輩だ。この俺を海の暗殺者・アウグストと知っての暴言なりや?」
その微笑が勘に触ったのか、アウグストが不快気に呟く。
だが、リディは平然と言葉を返した。
「お前がアウグストなんだねぇ。でもね、陸に上がった海の暗殺者なんて、全く怖くなんてないんだよねぇ」
「その口、縫い付けて二度と開けなくしてやろう」
「なら、ワタシは、お前の脳天をかち割って、二度と悪さできなくするんだよ」
リディとアウグストは、互いにはっしとにらみ合うと、次の瞬間に、互いの獲物で切り結ぶ。
「やるな」
「そっちこそ」
「だが……」
「「次で決めるっ!」」
リディとアウグストは、互いに互いの隙を探し必殺の一撃を撃ち込もうと足を運ぶ。
だが、その戦いの天秤はリディ側に傾いた。
「舞って、ワタシのフェアリィっ!」
リディが放ったフェアリィが、攻撃陣形を展開すると、活力の針によるチャージを重ねた上で、3連突撃を仕掛けたのだ。
その猛攻は、アウグストの命脈を狩り取るに充分であった。
「……なかなかの強敵だったよ、アウグスト。でも、マスカレイドの邪悪な力では、このワタシを穿てはしない」
リディは、アウグストを討った妖精に微笑みかけると、新たな戦場へと駆け去っていった。
●王牙海賊団団長・ガラウンド:Battle14
ベベンベンベンベベンベン。
戦場に響くは、調子外れな琵琶の大音声。
音楽的センスのかけらもない、それは、王牙海賊団団長・ガラウンドによる戦いの調べであるらしい。
戦うしか脳が無いオーガ達を率いるガラウンドは、オーガの中においては傑出した芸術の才能を持っていると自画自賛しているようだが、残念ながら、そんな才能はかけらも持ち合わせていないようだ。
戦場は、エンドブレイカーとオーガの血で血を洗う血戦となっている。
陸戦を生業にする王牙海賊団は、自慢するだけあり、高い戦闘能力を誇っていた。
が、それは、エンドブレイカーも同じ事。
エンドブレイカーもまた、陸戦がその戦いの本領であるのだから。
「まぁ、陸にあがった河童でない事は認めるけど、それがどうしたって感じだな」
魔鍵の魔想紋章士・リア(c16353)は、自信に溢れた表情で破壊魔鍵をゆったりと構えた。その姿勢に隙は全くなく、戦場を闊歩するオーガの群れにも、怯む様子など欠片も見せようとしない。
ベベンベンベンベベンベン。
そんなリアの態度を不遜に思ったのか、ガラウンドが、琵琶をかきならし怒鳴りつけてきた。
「ならば、オーガのオーガによるオーガのための海賊団の力、味わわせてやろうぞ。折角だ、お前は特別に殺さないでやる。戦いが終わった後、強靱なオーガに順番に串刺しにされるがいい。全員が3まわりするまで、例え死体になってもやり続けるぞ。なにせ、オーガのオーガによるオーガのための海賊団だからな!」
だが、その恫喝もリアには届かなかった。
「口が減らない上に下品だな」
リアは、眉根を寄せると、魔鍵をガラウンドの眉間へと向けた。
「我が黒鉄兵団で吹き飛ばしてやろう。その身だけでなく命もな。 これ以上の犠牲を出さない為にも、今のうちに狩る」
そのリアの言葉と共に、黒鉄兵団の紋章が描かれ、現れた黒鉄兵団が、ガラウンドに突撃し……そてひ、ジェノサイドを完遂してみせたのだ。
信じられないという表情で、撃破され、消滅しゆくガラウンド。
「女を舐めるなっ!」
リアは言い放つと、最後に残った黒塗りの琵琶を踏み砕いたのだった。
●南氷洋の左手:Battle20
『終焉に抗う勇士号』を縛り付ける呪力の源。
それが、マスカレイドの軍勢の中にいる一体の影が発せられている事を、その呪力の源に接近したエンドブレイカーは感じ取っていた。
海賊群島に伝わる伝説、海の魔王の配下として『南氷洋の左手』の名を持つ氷に閉ざされた海に住まう魔術師、その伝説から生まれたイマージュだ。
「けどイマージュにしちゃ、強力過ぎんだろ……」
放たれる呪力に、エンドブレイカーは胃の奥にむかつきを感じる。
このイマージュマスカレイドを生み出し、そしてその存在を通じて終焉に抗う勇士号を止めるほどの呪力を放っているのが『誰』であるのか。
『南氷洋の左手』と戦うエンドブレイカー達は、それを薄々察していた。
腕の振るいと共に、おぞけを振るうような冷気を伴って魔力の波が押し寄せる。
「これ以上時間をかけてる場合じゃない、さっさとあいつを倒すぞ……!!」
宣言するやいなや、大鎌を頭上にて振り回し、カタリナは敵陣へと斬り込んだ。
南氷洋の左手を守らんとする魔物達が、鎌の刃にかかりたちまちのうちに消し飛ばされる。
エンドブレイカー達の勢いを止めるだけの戦力は、今の敵は持ち合わせていない。
振り回した大鎌で南氷洋の左手が繰り出す魔術を凌ぎ切り、カタリナは自らにも気合いを入れるように宣言する。
「何が何だかわからねーが、魔王の配下と魔女だったら魔女の方が上だろ!」
『魔女! オオ、ナントイウ忌マワシキ名!!』
「うぜぇ、黙って消えろ……!!」
南氷洋の左手の呪力が、カタリナを縛り付けんとする。
だが、カタリナの手の賢者の石が輝き、その束縛を撃ち払った。賢者の石を輝かせ、カタリナはその拳を地面に叩き付ける。
「南氷洋まで、吹っ飛びやがれ!!」
魔力が地面を伝い、巨大な拳が盛り上がった。岩でできた巨大な拳は南氷洋の左手を真下から空中へと撃ち上げ、そのまま連打でさらなる高度へと撃ち上げていく。
「消えろ!!」
突き上げる拳が、会心のストレートを決めた。
抵抗のしようもなく、南氷洋の左手はぼろ屑のようになりながら遥かな空へと消えていく。
「おっと、あれじゃ南氷洋に届く前に消えちまうな」
鎌を担ぎ直して、イマージュの存在が薄れているのを感じ取り、カタリナはうそぶいた。
時を同じくして、終焉に抗う勇士号を縛り付けていた呪力が薄れる。
『……束縛が解除されました。脱出が可能です』
●海将・グレーヌ
『終焉に抗う勇士号』へと攻め寄せていた海将・グレーヌ率いる船団は、エンドブレイカー達によって押し返され、各個に撃破されつつあった。
「こいつは驚いたわ……姉貴を倒したというから、一筋縄ではいかないと思っていたけれど」
エンドブレイカー達の力に、グレーヌは目をみはる。
首領のガルヴァルドや、『魔神の斧』も救援には来るまい。
「苦戦としか言えないわね、これは」
彼女は戦況を把握しながらも、どこか意識が遊離するような感覚を覚えていた。
何故、自分がこの戦いの将の一人として選ばれたのか、グレーヌ自身すら理解していない。
マスカレイドと化す以前の記憶は霞がかったようになっていた。
自分をマスカレイド化させたのは現在の首領であるガルヴァルド。
それ以前の自分がどのような立場にあったのか、まるで思い出せずにいるが、過去はどうあれ現在の彼女が、ニニギア島を拠点とする海賊の重鎮の一人である事に変わりはない。
「エンドブレイカー……か……」
その言葉に頭が痛むのを感じつつも、グレーヌは迎撃の指示を下す。
「相手は姉貴の仇……仇討ちと行くわよ!!」
部下達に告げたグレーヌの体を、マスカレイドとしての変異が覆い尽くしていく。
熱帯魚のような、あるいはウミヘビのようなカラフルさを持つ鱗が彼女の全身を包み込んだ。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
千眼の・クルセルス | 358 | 7勝0敗 完勝! | 504⇒0 |
ゴルバック最終試験型 | 771 | 13勝2敗 勝利! | 【ガード】2854⇒0 |
エルフ海賊団団長・ミルレー | 493 | 14勝3敗 勝利! | 1665⇒0 |
まぼろしウォータくん | 794 | 20勝1敗 勝利! | 【ウォール】2568⇒0 |
海の暗殺者・アウグスト | 385 | 11勝0敗 完勝! | 1175⇒0 |
王牙海賊団団長・ガラウンド | 576 | 13勝1敗 勝利! | 【ウォール】2283⇒0 |
南氷洋の左手 | 866 | 13勝7敗 勝利! | 3600⇒0 |
ガブラスに警戒する | 696 | − | − |
ブレイクゲージ残量(第4ターン終了時点) |
---|
78372=78372 |