<ニニギア島沖海戦 第5ターン結果>
第5ターンの開始状況
●キャプテン・マイダス:Battle16
「我、キャプテン・マイダスは、エンドブレイカーどもに謝罪と賠償を要求する。速やかに、謝罪するがいい。そして、金を払え」
絢爛豪華な黄金の装束で身を固めたキャプテン。マイダスは黄金製の三叉矛を豪奢に振りかぶると、傲岸不遜に言い放った。
相対していたエンドブレイカー達は、一瞬だが動きが止まる。
(「これは、本気で言ってるんでしょうか?」)
どう贔屓目に見積もっても、戦場に似つかわしいとは言えない態様であったろう。
その言い様に疑問を持った、青い瞳の・ナァ(c29322)は、
「そうだというなら、あなたこそ、今まで襲った被害者に謝罪と賠償をするべきでしょう?」
と問いかけつつ、紫煙銃をひたすら乱射してマイダスの怒りを引く。
だが、その程度の正論で崩れるマイダスでは無かった。
「ばかものめ、何故、金持ちである我が、敗者どもに謝罪や賠償をせねばならんのだ?」
どうやら、言葉は通じないようだ。
「では、今、あなたが負ければ、謝罪や賠償をする義務があるわけですね?」
再びのナァの問いに、
「うぬぅ、言わせておけば。我が黄金の輝きの前にひざまずくがいいっ!」
キャプテン・マイダスは、怒りのオーラをまとって、歩み出す。
そのオーラは、あたかもダルク金貨1万枚の輝きをもち、とてもとても金持ちっぽい雰囲気を醸し出した。
「では、あなたを倒して、残ってるダルクも根こそぎ頂きますね」
ナァは全く怯まずに紫煙銃を撃ち続け……、
「今だ、行け!」
一瞬の隙をつき、ナァの連続射撃が、マイダスの、絢爛豪華な衣装と黄金マスクとを蜂の巣にしたのだった。
最後に、
「そうですね、あなたの価値は、このくらいだと思います」
倒れて消えゆくマイダスにナァは、にっこり笑ってダルク金貨1枚を投げやった。
「折角なので、あの世に渡る船賃にでもすると良いでしょう」
ナァが、投げたダルク金貨はコロコロと転がりマイダスの手元へと向かう。
「くっなんという屈辱っ! この屈辱、決してわすれぬぞ!」
この憎々しげに唱えた怨嗟の声が、マイダスの最後の言葉となった。
そして……マイダスは最後の力を振り絞り、コロコロ転がるダルク金貨を左手で追って掴み……そして消滅した。
彼があの世の船の渡し賃を払えたかどうかを、知る者はいない。
●海賊首領・ガルヴァルド:Battle24
海賊首領の船へと乗り込んだエンドブレイカー達は、そこで奇妙な風体の人物と遭遇していた。
海賊の精鋭達やゴルバック量産型にゴーレム、イマージュすらも従えて立つ、ローブ姿の男。
その男から漂う気配に異質なものを感じ、エンドブレイカー達はそちらを見た。
仮面の奥から、くぐもった声が響く。
「「「自己紹介をさせて貰おう。俺が海賊の首領だ」」」
海賊達が前進、エンドブレイカー達へと攻撃を開始。
こちらを迎撃せんとする敵の中で、不思議とガルヴァルドの声は響いた。
それは、いくつもの声が重なったような、くぐもった声。
アックスソードとシールドスピア、さらにローブの隙間から伸びる銀髪が杖を握る。
「「「お前達を倒し、『海上封印』を譲り受けさせてもらおうかと思っていたが……」」」
「『海上封印』?」
「「「お前達の住むは船に非ず、島に非ず」」」
「「「その航路が描くは封印の軌跡」」」
「「「海に鎖されし『邇邇藝天地我尊』を、今も尚閉じ込めるもの……」」」
あっさりとした返答に、エンドブレイカーは怪訝なものを感じた。
アクエリオの魔王ゼルデギロスには、その復活を画策した教団やかつての配下など多数の存在がいた。だが、このガルヴァルドという男には、そこまでの深刻さを感じない。
「それが……あなたの目的ですか?」
「「「俺達が役目を果たすための一環として、あれの召喚、そして叶うならば制御が必要……それだけの事だ」」」
「腰掛けにしては、随分と大規模ですね」
魔王の復活など、目的のひとつでしかないと言い切るガルヴァルドに、得体の知れないものを感じて翠緑の術士・イシェト(c03660)はガルヴァルドに視線を向けた。
それを受け止め、ガルヴァルドは言葉を続ける。
「「「……目的が叶うまで、後僅か。残る時間、エンドブレイカーの性能を試す……」」」
無造作な踏み込みから繰り出されたガルヴァルドの一薙ぎが、エンドブレイカー達を振り払う。
「お前達は短期間に力をつけ、数多くの海賊達を滅ぼした、優れた人類であると評価できるな」
金属の仮面の奥から、感情の篭らない声が響く。
その持つ武器に宿る力は強烈無比。
イシュトは、そのいずれもが、かつて幾度か相対した「喋る武器」……すなわち、ジュウゾウの『真打ち』であろうと見て取る。
「『真打ち』での三刀流、ですか。全く、化け物もいいところではないですか」
「「「では、その化け物を相手にお前達の力を示せ」」」
戦闘は、開始された。
ガルヴァルドの顔を覆うのは、髑髏のような銀色の仮面。
それが、ガルヴァルドがマスカレイドであることを示し、しかしすぐさま見せた彼の動きは人間の幅を越えている。ありえないような位置で曲がった腕が振るうシールドスピアを、エンドブレイカーが受け止め、そのままの勢いで弾き飛ばされる。
だが、反撃とばかりに繰り出された一撃を受けたガルヴァルドのローブが破れると、その下から現れるものをエンドブレイカーは見た。
「銀色の甲冑……いえ、あれは!?」
金属でできた、骨組みのような体がそこにはあった。
人間どころか、生きている存在ですらないという事実を認識しながら、イシュトはガルヴァルドへと視線を向ける。
『担い手となるべき者がいなければ、武器は力を発揮できない。つまり……』
赤い光を宿した『アックスソード』が、ガルヴァルドの声で言う。
『相応しき担い手となるべき体程度、創ればいい。【軋る剣ガルヴァルド】はそう判断した』
『……【妬む杖ビュレファスト】、同意……』
『はい、まぁそういうわけでね。【踊る盾槍ザングルム】も、こうして力を与えたわけでございますヨ〜』
ガルヴァルド……いや、そう名乗っていた金属の人形が飛び出す。海賊達の動揺など無視して人形は『ガルヴァルド』を振るい、エンドブレイカー達を斬り裂いていく。
爆音とともに振りぬかれる斧剣が、エンドブレイカー達を薙ぎ払い、しかしそれで倒れるエンディングをエンドブレイカー達は認めず、なおも海賊首領へと立ち向かっていく。
幾多の攻撃を受け、その体に損傷を受けながら、3つの武器は哄笑した。
「「「……素晴らしい技量……!!」」」
「侮らないでください。我々だって、伊達に修羅場はくぐっていません!」
イシェトの召喚したレギオスブレイドが、金属の人形を寸断する。
3つの武器からの魔力を注ぎ込まれていた人形が粉砕され、武器が宙に飛んだ。
「しまっ……!!」
周囲のエンドブレイカー達が咄嗟に攻撃を行うが、3つの武器は別々の方向へと飛び、海へと没していく。
『三塔戒律マギラントに行くがいいだろう、エンドブレイカー』
『……願わくば、世界を裂くような戦いを……』
『もっとも……ニニギにやられなければでございますがネ〜』
追撃を行わんとしたエンドブレイカー達だが、数発の攻撃を受けた武器の行方を追うことは出来なかった。
●『魔神の斧』団長・イングレッサ
「は? ガルヴァルドが負けたの? ……じゃあ、エンドブレイカー達に勝ったら、そいつが次の首領ってことね」
エンドブレイカー達を退けたイングレッサが不敵に笑う。
彼女と戦ったエンドブレイカー達は、イングレッサの奇妙なまでの強さを認識していた。
『生贄海域』を包む気配は、ますます強さを増しつつある──。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
海賊首領・ガルヴァルド | 1142 | 17勝7敗 勝利! | 5137⇒0 |
巨獣研究者・智のエリザベス | 593 | 4勝7敗 敗北 | 2568⇒877 |
『魔神の斧』団長・イングレッサ | 926 | 14勝6敗 敗北 | 4623⇒730 |
キャプテン・マイダス | 578 | 9勝7敗 勝利! | 2283⇒0 |
海将・グレーヌ | 851 | 11勝12敗 敗北 | 4109⇒1236 |
撤退する | 2 | − | − |
ガブラスに警戒する | 713 | − | − |
ブレイクゲージ残量(第5ターン終了時点) |
---|
78372−877−730−1236=75529 |