<ニニギア島沖海戦 第6ターン結果>
第6ターンの開始状況
●巨獣研究者・智のエリザベス:Battle22「素晴らしい……! 素晴らしい力だわ!!」
巨獣やマスカレイドを突破し、自らの元に迫るエンドブレイカー達の姿を、巨獣研究者・智のエリザベスは喜悦すら滲ませて迎えた。
「巨獣を倒し、マスカレイドすら倒すその力!! そして何より己の死すらも覆す『終焉を破壊する者』……!! 人間の限界に挑もうとする姿勢をもっと見せてそして私の実験材料になって!!」
魔道書に記された呪文を素早く詠唱するエリザベス。
海賊とはいえ、研究者連中は魔術の実力でも高いものを持っている。
だが、
「それだけでは、不足でございますね」
ブランネージュ・フレキ(c28719)もまた、ソーンイーターとしての魔術を修める者。
魔術の腕で敗北することは出来ないと、対抗するように魔力を練り上げ、そして棘(ソーン)を喰らっていく。
「この力……!! 世界には、まだ私の知らない魔術があるのね!!」
「これはソーンイーターの力……ソーンを喰らう魔術士の力です!!」
物質化させた棘(ソーン)が、エリザベスを貫く。
その最期の瞬間まで、研究者のマスカレイドは狂ったような笑いを止めることは無かった。
●『魔神の斧』団長・イングレッサ:Battle25
イングレッサの配下を突破したエンドブレイカー達は、海賊団『魔神の斧』の旗艦へと乗り込んでいた。
既に一度エンドブレイカー達を退けた際の激戦で、旗艦の損傷は大きくなっている。
金属板で船体を補強された旗艦へと乗り込んで来るエンドブレイカー達に、イングレッサは不敵な笑みを向ける。
「わざわざ来てくれるとは、有り難いね!! あんた達を倒して、あたしが次の海賊首領だ!!」
イングレッサの剣から放出された炎が、戦場を分断するように炎を噴き上げる。
「金属で補強されているのは、このためだね……」
そう理解しつつも、エンドブレイカー達はイングレッサへの道行きを遮る巨獣達を駆逐していく。
イングレッサに支配されているのだろう、少女海賊を守るように展開した巨獣達を、エンドブレイカー達は押し込んでいく。
船上、自らを取り囲むエンドブレイカー達を見返して、イングレッサの瞳がバイザー状の仮面の奥から戦いの熱情に輝いた。
「強いやつが弱いやつを従える、それが海の掟。だから、あんた達がどれだけ強かろうと……あたしの力で打ち破る!!」
イングレッサの手にしたフレイムソードから炎が渦巻く。
海の上を走る火柱。
「さあ、かかってきなよ。燃え尽きるまで戦ってあげる!!」
イングレッサの振るったフレイムソード、その迸る熱を避けながら、闇走者・リスティ(c03080)は疾走した。
海賊の視線が他所を向いた瞬間、懐へと入り込みナイフを振るっていく。
(「うにゃー!?」)
熱気に皮膚がチリチリと焦げるのを感じながらも、リスティはその視線を逸らさない。
バイザーの奥から、イングレッサの強い視線がリスティを射る。
巨獣荒野での戦いでは、エンドブレイカー達をやすやすと退けてのけたイングレッサ。その実力の高さは変わらないどころか、話に聞いた強さを遥かに上回っているかのようだ。
(「この海域が、何か影響しているのか……?」)
「戦場で考え事をしてるの? なら死んじゃいなよ!!」
熱狂を叩き付けるように、巨大な火柱が戦場を横切った。
炎によって甲板に叩きつけられたエンドブレイカー達へと、フレイムソードを振り上げるイングレッサ。だが、剣がさらなる追撃を入れる前に、その胸を手裏剣が貫いている。
「暗殺業は音がしないのが一番一番!」
イングレッサの不意をつくかたちで手裏剣を叩き込んだリスティは、イングレッサが動くよりも早く、なおも無我夢中で手裏剣を投げ付けまくった。
肩で息をつくリスティの目の前で、やがてイングレッサが崩れ落ちる。
巨獣荒野から続いた『魔神の斧』との戦いの、それが終わりだった。
●海将・グレーヌ:Battle29
「エンドブレイカー、か……」
厚い防御を突破して海賊船内に乗り込んだエンドブレイカー達に、海将グレーヌは奇怪な形のハルバードを向ける。
姉とは形を異にしつつも、通常とは異なる仮面。
目の前にいるのが強力なマスカレイドであるという事実は、エンドブレイカー達にとって疑う余地のない事柄だった。
既に一度攻撃を受け、グレーヌの軍勢は壊滅状態に近い。
嘆息して、グレーヌはエンドブレイカー達との戦いに飛び込んで来る。
「やれやれ……急場で揃えた軍勢じゃこんなもんだろうね。アタシのとこまで突破されてんだ。完全に劣勢としか言いようがないね。
「邪魔をするなら、排除するだけだ」
桜月祈・サキ(c01313)の太刀が、夕陽を映して煌めく。
その言葉に、グレーヌは薄く笑った。
「その方が分かりやすくていいわ。精々姉貴の仇でも討たせてもらうとしようかしらね」
戦いは、加速していく。
余計なものを取り去り、戦いはマスカレイド達にとっての死闘として純化されていく。
既に己をマスカレイド化した存在は死に、この場にいる理由もなく、ただ孤軍奮闘という勢いで、一人ハルバードを振るうグレーヌ。
だが、勝利への意志なき攻撃が生む隙を、サキは見逃さない。
攻撃の起点を潰すように、分身したサキの太刀がハルバードを弾き、瞬間、その後方から現れたもう一人のサキが魔法を放つ。
フェイズストライクによる剣と魔法の共演が、グレーヌを貫いた。
攻撃は止まらず、連続で入り、グレーヌの
グレーヌの額から海賊マークの入ったバンダナが外れ、彼女の上へと落ちる。
それが戦いの終局だ。
ニニギア島沖にいた海賊、その最後の一人として、グレーヌは倒れる。
●ガブラス軍
ガブラス号では、ガブラスの配下達が困惑した様子で戦況を見守っていた。
「……あの、旦那。海賊全滅しちまいやしたぜ?」
「今から俺達出て行っても……」
困った様子で見つめて来る部下達に、ガブラスは腕組みをすると低い笑いを浮かべた。
「フッフッフ……やるじゃねぇか、エンドブレイカー。俺達への監視に人手を割いてこの成果。どうやら連中の力は、俺達の予想を上回っていたようだ」
「余裕ぶってるとこ悪いんじゃがの、主よ。どうするのかさっさと指示してくれんかの」
ボヤボヤしてると、エンドブレイカー達がこっち来かねんぞ、と指し示す配下。
その問いかけに、ガブラスはしばし沈黙すると、
「準備不足だ!! 撤退するぞ!!」
「またかよ……」「またか……」
溜息がガブラス号の船上を覆い尽くした。
「急げよ! あの『海上封印』に追いつかれたが最後、俺達もただじゃ済まねぇんだからな!!」
やれやれと、ガブラスの部下達が撤退させる準備に入る。
と、その時だった。
「ガ、ガブラスの旦那!!」
「な、なんだ、騒々しい! まさか準備してない事態か!?」
「そうです!!」
「えっ」
●浮上できず
ニニギア島が、砕けていくのをエンドブレイカー達は目の当たりにした。
前方に存在していたはずのニニギア島を砕きながら、その中央にあった髑髏状の岩山が陥没し、そこから『闇』が這い出して来るのだ。
だが、それに呼応するかのように、終焉に抗う勇士号から、光が放たれる。
海面に浮かび上がる光の軌跡は、空の彼方から見れば、遠く、海賊群島を外縁とした魔法陣として認識できただろう。
ニニギア島の中央部から溢れ出した闇を、光が封じているのだとエンドブレイカー達は感じ取る。
ニニ、ギ、ニニ、ギ、ニニギアメツチ……!
戦場にいる全ての存在は、その声を聞いた。
深い怨嗟と怒りに満ちた声だ。
声と共に闇は広がりゆき、僅かのうちにニニギア島の全てを呑み込んだ。
ニニギア島が割れる音が水の底から聞こえ、海底から昇って来んとする身の毛もよだつような気配を、エンドブレイカー達は感じ取る。
ニニ、ギ、ニニ、ギ、ニニギアメツチ……!
物理的な圧力すら伴うような、強烈な思念の力がエンドブレイカー達の脳裏を叩く。
その源、割れた島の中から現れる存在は、奇怪としか表現のしようのない姿をしていた。
絡み合う触手が翼を造り、翼は波をかいて海上へと上がらんとして、しかし、光に触れると力及ばぬかのように海中へと没していく。
ニニ、ギ、ニニ、ギ、ニニギアメツチ……!
海上封印、破レヌカ……
憎キハ大魔女、憎キハ人間……
「あれが、ガルヴァルドの言っていた『邇邇藝天地我尊』なのか……!?」
ニニギア島の伝説に伝わる『海の魔王』、『邇邇藝天地我尊(ニニギアメツチノミコト)』。
その存在は、次第に海へと没し、それに伴って『生贄海域』を包んでいた嫌な気配が何処かへと去って行くのをエンドブレイカー達は感じ取った。
静けさを取り戻した海で、ニニギア島のあった場所には、ただ静かな海が広がっていた。
海賊との決戦に勝利し、しかし新たな敵となる存在を目撃したことを、エンドブレイカー達は理解していた。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
巨獣研究者・智のエリザベス | 1150 | 22勝0敗 完勝! | 877⇒0 |
『魔神の斧』団長・イングレッサ | 1256 | 25勝0敗 完勝! | 730⇒0 |
海将・グレーヌ | 1473 | 29勝0敗 完勝! | 1236⇒0 |
撤退する | 4 | − | − |
ガブラスに警戒する | 851 | − | − |
ブレイクゲージ残量(第6ターン終了時点) |
---|
75529=75529 |