<三塔戒律マギラントの戦い 第1ターン結果>
第1ターンの開始状況
三塔戒律マギラントに薔薇が咲く。
都市国家全土を三分して統治する3つの塔を、等しく覆うように薔薇は咲き誇った。
巨大な薔薇の蔓は、三塔戒律マギラントにそびえ立つ塔達に巻き付き伸びていく。
「なんという……勇者様達の仰る通りでございましたね」
「事前に知ってて良かったね。これ知らなかったら避難指示どころじゃなかったし」
黒の塔主と緑の塔主は、それぞれ別の場所から、自分達の塔を覆う薔薇を見ていた。
何も知らずにいれば被害は相当なものとなっただろうが、この都市国家の住民のおよそ三分の二……黒の塔と緑の塔の領地の住民達は、驚きこそすれエンドブレイカーの支援もあって、着実に避難活動を行っていた。
エンドブレイカー達から事前にこの事態の発生を伝えられていた黒の塔主と緑の塔主の指示によって、塔主に仕える者達が領民の避難のために動いている。
だが、そうした中で人々を襲撃し、棘(ソーン)をさらに蓄えるべく現れる者達がいる。
三塔戒律マギラントのあちこちに潜んでいた者達は、等しく白い仮面を付けている。
古の時代の勇者達も戦った『見えざる敵』、マスカレイドの軍勢だ。
その前に敢然と立ちはだかり、戦いを挑んでいく者達がいる。
たとえ『勇者マギラント』が否定しようとも、人々を救おうとする彼らの行いは間違いなく人々が信じる『勇者』のそれに他ならなかった。
●多腕型マシンフェアリー
ギーガシャン。ギーガシャン。
その戦場は、銀の輝きに満ちていた。
銀のメイガスに率いられた戦場を埋め尽くすマシンフェアリー達は戦いの時をまっていた。
その中央では、かつて、銀の塔と、黒の塔、緑の塔との関係が今よりも悪かった時に作られた、最終試作兵器『多腕型マシンフェアリー』の勇姿も見受けられる。
『虐殺セヨ、根絶ヤシニセヨ、民族を浄化セヨ』
多腕型マシンフェアリーの指令の下で、マスカレイド化したマシンフェアリー達は、その鋭い武器を民衆へと向けようとしていた。
三塔戒律マギラントの負の遺産、冷戦時に開発された封印兵器の封印がいま、解き放たれたのだ。
「そんな事はさせない」
「黒の塔主も緑の塔主も、少しは問題あったけどいい子だったんだよ。勿論、銀の塔主だって……」
「だから、過去の亡霊は、大人しく消えて!」
虐殺を阻止しようと駆け出すエンドブレイカー達。
そして、銀一色に揃えられた軍勢と、統一感の無い色取り取りの装備の軍勢とが、戦場でぶつかった。
碧雷の魔法騎士・リュアン(c01105)は、獅子奮迅に戦場を駆け抜ける。
「俺は正義が好きな訳じゃ無い。だが、虐殺みたいな非道な事は嫌いだ」
その言葉の通り、リュアン達は虐殺を企図して動き出した従者兵器の群れを駆逐していく。
「棘に魂を売り渡した貴様らに容赦する理由は無い、消えろ!」
この戦いで、勇者マギラントを倒す事は不可能とは言わないが、至難の業である。
ならば、こんな所で手間取ってるわけにはいかないのだ。
だが、そのリュアンの行く手に、異形の影が立ち塞がった。
異形の影は多数の腕がわきわきと動かしながら、リュアンに近づいてくる。
この影こそ、多腕型マシンフェアリィに違いない。
「お前が、この戦場のボスか。だが、俺の敵には少し不足だが、やらせてもらうぜ」
リュアンは、そう言うと、多腕型マシンフェアリィに必殺リングスラッシャーを叩き込んだ。
「……タオ…ス、コ…ロス、ジョ…カスル……ジ…バクジッ…ウ」
リュアンの一撃で中枢を破壊された多腕型マシンフェアリィは、少しでも己の役割を果たす為に、自爆して果てた。
「これが、戦争の為に作られたマシンフェアリーか……」
リュアンは、そう言い残すと、苦い表情で戦いの場に戻ったのだった。
戦いは、まだ、はじまったばかりなのだから。
●戦導団長ガーベイン
三塔戒律マギラントの下層、放棄領域に突如として出現したマスカレイドタワー。
その仮面達の口からは、マスカレイドの軍勢が続々と溢れ出していた。
マスカレイド達ははしゃぎ騒ぐようにして、都市を上層へと進んでいく。
過程にあるものをことごとく破壊し、あるいは命を奪いながら、だ。
『カーニバル』の軍勢の先鋒を務めるのは、東方風の鎧を着こんだ男「戦導団長ガーベイン」が率いる一団だった。
「進め進め! 一番乗りなら殺しも盗みも思いのままだぜ、野郎ども!!」
『カーニバル』の一員として、ある意味で相応しい無軌道な叫びをあげて、ガーベインの部隊は都市部を駆け登ろうとする。
だが、都市国家上部へと駆け登ろうとした『カーニバル』の軍勢の進軍は、突然止まることを余儀なくされていた。
その歩みを止めたのは巨大な昆虫たちを伴った、緑色のメイガスの軍勢だ。
「おいおいおい、なんだそりゃぁ!? 軍勢は勇者様が骨抜きにしとくんじゃなかったのかよ!」
慌てふためきつつも、ガーベインの顔には戦を楽しむ者に特有の狂った喜悦の情が浮かぶ。
対して緑の塔の軍勢を率いる塔主は、緊張に表情を硬くしていた。
「みんな死んじゃ駄目だからね! それじゃ、攻撃開始!」
塔主の号令を受け、アサルトバグや緑の塔のメイガス騎士達が果敢にマスカレイド達へと挑みかかっていく。
ギガンティックメイガスなどの探索を通じて異形の敵の存在は知っているとはいえ、これだけの規模の敵となれば話は別だ。
だが、彼らの認める勇者たるエンドブレイカー達が、本来なら縁もゆかりも無いようなこの都市のために戦っている。その事実に、騎士達は奮い立っていた。
未来へ翔る風標・アルトファルベ(c00215)は軽く口笛を吹いて、その優勢を見守ると、扇を振るい、マスカレイドの攻撃を受け流す。
「こっちも負けちゃいられないな!」
指を立てて妖精を招くアルトファルベの視線が、敵の指揮官と思しき男の姿を貫いた。
青白く輝く妖精が、彼の指先に止まる。
「こんなところで、ガキ相手に止まってられるかよ!!」
「ガーベインとか言ったっけ? 悪いけど、ここで止まってもらうぜ! 行け、セレス!」
アルトファルベの指先が、ガーベインを指し示す。
妖精セレスを先頭に、針を手にした妖精達がガーベインごと彼の部隊へと襲い掛かった。
妖精達に群がられたガーベインの鎧の隙間から入り込んだ妖精
「指揮官は倒したぜ! あとは残りを蹴散らすだけだ!」
響くアルトファルベの声に、戦場で戦う他のエンドブレイカーやメイガス騎士達が歓声を上げて応じた。
●白煙のヒュータッグ
多くのレッサーデモン達に、マスカレイドメイガスやマスカレイドのメイガス騎士を引き連れて、白煙のヒュータッグは黒の塔の都市部へと侵攻していた。
己が守るべき立場であった黒の塔の領地を荒らすことに、マスカレイドと化したヒュータッグは疑問すら抱かない。
配下達に意気揚々と指示を下す。
「このまま攻め込め! そうすりゃ……」
『興味深いですわね。そうなさると、どうなるというのです?』
地響きと共に、現れるのは黒い巨体。
クーデター派が黒の塔から持ち出して使っているのと同じ黒色のメイガスを引き連れて現れるのは、1体の巨大なメイガスだ。
黒の塔のマスターメイガス。その出現に、クーデター派の騎士達に動揺が走る。
『わたくしを黒の塔主と知って弓を引く。その意味が分かっていますね?』
「……はっ! ビビってんじゃねぇぞテメェら! あんたみたいなシミったれた考えのやつが塔主をやってる限り、黒の塔がマギラントを制することなんて出来ないんだよ!」
『その必要があれば、わたくしがそうします。貴方如きが口出しする必要はありませんわ』
「ほざけ! すぐにマスターメイガスから引きずりだしてやる!!」
黒の塔主ダークアイと白煙のヒュータッグ、年齢差はおそらく倍ほどもあるだろうが、年下のダークアイは臆することはない。
「役者が違うのぅ……」
そう呟いて、無窮の業火・グリム(c02811)は黒の塔主とヒュータッグをそれぞれに見た。
黒の塔主ダークアイは、エンドブレイカー達と共に試練を苦境を乗り越える中で塔主として一つステップしたように思えた。
「白い仮面が実体化していてくれて助かります。あれが目印にならなければ同士討ちをしていたところでしょうから……では勇者様、よろしくお願い致します」
「うむ、任せるが良かろう」
自らもマスターメイガスを駆り、前線へと赴く黒の塔主に、白煙のヒュータッグが罵声を向ける。
「塔主がノコノコこんなところに出てきやがってよ! いいかお前達! 塔主を倒してマスターメイガスを奪っちまえばこっちのもんだ!!」
「そう簡単に行くと思うな!!」
黒の塔の軍勢を味方につけ、エンドブレイカー達がクーデター派とぶつかり合う。
メイガス同士のぶつかり合う金属音と魔法の詠唱が戦いの響きを生み、僅かな時間の後に勝利を収めたのはエンドブレイカーの側だ。
黒の塔のメイガス騎士達の続けざまの攻撃によって、ヒュータッグも戦いの中で倒される。
「では、後はお任せします。……どうか、この都市国家をお救い下さい」
負傷したメイガス騎士達を連れて後退する黒の塔主に、エンドブレイカー達は力強く頷きを返すのだった。
●クワドラプルレッドコンドル:Battle7
マスカレイドタワーから出現したマスカレイドの軍勢。
その中でも空を跳べる者達は、布陣したエンドブレイカー達の頭上を飛び越えようとする。
「空を飛んでいく連中には気をつけろ、撃ちまくって地面に引きずり落とせ!」
エンドブレイカーのアビリティが空へと飛び、たまらず地表付近へと降下して来る飛行マスカレイド軍団。
その中にひときわ巨大な鳥の姿を認め、佳月兎のスカイランナー・ヴァニス(cn0082)は真剣な目でそれを見た。
「こいつらを止めなければ、避難してる人達に被害が出る……まずは敵の先鋒から止めるか」
マスカレイドタワーから進撃を続けるマスカレイドの軍勢を止めなければ、都市部の被害は免れえない。その事実を確認し、ヴァニスは弓に矢をつがえる。
頭上から飛びかかって来る巨鳥達が、その爪を、くちばしを、エンドブレイカー達へ向けて振り立てる。翼からの羽ばたきは風を生み、エンドブレイカー達を撃った。
その巨体をものともせず、弾丸のような速度で四つ首のコンドルも自らエンドブレイカーへと向けて飛んだ。
「だが……これでどうだ!」
ヴァニスのガンナイフが鳥へと向けられる。
銃声が連続して響き、弾丸の驟雨が敵を撃つ。
そのことごとくをまともに受けたコンドが、その巨体をひきつらせたかのように動きを止めた。
突撃の勢いのまま、砂塵を巻き上げて廃墟の壁にめり込んだ巨鳥を見下ろし、ヴァニスは軽く息をつく。
「巨体なのが幸いしたな」
悶絶するコンドルが息絶えると同時に、その体に浮かんでいた棘(ソーン)も消え去って行く。
三塔戒律マギラントの都市部へと侵攻するマスカレイド達。
多数の敵に立ち向かうエンドブレイカー達は、決死の奮戦で絶望的な敗北を防ぎ続ける。
戦いはまだ、始まったばかりだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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親衛隊長マーメルル | 240 | 1勝13敗 敗北 | 【拒絶体】1950⇒1285 |
マスターメイガスコピー | 298 | 0勝41敗 敗北 | 【鈍重】【撤退】6531⇒6207 |
勇者に最も近い男グラーフェン | 302 | 1勝7敗 敗北 | 【傲慢】【撤退】2350⇒1393 |
多腕型マシンフェアリー | 396 | 11勝0敗 完勝! | 【虐殺】1657⇒0 |
シルバーワイバーン | 224 | 0勝12敗 敗北 | 【隠密】1988⇒1890 |
銀の塔のメイガス騎士・タオ | 234 | 1勝14敗 敗北 | 【拒絶体】2320⇒1456 |
黒翼の魔 | 217 | 3勝3敗 敗北 | 1491⇒456 |
ユニゾンメイガス | 219 | 1勝9敗 敗北 | 1790⇒1129 |
白煙のヒュータッグ | 201 | 12勝0敗 完勝! | 2088⇒0 |
戦導団長ガーベイン | 187 | 13勝0敗 完勝! | 1742⇒0 |
クワドラプルレッドコンドル | 393 | 6勝1敗 勝利! | 【絶望】1785⇒0 |
チューチューマム | 191 | 0勝8敗 敗北 | 【隠密】1524⇒1455 |
ブレイクゲージ残量(第1ターン終了時点) |
---|
98821−1285−1393−1890−1456−456−1129−1455=89757 |
ターン終了時能力 |
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マスターメイガスコピーの【鈍重】! ブレイクダメージ6207⇒0 |