<三塔戒律マギラントの戦い 第2ターン結果>
第2ターンの開始状況
●親衛隊長マーメルル「親衛隊、前へ……!!」
勇者マギラントの親衛隊。
見目麗しい女性達を集めて編成された部隊は、エンドブレイカー達とぶつかり合っていた。
本来ならば戦い慣れていないはずの彼女達は、マスカレイド化によってその実力を大幅に引き上げられ、エンドブレイカー達とも渡り合うまでになっていた。
棘(ソーン)を受け入れるほどの悪心もなく、望まずして棘を強制憑依させられた親衛隊の女性達の戦いぶりは、美しくも悲しい。
「マギラント様のために……」
「私達の勇者のために……」
「そのマギラントが、あんた達に何をしてくれたっていうんだ!」
狐火の尻尾・ナチ(c01446)は敵陣を突破し、親衛隊の指揮を任されているマーメルルと向かい合っていた。
「マギラント様に逆らう、愚かな偽りの勇者達よ。真の勇者の前にひれ伏すのです」
「くぅっ……」
虚ろな表情でいうマーメルル。
呼び出される星霊ヒュプノスの羊毛が、ナチに強烈な眠気を与えて来る。
睡魔をもたらして来るのに耐えながら、ナチはマーメルルへと顔を向けた。
再び飛び付いて来ようとするヒュプノスをすんでのところでかわすと、マーメルルへ向けて口を開く。
「ごめんね……」
瞬間、紅蓮の炎がナチの口から放射された。
炎の前にマーメルルの華麗な衣服が燃え上がり、どこか虚ろな表情のままに女性は崩れ落ちた。
棘(ソーン)が無理矢理にマーメルルの命を引き剥がしていく。
マスカレイドとなった者が迎える、当然のエンディングだ。
急激に熱を失いゆくマーメルルの姿に、ナチは拳を強く握りしめた。
●勇者に最も近い男グラーフェン
「さあ、僕の命令に従ってもらうよ再現英雄! このグラーフェンの指揮に従って、刃向う奴らを皆殺しにしろ!」
魔法剣士と思しき青年の号令一下、配下の兵達が動き出す。
「何なんだ、こいつら……」
天陽の翅・クロード(c03380)は、再現英雄と呼ばれる者達の力量に思わず呻いた。
白い仮面で頭部を覆われており、顔を見ることの出来ない者もいるのだが、そうした者達の仮面の下も、同じ顔をしているであろうことは想像に難くない。
「文字通り、過去の勇者達を再現した存在ということか!!」
「おっと、出て来たね偽勇者! 再現英雄諸君、命令変更だ! まずは偽勇者どもを倒す!」
グラーフェンの指示でクロード達を迎え撃つ再現英雄。
その陣を強引に撃ち抜いて、エンドブレイカーはグラーフェンへと突き進んだ。
エンドブレイカーの放った弾丸を、グラーフェンの手にした太刀が次々と切り捨てる。
「偽りの勇者の分際で、僕にかなうと思ったのかい!?」
「勇者を名乗ったつもりはないけれど、マスカレイドごときに偽勇者呼ばわりされるのも良い気分はしないな!」
エンドブレイカー達からの攻撃を転がりながら回避したグラーフェンが、立ち上がりざまに無駄にかっこいいポーズを決めながら叫ぶ。
「僕はこれまでに幾つもの試練を潜り抜けて来た! 君達を倒し、新たな伝説をここに刻む!」
颯爽としたポーズで、ろくでもない事を言うものだ。
クロードはそう思いながら距離を取ると、冷静にシャイニングレインを放った。
雨の如く降り注ぐ光の剣に貫かれ、グラーフェンが膝をつく。
「そ、そんな……僕は勇者になれないのか……」
「最初から目標が間違ってるんだよ」
なにせ目指すところが勇者マギラントでは、たとえなったところでマトモな勇者になりはしないだろう。
こと切れたグラーフェンを見下ろして、残る再現英雄を駆逐にかかるのだった。
●黒翼の魔
黒の塔奪還作戦の際、塔主に味方する騎士達が行った陽動によって塔から引き離されていたクーデター軍の主力部隊は、今回の戦いにその全ての戦力を投入していた。
それも当然だろう。
黒の塔とマスターメイガスを奪還され、正統性を完全に失った彼らには、もう後がない。
そうして投入された戦力の中には、黒の塔が長きに渡って封印してきた存在も混じっていた。
『キュィィィィィ!!』
金切声を思わせる甲高い鳴き声をあげて、従者兵器レッサーデモン達が黒の塔の領地へと攻め込んでいく。
「レッサーデモンのアビリティは統一したのかな……それともマスカレイド化による影響?」
黒衣の怪盗・レモン(c03906)は戦いながら一人ごちる。
通常のレッサーデモン、そして以前に出現していた「はぐれ従者兵器」は、攻撃された際に使われるアビリティを再現できるという特性を持っていた。
大迷宮に挑んだエンドブレイカー達の中には、レッサーデモンの特性をうまく利用した者もいたようだが、今回出現しているレッサーデモンには、その特性は無いようだ。
「それとも、あっちの影響かな」
頭上を見上げるレモン。
その視線の先には、屋根の縁に立つ翼を持つ魔物の姿がある。レッサーデモンの中でも翼を得たもの、ではない。
「異界の存在、『デモン』か……」
『ギュグルゥゥゥ!!』
レモン自身がそうであるように、デモニスタが体内に吸収し、力としているデモン。
不自然な形でこの世界で実体を帯びた黒翼の魔は、不快な鳴き声をあげて、眼下のレモン達エンドブレイカーへと襲い掛かる。
「けど、デモニスタがデモンに負けるわけにはいかないね」
エンドブレイカーの視線がデモンの翼を見つめると、視線を受けた部分が石と化す。
バランスを崩しながらもデモンが振るった爪がエンドブレイカーをかすめ、鮮血が飛び散った。しかし、それも追い詰められたデモンの苦し紛れの攻撃に過ぎなかった。
顔を血に染めながらもレモンはさらに視線に篭める呪力を強め、デモンの身体を完全な石へと変化させるのだった。
●シルバーワイバーン
その戦場には砲撃の音が鳴り響いていた。
巧妙に設置された隠し拠点からの砲撃は、雨あられのようで、戦場に土煙が舞う。
「これまた、厄介な兵器ですね」
冷たく優しく響く雨音・ウキョウ(c18690)は、肩を竦めて、そう感想を述べる。
三塔戒律マギラントは、3つの勢力が覇権を競ってきた。
シルバーワイバーンは、その過程で発生した軍拡競争の残滓であるのだろう。
「実際に戦争が起こらず、兵器が使われなかったのは良い事なのでしょうけれど」
「使われないという事は壊されないという事。つまり、敵の戦力が強大化してしまう」
「実際に戦争をするよりも、戦争の危機が長く続いた方が、多くの兵器が作られるのかもしれませんね」
「迷惑な事です」
エンドブレイカー達は、身を隠しながら砲撃してくる敵に対してひとしきり文句を言うと、突撃を開始した。
前の戦闘で、敵の拠点の位置は既に突き止めている。
ならば、後は、前に進むだけなのだ。
そして……エンドブレイカーと、シルバーワイバンーンの軍勢との戦いが始まった。
ゴールデンドラグーンとならぶ、戦士の銃の名を冠するに相応しい強さがあるか否か、それは、この戦いで証明されるのかもしれない。
「伝説の銃の名を冠されたマスカレイドメイガスね。相手にとって不足はありません」
武を競うのは武芸者の本分であると、ウキョウは、太刀と流星ナイフの二刀を構えて敵軍勢を睥睨し、そして、砲撃を行う敵の中心に向かい歩を進めた。
「この程度の砲撃に、怯むものですか」
砲撃の雨の中、無人の野をゆくように進むウキョウ。
そもそも、砲撃は、遠く離れた敵性領地を攻撃するためのもの。
敵味方の距離がここまで詰まれば、その能力は十全に発揮できない。
近寄られたことで狼狽しながらも、砲撃を繰り返すシルバーワイバーンの姿に、ウキョウは流星ナイフを掲げると無数のナイフを呼び出し鋼鉄の竜を作りだした。
「あなたがシルバーワイバーンを名乗るなら、俺のアイアンドラゴンくらい、耐えられるのでしょう?」
無表情でそう言い放ったウキョウのアイアンドラゴンは、シルバーワイバーンの体を深く貫いたのだった。
「……どうやら、シルバーワイバーンの名を名乗る資格は無かったようですね」
折れた砲身を無残さらす、シルバーワイバーンンの残骸に、そう言い残すと、ウキョウは、速やかに戦場を後にした。
銀のマスターメイガスに搭載された、都市殲滅級儀式魔装『シティアニヒレイター』が発動するまで、余裕はもう無い。
エンドブレイカー達には、立ち止まる暇など無いのだから。
●烈華・コンスタンツァ
魔物ひしめく『カーニバル』のマスカレイドの軍勢の中で、一見して常識的な姿をしたその少女は、逆に一際目立って見えた。
手にしたフレイムソードの炎よりもなお赤い髪の毛を揺らし、烈華・コンスタンツァはゴーレム兵団を率いて『カーニバル』の軍勢として姿を見せている。
「この時代もなかなか捨てたものじゃないわね! こうしてまた戦えるなんて素敵だわ!」
戦いへの熱狂に瞳を輝かせ、ゴーレム達を前へと前進を命じる。
朽ち木の如き姿のゴーレム達は、命ぜられるがままにエンドブレイカー達の守備陣へと己の身を叩き付け、その守りを破らんとする。
「当たられる前に削り落とせ!!」
紫煙銃のスカイランナー・タクミ(c27664)が叫ぶ。
エンドブレイカー側からも応戦としてゴーレム達に向けてアビリティが次々に放たれていく。
無情なまでの勢いで削り落とされていくゴーレムの中、一人気を吐くのは指揮官であるコンスタンツァだ。
「いいわよ、誉めてあげる。やっぱり戦いは攻めが肝心よね!」
烈華の名のごとく、華やかな戦いぶりを見せるコンスタンツァ。
その手にしたフレイムソードが躍り、放たれる炎がエンドブレイカー達の護りを破るべく広がって行く。
その力を耐え凌いだエンドブレイカー達の度重なる攻撃の前に、コンスタンツァも次第に追い込まれていく。
荒い息をつきながら、それでもなお激しさを増すように破壊を為し続けるマスカレイドの少女へと、タクミは狙いを定めていった。
「こいつで終わりにする……!!」
エンドブレイカー達を炎で焼き切らんとするコンスタンツァの勢いを止めるべく、タクミは狙いを定め、引き金を引く。
銃声が高々と響き渡る。
紫煙銃から吐き出された弾丸は、狙い過たずコンスタンツァの胸を撃ち抜いていた。
自分を倒したエンドブレイカー達へと笑みを見せる。
手にしたフレイムソードから荒々しい炎が一瞬激しく燃え盛り、その炎が止んだ時、コンスタンツァの姿は跡形もなく消滅していた。
●アマツカグラ召喚
銀の塔の最上部。
三塔戒律マギラントの都市を見下ろす場所に、勇者マギラントの姿はあった。
ときおり、眼下で起こる戦いの熱気を反映したかのような強い風が吹きすさぶが、マギラントの髪や服には僅かな揺らぎも無い。
その身に秘めた絶大な魔力が、風はおろかその身を苛もうとする自然現象を遮断している。
三塔戒律マギラントを脅かさんとするマスカレイドの軍勢に立ち向かうエンドブレイカー達の姿に、仮面の奥から称賛の言葉を発する。
「さすがはエンドブレイカー、人類に与えられし希望……といったところですか。
では、そろそろ『客将』の方々にもお出まし願いましょうか」
マギラントの杖が振りかざされる。
マスカレイドタワーからの魔力が杖へと流し込まれ、失われし魔導の業が振るわれる。
「遺失魔術『サモニング』。
霊峰天舞アマツカグラの兵(つわもの)達よ。この地に現われ、力を振るいなさい」
黒、緑、銀の各領地に、遠く離れた都市国家と繋がる『歪み』が開かれる。
『歪み』の向こう側から現れるのは、東方風の装束に身を包んだ者達。
それは、新たな敵戦力の襲来を告げるものだった。
「さあて、アタシらの力を、ここのエンドブレイカー達にも見せてやるとするか!」
「天津神楽にて育まれし棘(ソーン)の力、エンドブレイカーどもに示す也」
「誰が一番多くエンドブレイカーを倒せるか勝負でゴジャル!」
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
親衛隊長マーメルル | 240 | 3勝6敗 勝利! | 【拒絶体】1285⇒271 |
マスターメイガスコピー | 375 | 0勝39敗 敗北 | 【鈍重】【撤退】6207⇒5836 |
勇者に最も近い男グラーフェン | 405 | 8勝0敗 完勝! | 【撤退】1393⇒0 |
シルバーワイバーン | 376 | 11勝1敗 勝利! | 1890⇒0 |
銀の塔のメイガス騎士・タオ | 219 | 3勝6敗 敗北 | 【拒絶体】1456⇒387 |
マシンフェアリー「フェアちゃん」 | 225 | 0勝14敗 敗北 | 【拒絶体】2154⇒1455 |
黒翼の魔 | 215 | 4勝0敗 完勝! | 456⇒0 |
ユニゾンメイガス | 200 | 2勝4敗 敗北 | 1129⇒315 |
暴食魔「ゾルガくん」 | 247 | 2勝7敗 敗北 | 1939⇒1102 |
チューチューマム | 212 | 0勝8敗 敗北 | 1455⇒870 |
烈華・コンスタンツァ | 602 | 13勝0敗 完勝! | 【逆上】2395⇒0 |
名もなき男 | 354 | 6勝7敗 敗北 | 2438⇒833 |
ブレイクゲージ残量(第2ターン終了時点) |
---|
89757−271−387−1455−315−1102−870−833=84524 |
ターン終了時能力 |
---|
マスターメイガスコピーの【鈍重】! ブレイクダメージ5836⇒0 |