<三塔戒律マギラントの戦い 第5ターン結果>
第5ターンの開始状況
●銀の勇者アサルディン
勇者マギラントが出した指示によって銀の塔の一角は、迷宮へとその姿を変えていた。
銀の塔は本来、マギラント大祭の際に『マギラントサーキット』を短期間に準備するだけの技術力を持ち合わせている。
だが、今回の工事に当たって、その建築を行ったのが誰あろう『銀の勇者』の名を持つ存在であることを、作業に当たっていた人足達は知るよしもなかっただろう。
「なんか三塔戒律マギラントは迷宮づいてるなぁ」
一日三食カレーはおやつ・グリム(c01285)はそう思いながら迷宮を駆け抜け、マスカレイド達との戦闘を行っていく。
中央部の大迷宮を建造したのはマスカレイド側のようだが、それが現在まで残り続けていることを考えても、勇者達が当時の星霊建築の
アサルディンの施した迷宮は、先程挑んだエンドブレイカー達によって攻略されている。
そしてグリムたちの前には、銀の勇者アサルディンがその姿を見せていた。
既にエンドブレイカー達と戦った黒の勇者ギャモンや緑の勇者クッチーナと同じく、アンデッドなのだろうが、このような迷宮を造ったということは生前の知性も残っているということか。
魔道書を開き、こちらへと魔法を放って来るアサルディン。
だが、魔術が完成するよりも一瞬早く、グリムはスカルブレイカーで切り込んでいく。
飛び込んで来るグリムに虚を突かれたのか、一瞬詠唱が乱れる。その隙を見逃さず、グリムの投げ付けた斧が回転しながらアサルディンの喉笛を断ち切っていた。
「よし、やったかなぁ」
フラグめいたセリフを吐きつつアサルディンに近付くグリム。
きちんとアサルディンが消滅するのを確認し、ほっと大きく一息をつくのだった。
●アナザーダークアイ
エンドブレイカー達が居場所を掴んだ時、その少女は黒の塔の人々が逃げ込んだ避難所の付近で活動していた。
「あれが……本当に似ていますね」
実際にはそうではないと知っている凍月の旋律士・リコリス(c01337)ですらも一瞬、黒の塔主と見間違えるほどに、アナザーダークアイは黒の塔主ダークアイ本人に似た顔立ちをしていた。
何かの魔術によるものか、それとも……。
もっともマスターメイガスに乗っていないことで、本人でないことは容易に分かったのだが。エンドブレイカー達を見て、アナザーダークアイの目が憎悪に歪む。
「黒の塔主に弓を引くとは、愚かなことでございますね偽勇者ども。その愚かさを抱いたままに死になさい!」「あなたは塔主では……」
「わたくしが黒の塔主でダークアイに決まっているではありませんかァァァ!!」
背中に異形の翼が広がる。
エンドブレイカーにも、少女が狂気に侵されているのが傍目に見ていても分かった。
クーデター派によって洗脳を施された少女は、もう救いようがない。
彼女が魔法を発動させるよりも一瞬早く、リコリスの魔曲が発動していた。
「哀しみを思い出しなさい……!」
嘆きのセレナーデが響き渡り、アナザーダークアイの中に失われた悲しみを思い出させていく。
「あ……」
攻撃を行おうとしていた少女の動きが、一瞬止まった。
なおも竪琴を奏でるうちに少女は戦う気力を完全に失っていく。やがて抵抗を止めた少女の体は崩れ落ち、棘(ソーン)がはがれると共にその命を失った。
「わたし……ダークアイじゃなくて……私って……誰なんだっけ……?」
泣き笑いのような表情で言って、少女は崩れ落ちる。
苦い気分を抱きつつ、エンドブレイカーは斃れた少女を見下ろした。
●マスターメイガスシャドウ
黒の塔主に反旗を翻し、黒の塔の実権を握ろうとしたクーデター派。
彼らを率いているのは、黒の塔のマスターメイガスと同様の姿を持つ存在だった
「だが、見た目通りの存在では無いな」
エンドブレイカーは直感的にそう見て取った。
移動するマスターメイガス級の巨大メイガスは、しかし重量感に乏しい。
レッサーデモンの「模倣」する性質を利用して、その集合体として形作られていた。
「マギラントめ。こういう代物の作成はお手の物というわけか」
天華の欠片・キリィ(c01934)はマスターメイガスシャドウの巨体を見上げた。
勇者マギラントが連れて来た巨大メイガスが、他のメイガスに不可能な完全二足歩行を実現していることでも分かるように、勇者マギラントの持ち合わせる技術力は、この都市国家のそれを完全に凌駕している。
あるいは伝説の時代からの積み重ねなのかも知れないが。
『コロセ! 邪魔ヲするやつラはみんなコロしてシマエ!』
偽りのマスターメイガスの内側から響く黒の塔の魔術士ヒートヘイズの声はひび割れ、酷く変質してエンドブレイカーの耳に届いた。
「その前に、貴様の首、地に叩き落とす!」
エンドブレイカー達の集中砲火を浴びて、マスターメイガスシャドウを構成するレッサーデモン達が次第に剥がれ落ちていく。
その内部で魔術士の憎々しげに歪んだ顔が見えた瞬間、キリィは一気に距離を詰めた。
肉薄しようとするキリィへと振り下ろされる巨腕。
しかしその撃音の響きが止まぬうち、一瞬早くキリィはその腕へと飛び移っていた。
巨大なメイガスを構成する黒い影が触手のように彼女を縛り上げる。
『貴様カラ殺ス!!』
ヒートヘイズの歪んだ瞳がキリィを見る。
だが、その瞬間にキリィは不敵に笑った。瞬間、二人の間には回転する衝撃波が生まれている。
「行けリングスラッシャー!!」
触手たちが瞬時に断ち切られ、キリィは地面へと降り立つ。
もはや結果を見るまでもない。
ヒートヘイズごとマスターメイガスシャドウの首を断ち切ったリングスラッシャーが消えると共に、クーデター派残党との戦いは終わりを告げたのだ。
●銀の塔主サイリス
銀の領地の中央部にまで攻め入ったエンドブレイカー達を待ち受けていたのは、これまでの銀の塔の部隊を大きく上回る規模の大部隊だった。
軍勢の後方に控えるのは、メイガス達を大幅に上回る大きさをした銀の塔のマスターメイガス。
『シティアニヒレイター』を搭載した、ある意味でこの戦いに表れているマスカレイドの中でも、最も危険な存在だった。
先程エンドブレイカー達によって保護された銀の塔の技師・レスターによれば、マスターメイガスの腹部の球状になった部分の内側に、『シティアニヒレイター』は搭載されているという。
「マスターメイガスの腹には攻撃を当てない方がいいだろうな」
一人ごちながら、エンドブレイカーはマスターメイガスを見やる。
上部のキャノピーに収まった銀の塔主の姿は、この距離からでは見ることはできなかった。
『各員、迎撃態勢を取りなさい』
銀の塔のマスターメイガスから、虚ろな声が響く。
「我らの塔主を守れ!!」
メイガス騎士をはじめとして、銀の塔の軍勢が一斉に動き出す。
拒絶体たるメイガス達の軍勢を説得しながら、エンドブレイカー達はサイリスへと迫った。
巨大なマスターメイガスは、エンドブレイカー達にすれば狙いをつけやすい存在だった。
攻撃手段を封じにかかるエンドブレイカー達に、マスターメイガスからの銀色の閃光が撃ち出される。
翠緑の術士・イシェト(c03660)の構えた大鎌の向こうで、銀光が輝いた。その光に目を射られながらも、イシェトはマスターメイガスに、そして銀の塔の騎士達に向けて叫ぶ。
「貴方方は如何なる理由でその力を振るうか! 大昔の勇者とやらの言葉に愚直に従い、ただ破壊と殺戮を行うためか! 違うはずだ!」
メイガス達の力は、そうしたものではないとイシェトは信じた。
その心が通じたのか、銀の塔主のマスターメイガスの巨体が怯んだように後退する。
「力無き者を護り、秩序を保つためだというのなら、今は引かれよ!」
引け、という言葉。
その説得に従い、引こうとした銀のマスターメイガスに、イシェトの放ったレギオスブレイドが立て続けに突き刺さった。
腹部の魔法陣が光を失い、しかし次の瞬間、塔主を乗せたままマスターメイガスは勢いよくその場から飛翔していた。
「なっ!?」
戦闘不能にはしたはずだ。
おそらく反応からして内部のサイリスも生きているはずだが……。
エンドブレイカー達が飛翔するマスターメイガスを撃墜するべく攻撃するが、銀色の巨体はさらに上方へと飛んでいく。
マスターメイガスを茫然と見送るイシェト達の元に、ふらつきながら銀の塔の技師・レスターがやって来る。
「『シティアニヒレイター』は使用不能になったようですね! ……って塔主はどこへ?」
「……な、なんか飛んでった」
「……はい? 脱出機能でしょうかね。自分の意志で作動させなければ機能しないはずですが」
マスターメイガスには、緊急時のために
「と、とにかく大規模破壊は止まったんですよね?」
「それは確かです」
レスターの言葉に安堵するエンドブレイカー達。
銀の塔軍との戦いは、こうして終わった。だが……。
●カーニバルのリーダー(名称不明)
「なんとビックリこりゃ仰天! 正直言って予想外の計画外!」
心の底から驚くように、芝居がかった仕草を見せたのは、紛れもないカーニバルの道化ジェスターだった。
ジェスターがおどけた態度を取るのはよく知っていたエンドブレイカー達だったが、しかし彼らには、ジェスターの態度に別の気配を感じ取っていた。
それは『焦り』だ。達人揃いのエンドブレイカー達の前では、いかなジェスターといえども、心の奥の『焦り』を隠し通すことはできなかった。
「拍手喝采あめあられ! 皆さんには、惜しみない拍手を!
……ゼルフォニア鉱の反射器も限界です。これは貴重なものですからね、そろそろ失礼させて頂きますよ。
そしてマスカレイドタワーは、いずれ返して戴きに参りますよ!」
「マギラントさんも……おっと、イマのは口が」
その言葉を聞きながら、ジェスターと遭遇したエンドブレイカー達は『カーニバル』のマスカレイド達によって蹂躙されていくのだった……。
●エリクシル萌芽
「これはこれは……定められし『ルール』の盲点というところでしょうか」
勇者マギラントは、飛来した銀の塔主サイリスをマスターメイガスごとマギラントメイガスに抱えさせ、上空を見上げていた。
「希望を潰えさせることが出来るかと思ったのですが、ままならないものですね」
銀の塔の塔主はエンドブレイカー達の説得のせいで生きているものの、マスターメイガスによる『シティアニヒレイター』の作動は阻止された。
おそらく銀の塔で修復しなければ、二度と使うことは出来まい。
一方で、エンドブレイカー達が絶望的な敗北を喫し続けたことで、エリクシルが萌芽しようとしている。
「しかし、私も魔塔の力がなくなれば、この地を離れなくては……そうなると」
勇者マギラント軍、銀の塔軍、クーデター派残党、『カーニバル』。
全ての勢力は三塔戒律マギラントからいなくなり、遺失魔術サモニングによる一時的召喚が終わることで霊峰天舞アマツカグラからの客将達も元の場所に帰還する。
「そうなると、エリクシルが萌芽する時、この三塔戒律マギラントに残る有資格者はエンドブレイカーだけになりますね」
その事実を思い、勇者マギラントは仮面の奥で思わず笑みを浮かべていた。
「さすがは人類に残された希望。彼らの底力を確かめられたことが、今回の最大の収穫でしょうか。再び相見える時には……」
言葉と共に、マギラントは失われし魔道の業を発動させる。
その呪文が終わった時、この三塔戒律マギラントから、全てのマスカレイドの軍勢は姿を消していた。
そして──!!
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
マスターメイガスコピー | 243 | 0勝36敗 敗北 | 【鈍重】【撤退】5804⇒5705 |
銀の勇者アサルディン | 347 | 6勝0敗 完勝! | 2418⇒0 |
マギラントメイガス | 557 | 0勝31敗 敗北 | 【ウォール】5220⇒4261 |
銀の塔主サイリス | 1031 | 29勝2敗 勝利! | 【拒絶体】【大規模破壊】5115⇒0 |
アナザーダークアイ | 622 | 12勝0敗 完勝! | 【絶望】2176⇒0 |
マスターメイガスシャドウ | 995 | 21勝0敗 完勝! | 4092⇒0 |
カーニバルのリーダー(名称不明) | 191 | 0勝14敗 敗北 | 【無敵】【逃走】4200⇒4026 |
火那大僧正ガイモン | 22 | 0勝8敗 敗北 | 【増援部隊】【客将】【撤退】2660⇒2660 |
神祇清浄姫アマニータ | 35 | 0勝13敗 敗北 | 【増援部隊】【客将】【撤退】2660⇒2660 |
神刀天津守サカマガツ | 32 | 0勝12敗 敗北 | 【増援部隊】【客将】【撤退】2571⇒2550 |
ブレイクゲージ残量(第5ターン終了時点) |
---|
63802−4261−4026−2660−2660−2550=47645 |
ターン終了時能力 |
---|
マスターメイガスコピーの【鈍重】! ブレイクダメージ5705⇒0 |