<三勇者決戦 第2ターン結果>
第2ターンの開始状況
●奇術師・老ゼペット狂王アニール軍によって、エンドブレイカー達が囚われている……。
では、囚われたエンドブレイカー達がどこにいるのか。
その答えは、アニール軍の虐殺から救い出された人々の話からすぐに判明した。
近々、闘技場の一つで若草の乙女アリッサムに逆らった者達の処刑闘技が行われる……そう布告があったというのだ。
処刑闘技が行われるという闘技場に急いだエンドブレイカー達を出迎えたのは、朗朗と響き渡る老人の声だ。
『さあ、間もなく処刑が行われんとする中、エンドブレイカー達は処刑という終焉を打ち砕き、仲間達を助け出すことが出来るのか!!』
意識せずとも耳目を引き付けられるような声音と動作。
ボイスブースターのようなアビリティを使っているのか、老ゼペットの声は戦場に響き渡る。
『いざ、注目の一戦の幕開けございます!』
くるぽっぽー、と鳩の声が響いた。
瞬間、エンドブレイカー達を遮るように大量のマスカレイドが出現する。
「あんなのが、ランスブルグに名を残す伝説の奇術師とは……お恥ずかしい限りです」
「ま、まあ、マスカレイド化してるからしょうがないんじゃないかな……」
果物屋・リジュ(c22699)は、ジョナ1世を守る近衛騎士団の騎士が沈痛な面持ちで言うのを思わず慰めていた。
(「でも邪悪さはともかく、あの性格は生前からそうだったのかも」)
そう思うが口には出さず、リジュは棍を手にマスカレイド達を叩き伏せる。
闘技場に突入していくエンドブレイカー達を迎え撃つ形で現れるマスカレイド達を、エンドブレイカーは現れる都度破っていった。
そして、闘技場中央部。
磔にされ、猿轡をはめられたエンドブレイカー達の前で、老ゼペットと救出に来たエンドブレイカー達は向かい合う。
剽軽さを感じさせる仕草で、ゼペットはエンドブレイカー達に一礼する。
「ようこそ、我が奇術劇の舞台へ。これで、儂の任務もおおよそ終わりじゃの」
「任務だと?」
「ま、詳しいことは、儂を倒してからお仲間達を救出して聞くが良いじゃろう。では、奇術劇の最高潮(クライマックス)じゃ!」
危険な奇術を繰り広げながら伸ばされるゼペットの腕、マスカレイド化し、変異を遂げたそれを伸び縮みさせながら、老ゼペットはエンドブレイカー達との戦いに臨む。
闘技場のあちこちから現れるゴーレム、アニール軍のアンデッド達がゼペットの手足のようにエンドブレイカー達に襲い掛かった。
傷つけられながらも、エンドブレイカー達の意志はくじけない。
「大切な仲間達の為なら、なんのそのです!」
ゼペットの帽子から飛び立った鳩が、エンドブレイカーの目をついばんでゼペットの元に舞い戻る。
ゼペットが帽子を上げてそれを受け入れんとしたタイミングで、リジュは手の中に幾つものキノコを取り出す。
「みんな、息止めてっ!!」
「おおっ、こりゃキツい……!!」
幻覚を与える紫色をした煙が噴出し、ゼペットを取り巻く。
やがて煙が晴れた時、そこにあったのは、ゼペットと似た背格好の人形だ。
「……逃げたね……」
分かっていたことではあるが、なんとも言えない気分になりつつも、リジュ達エンドブレイカーは捕らえられていた仲間を救出にかかるのだった。
●図書館館長ヒムネリア
幾重にも積み上げられた書物の中から現れた登場人物の姿を取るイマージュたち。
それらを率いるのは、図書館館長ヒムネリアだった。
「全く、私の静かな読書の時間を、邪魔しないで欲しいものですね」
本の中から現れた登場人物達が、ヒムネリアに従いエンドブレイカー達へと襲い掛かる。
スピリット等の召喚と同じで、それ自体がアビリティなのだろう。
「本が大事なら、図書館に引っ込んでいれば良かったじゃないか!」
大志を抱く少年・リスタ(c23847)は、バトルガントレットをマスカレイド達に叩き付けてそう吠えた。
人間がマスカレイドと化すのに理由は無い。
棘(ソーン)はエンドブレイカーでないものを見境なく侵し、マスカレイドへと変化させるものだからだ。
「本さえあれば、もはや人間などいらないのですよ」
「その本を書いてるのだって人間だろ!」
多数の攻撃を受け、リスタの体が地に染まるが、それでもかまわずに彼はヒムネリアの体を掴みあげる。
「終われ!」
轟音と共に撃ち出された鉄杭が、ヒムネリアの体を貫く。
そしてヒムネリアの体が紙片となってばらけていくのを、リスタは見た。
「敵の指揮官を討ち取ったぜ!!」
リスタの声を聞き届けたエンドブレイカー達の歓声が、アカデミック街に響き渡った。
●旋風手斧のゼッガー
「一当てしたら撤退って指示だったってのによ……!!」
旋風手斧・ゼッガーの率いるマスカレイドの軍団は、岩山の側に布陣していた。
どうやら空飛ぶ巨獣を使い、撤退するつもりであったらしい。
「エンドブレイカーにも分かってるだろうに、何考えてやがるんだかねぇ」
何を考えているのか。
その答えを、フレジリングヘザー・クロシェット(c01679)は一言でいう。
「マスカレイドは逃がさん☆」
ゼッガーの軍勢を討つべく集まったエンドブレイカーの数は、捕虜を捕らえているゼペットや後に残すと面倒なズィーゲに次いで多い。
その多勢をもって、エンドブレイカー達はガンダッタ・アックス配下のマスカレイドの軍勢をうちやぶっていった。
「なんてこったい……!」
その称号の通り、手斧を旋風の如く振り回すゼッガー。
彼が率いるガンダッタ配下の軍勢の力は、強く、戦いは自然、激戦となっていた。
だが、銃声が響き渡ると共に、ゼッガーの体がぐらりと揺れる。
クロシェットの放った弾丸が、ゼッガーを貫いたのだ。
「まだまだ……!」
他のエンドブレイカー達の続けざまの攻撃をしのがんとしたゼッガーに、クロシェットは跳躍からの首筋を狙った一撃を叩き込む。
「やってくれるぜ……おやっさんの言う通りだ、こいつら準備無しに勝てる相手じゃねぇな」
「ガンダッタ・アックスか」
「ああ。おやっさんなら、テメェらのド肝を抜いてくれるだろうぜ……まあ精々頑張んな」
そういって倒れ伏すゼッガーを、クロシェットは静かに見下ろす。
「ゼッガーの兄貴がやられた……!!」
「やっぱり準備不足だったんだよぅ!」
ゼッガーの敗北と共に悲鳴のような声が上がり、ガンダッタ・アックス配下のマスカレイド達を相手にした激戦はエンドブレイカー側の勝利に終わる。
やがてゼッガー軍団の残存兵達は、空飛ぶ巨獣に乗ってランスブルグから一目散に逃げ出していった。
●黒鉄兵団諜報長アルマルク
若草の乙女アリッサムの留守を預かっていた新生黒鉄兵団は、エンドブレイカー達によって良いようにやられていたと言っていい状態だった。
第二階層と第三階層の間の階段の防衛を固め、エンドブレイカー達の「エンディングを見る能力」を封じたところまでは良かったのだが、その後がよろしくない。
三日月湖の戦いではアニール軍の横槍もあって二将を失い、その後の鉄壁街への奇襲も防ぐことが出来ずにいたのだ。
それを己の諜報能力の不足によるものと屈辱に燃えるアルマルクは、勇者マギラント軍の前衛として志願し、エンドブレイカー達との戦いに臨んでいた。
そして、エンドブレイカー達は今、そのアルマルクを当然のように追いつめつつあった。
前衛として現れたマスカレイドに、勝つ目はもはやない。
「同じ諜報員でも、忍者達ほど強いじゃなさそうだね」
快足ジェット・クレス(c03636)が蹴り出した紅色のエネルギー球が、アルマルクの部下を吹き飛ばす。霊峰天舞アマツカグラを完全支配した者達と、山斬烈槍ランスブルグの完全支配を成し遂げられなかった者達の差とでも言うべきか。
アルマルクは≪屋根裏の秘密基地≫のエンドブレイカー達を前に、苦し紛れに言葉を放つ。
「私の相手をしている場合か? 処刑場に行かなくていいのか? 今頃、貴様らの仲間は老ゼペットに処刑されているかも知れんぞ?」
「そいつは心配するだけ無駄だね。今頃、他の人達が、囚われた人達を助けてるからさ!」
エンドブレイカー達への信頼を籠めた言葉と共に、放たれる紅蓮烈球。
顔にぶちあたったエネルギー球がアルマルクの仮面を打ち砕いた時、この戦場の戦いの趨勢は決したのだった。
●火那大僧正ガイボン
「なんということでおじゃるか。アマツカグラを追われた末に、こんなまで連れて来られて……」
アマツカグラでは『鬼』、他の都市国家ではオーガと呼ばれるバルバ達。
それを率いる将鬼の中でもひときわ知能を発達させたのが、火那大僧正ガイボンである。
バルバとしては異常ともいえるほどの知性を持つ彼は、生き汚いことでも超一流だ。
そうでなければ、わざわざ勇者マギラントにすがったりしなかっただろう。
「こんな異国の地で死ぬわけにはいかんでおじゃる!! そうでおじゃる、鬼畜メガネから狂王アニール辺りの勢力に乗り換えればいいでおじゃるか」
「いい加減に往生際が悪いですよ」
鬼の軍勢を破りながら、ガイボンの元に辿り着いたエンドブレイカー達。
自らエンドブレイカーと対峙することを余儀なくされたガイボンは、鬼達へと矢継ぎ早に命令を下す。
「い、行くでごじゃるよ皆の者! 今こそ鬼の力を見せる時でおじゃる!」
「格好をつけるには、少々遅過ぎましたね」
これまでにガイボンの醜態を見て来た鬼達の士気は、全くもって高いとは言えない状態だった。
シュンファのヒュプノスもまた次々と鬼達を眠らせ、二度と目覚めぬ眠りへと誘っていく。
「ひ、ひぃ……!!」
怯えを露わにしつつ、それでも攻撃を繰り出してエンドブレイカー達を退け、撤退を試みるガイボンだが、その逃げ道は最初から無かった。
「あ、あの鬼畜メガネ、麿を逃げ道のない場所に配置したのでごじゃるか!?」
「つくづく運が無いですね」
「あっ」
追いついたシュンファのヒュプノスが、ガイボンの頭に飛びついた。
羊毛に包まれたガイボンが、横倒しになって昏倒する。
「……一度は霊峰天舞アマツカグラの実権を握ったマスカレイドがこれですか……。あっけないものですね」
かくして、火那大僧正ガイボンはついに討ち取られたのである。
●巨獣殺しのズィーゲ
「おめらが、エンドブレイカーだか?」
戦場に立つのは、温和な表情の巨漢の男。
だが、その男から放たれるのは強烈な威圧感。
「えぇ、私の名前はアゼリア。私達はエンドブレイカーで間違いありませんよ」
その男の問いに、闇抱く星奏・アゼリア(c01813)は穏やかに微笑んで一礼して答えた。
そして、このアゼリアの返答が戦闘開始の合図となったのだった。
「ググォォォ。風よ大地よ炎よ水よ光よ闇よ、おらに力をわかてくれろっ!」
巨漢の男が唸り声と共に両手を天にかざすと、その背から、禍々しい六枚の翼が現れる。
「おめらは、残念だな。おめらがおらに勝つためには、おらが『六翼天武究極闇闘形態』になる前にたおす必要があっただがよ」
巨獣殺しのズィーゲは得意そうにガハハと笑った。
その禍々しい翼は、それぞれ、風、大地、炎、水、光、闇の六属性をまとっているらしいが、アゼリアには、その見分けがつかなかった。というか、そんな属性は翼に宿ってはいなかった。
アゼリアは穏やかな微笑を崩さずに、ズィーゲに話しかける。
「あなた様の朴訥な話しぶりは好感が持てると思います。日々を精一杯いきている地に足をつけた農民の心を感じるからです。ですが、その取ってつけたような技名は、少し似合わないでしょう」
と、それは、ある意味素直な感想であった。
だが、そのアゼリアの言葉にズィーゲは怒りをあらわにして、体を震わせたのだ。
みるみるうちにズィーゲの闘気が高まっていく……。
「おめ、いってはならんことを。おめもおらを田舎の農民と馬鹿にするでか。おらは生まれ変わっただ、おらは『骸殻荒野ガルシェン』の蛮族戦士だでよ!」
ズィーゲは六翼を震わせて、周囲のエンドブレイカーに打ち掛かる。
性格や口調は残念だが、戦場のズィーゲは巨獣すら倒す無双の戦士。
その力は、並みのエンドブレイカーでは敵わない。
だが、それは、一対一であった場合である。
「あなたは確かにお強いです。巨獣すらも倒せるでしょう、ですが、巨獣を倒せるからといって、私達エンドブレイカーが倒せるとは……思わないでいただけますか?」
アゼリアの言葉の通り、エンドブレイカーの連携と猛攻の前にズィーゲは、徐々に押し込まれ、そしてついに、アゼリアのレギオスブレイドが、ズィーゲを捕えたのだ。
「鮫剣……からの、必殺の黒霊剣っ!」
アゼリアが虚無から召喚した邪剣の群れが、ズィーゲの巨躯を切り裂き、六翼のすべてを切り落とす。
まさに必殺の黒霊剣が、巨獣殺しのズィーゲの命脈を断ち切った瞬間であった。
「かっこえー。おらも、おめみたいにかっこよかったら……こんな……」
致命傷を受けたズィーゲは、戦場に伏し命が失われる最後の瞬間、憧憬の瞳でアゼリアを見上げたのだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
図書館館長ヒムネリア | 256 | 9勝2敗 勝利! | 1368⇒0 |
旋風手斧のゼッガー | 392 | 12勝5敗 勝利! | 【逃走】2614⇒0 |
椛の紅葉ジューマ | 192 | 0勝8敗 敗北 | 2196⇒1814 |
黒鉄兵団諜報長アルマルク | 173 | 7勝1敗 勝利! | 988⇒0 |
火那大僧正ガイボン | 215 | 4勝0敗 完勝! | 867⇒0 |
忍軍若棟梁コゲンタ | 121 | 0勝16敗 敗北 | 【拒絶体】1898⇒1606 |
白の鳥姫シャラン | 147 | 0勝6敗 敗北 | 1153⇒774 |
花売り少女ヤーユ | 167 | 5勝4敗 敗北 | 1196⇒334 |
秘蹟の吟遊詩人チィゼッタ | 172 | 1勝7敗 敗北 | 1769⇒1154 |
巨獣殺しのズィーゲ | 423 | 10勝0敗 完勝! | 【逆上】2175⇒0 |
奇術師・老ゼペット | 649 | 19勝0敗 完勝! | 【離脱】【捕虜】3402⇒0 |
盾の奴隷王ディーダス | 173 | 0勝11敗 敗北 | 【ウォール】1977⇒1642 |
ブレイクゲージ残量(第2ターン終了時点) |
---|
81691−1814−1606−774−334−1154−1642=74367 |