<三勇者決戦 第5ターン結果>
第5ターンの開始状況
●狂王アニール今からおよそ500年前、ランスブルグを支配した狂王アニールは、ランスブルグ史上最恐最悪の暴政を敷いた。
ランスブルグの人口を半減させたとも言われるアニールの暴政を終わらせたのが勇騎士ジョナ。
現在のランスブルグの女王、ジョナ1世の先祖だ。
狂王アニールは第3階層の放棄領域に存在する『黎明の大風穴』での勇騎士ジョナとの最後の決戦において、隻眼となりながらも怪物と化して暴れ回ったという。
歴史上の人物と化してなお、ランスブルグで恐れられる王。
それが、狂王アニールであった。
虐殺寵姫リンムレットの陣を破り、アニールが陣を敷く闘技場へと攻め入ったエンドブレイカー達は、貴賓席に座す男の姿にすぐに気付くこととなった。
「いたわね、狂王アニール……
青い瞳で自分を見上げる蒼氷の瞳・アリーセ(c34080)の存在に、アニールは眼下を見下ろす。
「勇者どもめ。まんまと私を囮として使うことに成功したというわけだ」
忌々しげに言ったアニールの顔に、エンドブレイカー達は『カトブレパスマスク』と呼ばれる特殊な仮面を見る。
かつてランスブルグ建国の際に若草の乙女アリッサムによって封印され、数年前に蘇り、この地のエンドブレイカーによって完全に滅ぼされた魔獣カトブレパス。
だが、若草の乙女アリッサムによって、アンデッドマスカレイドと化した狂王アニールの顔には、かつてランスブルグを襲った魔獣カトブレパスの力を受けたことを示す、特殊な仮面が備えられている。
「伝承の通りなら、滅びる前のカトブレパスの力を受けていたということのようね」
「だからどうしたというのだ? 私の力が強いということを示すだけだ」
「そうかしら? カトブレパスも倒されたそうよ。それに、私は関所でお前の儀式を破った一人。……今日、ここでお前を終わらせるわ」
アリーセの言葉に、アニールは苦々しげな表情を作った。
あの儀式が成立していれば、今頃アニール達は「内側から関所を攻撃する」ことで、凄まじい効率で第二階層の住人を自らの手勢に加えていただろう。
「あの女共を殺せ!」
「やれるものならやってみなさい!」
襲い掛かるアンデッドの群れ、その濁流のような勢いに押しつぶされることなく、エンドブレイカー達はアニールへの道を切り拓いていく。
「勇者! エンドブレイカー! ジョナ! 全て、全て不要! 我がランスブルグの王として、再び力を示さん!」
自分が追い詰められつつあることを理解しながらも、アニールは傲然とした態度を崩さない。
もはやランスブルグにおいて伝説の存在となっているアニールは、その伝説に人々が抱く恐れを棘(ソーン)として身にまとう。
だが、人々を襲い、新たな恐怖を振りまかんとしたアニールの軍勢は、エンドブレイカー達によって悉く打ち破られていた。
「王は一人で充分……! お前の時代は、とうの昔に終わっている!」
アイスレイピアの刃に手のひらを滑らせる。
薄く切り裂かれた掌から溢れ出した血液が、無数の猟犬へと変化していった。
血の猟犬達はアンデッドの群れを食い破り、狂王アニールへと襲い掛かっていく。
「お、のれ、エンド、ブレイカー……」
首筋に噛み付いた猟犬の牙が、アニールの言葉を終わらせる。
それはランスブルグを建国の時から脅かし続けた魔獣カトブレパスの、最後の残滓が消え去った瞬間であったのかも知れない。
●勇者マギラント
コピーと本物の真贋を見切り、本体を突き止めたエンドブレイカー達。
だが、そこから彼らは勇者との戦いの本当の厳しさを知ることとなった。
僅か400人で大魔女の軍勢に立ち向かった古の勇者達。
その実力をマスカレイドと化したことで強化されたマギラントの力は、エンドブレイカー達がこれまでに戦ったことのあるいかなる敵をも上回っていた。
「あいつマスターメイガス必要あるのか!?」
「というか、明らかにマスターメイガスより強いぞ……」
それも当然だろう。マスカレイドと化した巨大メイガスを配下としていたマギラントが、それよりも弱いわけがない。
エンドブレイカー達の中にマギラントを甘く見ていた者などおらず、それでもなおマギラント攻撃が放たれるたびに、倒れる者が増えていく。だが、力を見せつけられてなお挫けるようなことがないのは、終焉を打ち砕く者、エンドブレイカー達の気質によるところが大きかっただろう。
「これ以上失態を重ねる前に退場した方がいいんじゃないです?」
「ご忠言、ありがたく承りますよ」
マギラント軍の攻撃に傷つきながらも、虚骨・ナイ(c10070)は凄絶な笑みを浮かべる。
魔術を放ち続けるマギラント、その強固な魔法防御を、ナイをはじめとしたエンドブレイカー達は少しずつ打ち破っていく。
マギラントの放った魔法の直撃が、ナイを貫き、喉の奥に血が溢れるのを彼女は感じた。
炎に毒に体の痺れ。
総身に傷を受けてなお、ナイはハンマーを杖替わりに諦めることなくマギラントを睨みつけた。
「黄泉路の入り口まで、ナイ、ご案内しますよ……ですから一手、存分に遊びましょ」
既に差し違える覚悟すら固めた彼女の覚悟を受け止めるように、マギラントもまた渾身の力で魔術を編み、そして放ってくる。
「まだ、まだまだ……!」
ナイの声と共に、星霊ヒュプノスが傷ついたマギラントへと飛びかかる。
強烈な睡魔がマギラントの精神を覆い尽くし、そしてついにマギラントの体が崩れ落ちた。
その体を取巻いていた強大な棘(ソーン)が薄れ、マギラントの顔から仮面が消える。
エンドブレイカー達が勝利を確信した、その刹那。
ナイは、自分とマギラントとの間に見えざる紐帯が生まれたのを感じていた。
その紐帯を通じ、強大な力を秘めた何かが、エンドブレイカーの魂へと入り込もうとする。
希望を感じさせるような、魅惑するような……
(「これが、『鍵』……?」)
ならば大魔女スリーピング・ビューティの城に行くためには、これを受け止めるべきなのか。
エンドブレイカーがそう考えた瞬間だった。
声を上げたのは、倒れかけていたマギラントだった。
「『それ』を受け入れてはいけません!!」
反射的に、ナイは恐ろしい悪寒を感じ、自分の魂に入り込もうとしていた『何か』を外へと追い払う。
マギラントとナイ以外の誰も、今のやり取りを理解できなかっただろう。
だが、その直後に生じた異変は、ランスブルグにいた全てのエンドブレイカーにも理解できるものであった。
「あれは!?」
救護施設に運び込まれていたエンドブレイカー達が空を見上げて驚愕の声を上げるのを、女王軍の兵士達が不思議そうに見る。
夕暮れに染まる空に、巨大な物体が現れる。
それは、シャンデリアのようにも見える物体だった。
『七勇者の伝説』と共に伝わるステンドグラスに、シャンデリアが描かれていたのを思い出した者はどれだけいたか。
「……ギガンティア……!?」
ナイはマギラントに視線を向けた。
「あんなものを魂に宿してたら……」
鍵の所有権を得て、棘(ソーン)の残滓たるギガンティアを魂に宿したならば、それは自分の内側にマスカレイド化の原因を抱え込むようなものだ。
大魔女の城に挑んだ六人がマスカレイド化することは、大魔女スリーピング・ビューティの能力無しでも必然だった。
「『鍵』の存在すらも大魔女スリーピング・ビューティの策略……」
「……そういうことですね」
もはや命を尽きさせようとしている東方賢者は倒れたままに、エンドブレイカーの言葉が正しいと認める。
本来ならば、わざわざ『鍵』など用意する必要はない。
鍵の所有権を得られるような強者を確実にマスカレイド化させる。
それこそが、『鍵』の存在意義なのだろう。
自身のマスカレイド化というエンディングを拒める、エンドブレイカーでない限り、それを逃れることはできない。
おそらくは『鍵』のシステムを作り出した張本人しか、この事実を知ることは無かっただろう。
「ふざけた策……!!」
卑劣極まりない策略に眉を寄せたナイは、マギラントの唇が動くのに気付いた。
仮面が外れたマギラントは、砕けた眼鏡の向こうで目を細める。
「棘(ソーン)を受け付けない、あなた達であれば……あのギガンティアを攻略することで『鍵』の……大魔女の城へ至るための力を得ることができるでしょう。
挑む意志があれば、『所有者』たるエンドブレイカーの皆さんを、『鍵』は受け入れざるをえないはずです……」
これまでの遥かな年月を、あの鍵を魂に宿して過ごして来たマギラントの言葉にナイは頷いた。
「黄泉路には一緒に行ってあげられないかな」
差し違える覚悟だったというナイに、
「あなた達が私を倒した……私にとっても、これほど嬉しいことはない。私と我が師ルーマの作戦は、間違っていなかった……!!」
弱々しいマギラントの言葉は、隠し切れないほどの喜びに満ちていた。
大魔女スリーピング・ビューティ打倒のために自らを捨て駒とした勇者は、そっと付け加えた。
「他の五人も続けて送ってくれると助かりますね。あまり生き恥を晒させないよう……。そして、気をつけて下さい。『鍵』の出現に気付いたからには、『大空を覆うもの』が現れる……奴には手出しをしないよう……」
そう言い終えると時の流れを一身に受けたかのように、その身体は一瞬にして砂のように崩れ去っていった。
●大空を覆うもの
マギラントの死と前後して、エンドブレイカー達は空に二度目の異変を目撃していた。
巨獣たちを伴って、ランスブルグへと降下して来る巨大な存在。
それは『雲そのもの』であり、同時に『竜』でもあった。

エンドブレイカー達は直感する。
あれこそが、魔竜「大空を覆うもの!」
魔竜は若草の乙女アリッサムと砂月楼閣の姫君シャルムーン、そして、撤退して来た王虎アルギオスやカレルヴォ、ゼペットをはじめとした軍勢を乗せると、南へと去っていく。
「私達の負けだな。ランスブルグは譲ろう、エンドブレイカー」
「ですが、次こそは……」
魔竜『大空を覆うもの』の背で、アリッサムとシャルムーンは再び人類の手に完全に取り戻されたランスブルグを見下ろす。
大魔女スリーピング・ビューティの城の『鍵』を魂に宿した六人の勇者。
その最初の一人を破ったエンドブレイカー達は、遥かな時代からの大魔女スリーピング・ビューティとの戦いに向け、一歩を踏み出したのだ。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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新生黒鉄兵団長カレルヴォ | 359 | 6勝16敗 敗北 | 【ウォール】2984⇒1233 |
マギラントコピー | 107 | 0勝24敗 敗北 | 【模倣体】4684⇒4634 |
勇者マギラント | 867 | 23勝1敗 勝利! | 【模倣体】4734⇒0 |
奇術師・老ゼペット | 253 | 0勝12敗 敗北 | 2626⇒2062 |
星霊術研究学部長・ガーディーア | 105 | 0勝22敗 敗北 | 【拒絶体】2557⇒2392 |
蜃気楼のメリアンジェ | 258 | 1勝7敗 敗北 | 2272⇒1425 |
王虎アルギオス | 257 | 3勝8敗 敗北 | 2298⇒917 |
狂王アニール | 817 | 15勝1敗 勝利! | 【虐殺】4404⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第5ターン終了時点) |
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52252−1233−4634−2062−2392−1425−917=39589 |