<シャルムーンの戦い 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●蜃気楼のメリアンジェ古の四百人の勇者達を再現した『再現勇者』と呼ばれる存在は、砂月楼閣シャルムーンの戦場においても、再びその姿を現している。
「がんばってね、私の可愛い星霊さん達!」
蜃気楼のメリアンジェが率いるのは、星霊の姿をしたイマージュたちだ。
ともすれば星霊術士以外には、呼び出されたイマージュと星霊との区別がつかなくなりそうにさえなる。
シャルムーンデイにはマスカレイド化した星霊がオアシスの街を水底に沈めようと暗躍していたが、そうした棘(ソーン)の広がりにはメリアンジェの創り出したイマージュが関与していたのかもしれない。
『蜃気楼』の称号のように、実体を持たない存在だったイマージュ達も、棘(ソーン)の影響でマスカレイド化すると、エンドブレイカー達へと飛び掛かって来ていた。
「どうやってるんだとか、メリアンジェの素性だとか、そういうのには興味が無い。だが……」
宵待月・キサ(c01964)は、迫り来るイマージュたちと、その向こうに立つメリアンジェを睨みつけた。
「星霊を愚弄するな――!」
怒号と共に、背にデモンの翼が翻る。
迸る光線が、呼び出されたイマージュたちを一瞬にして貫き、メリアンジェへと迫る。
「きゃぁっ!! ひ、ひどいじゃない!!」
「報いと思え」
キサのデモンウイングが、再び強い光を放つ。
一瞬の閃光の後、後に残るのは倒れたメリアンジェの配下たちだ。
メリアンジェ本人やイマージュたちは、倒されると同時に消滅していた。
「まさに蜃気楼だな」
キサはそう呟いて、残る敵を掃討にかかった。
●海神殺しのダルグロス
勇者シャルムーンの城郭の周囲を十重二十重に守るのは、かつて勇者シャルムーンに求婚したという4人の勇者達だ。
そのうちの一人を倒したエンドブレイカー達の前に、二番手として立ち塞がったのは、海神殺しのダルグロス。
「ここは通させん!」
勇者達の中でも五指に入る偉丈夫であったというダルグロスの手にするハンマーもまた、その身の丈に合わせた大きなサイズのものだ。
エンドブレイカー達を叩き潰すべく振り下ろされて来るハンマーが衝撃を迸らせ、エンドブレイカーはその衝撃に耐えんと武器を地面に突き刺した。
エンドブレイカー達の反撃に繰り出した武器をハンマーの柄で受け止め、ダルグロスは線を引くように大きくハンマーをー一振りする。
「私の槌に叩き潰されたい者から、かかって来い!」
四百の勇者達を苦しめたニニギアメツチとの戦いで奮戦したというダルグロスは、かつての求婚相手であるシャルムーンを守る壁としてエンドブレイカー達の前に立ち塞がる。
「だが、ここで退くわけにはいかんな……!」
浸食する光・ランギッシュ(c30590)は、≪忘却の聖堂≫Passifloraの仲間達と共に、ダルグロスを打ち崩すと決めた。
「守るのだ、皆の者!」
ダルグロスの指揮を受けてマスカレイドの兵士達がエンドブレイカー達へと矢の雨を降らす中、ランギッシュの放った巨大な裁きの車輪がその陣を打ち破り、ダルグロスへと襲い掛かる。
「ええい、ちょこまかと!!」
矢継ぎ早に転がって来る裁きの車輪を、打ち砕き続けるダルグロス。
だが、彼が釘付けにされている、その間にも他のエンドブレイカー達の攻撃は、ダルグロスの兵力を削り取っていく。
「ええい、共に姫の壁たらんと志そうと、ついて来れる者がいないか……」
「志なら、こちらにもあるのでね」
さらに勢いを増した裁きの車輪が、ダルグロスの守りを突破する。
こじ開けた突破口から次々と裁きの車輪がダルグロスの身体へとぶち当たり、その長身を地に伏せさせる。
「くっ……またしても、姫を最後まで守り切ることはできぬか……!!」
悔しげに言い、ダルグロスの存在は消滅していった。
●紅蓮の猛虎ガイザーグ
「待ちかねたぜ、エンドブレイカー! 貴様らを倒し、その首を婚礼の儀式の飾りにしてやろう!」
紅蓮の猛虎ガイザーグはターバンを巻いた顔に、野性味を漂わせた笑みを浮かべてエンドブレイカー達を待ち受けていた。
ガイザーグが傲然と吠えると共に、その全身が虎を思わせる黄色と黒の二色の毛皮で覆われる。
「魔獣戦士……いや、マスカレイド化か?」
「両方だ! 往くぞ!!」
その呼び名の示すように、虎の如き姿となったガイザーグは、エンドブレイカー達の只中へと突入した。
「さあ潔く俺の爪に掛かれ!」
虎の口から聞き取り辛い叫びが上がり、ガイザーグは爪牙をエンドブレイカー達に突き立てる。
激しく舞い飛ぶ血潮がエンドブレイカー達を傷つけ、虎の毛皮が赤く染まる。
「フハハハハハハ! 紅蓮の猛虎の名は伊達ではないぞ!!」
「流石に骸殻荒野ガルシェンの部族の力というわけか。現代のガルシェンはどうなっとるんじゃろうな」
無窮の業火・グリム(c02811)の呟きを聞きとがめたか、ガイザーグはその虎顔をしかめた。
「フン……! あの化け物どものことか。俺達が旅立って数千年を経たとはいえ……今のガルシェンの連中が、俺達の末裔だなどとは認めるものかよ!」
「???」
何やら琴線に触れるものがあったらしい。咄嗟に他のエンドブレイカー達がグリムとガイザーグの間を遮ると、ガイザーグはさらに荒れ狂い始める。
「なんじゃ怒りっぽい奴じゃな。まあ、せっかくじゃ、もっと赤くしてやるとするかのう」
グリムの両手首から赤い血が流れ落ちる。
流れ落ちた血は地面に落ちると共に血塊となり、一つの姿を取る。
デモンの力を受け、グリムの血を原材料として生れ出るのは、無数の猟犬だ。
「我が部族の誇りにかけて、死ぬがいい!!」
「させんよ!」
回り込んだ無数の猟犬が、一斉にガイザーグへと飛び掛かった。
一匹目を蹴り潰し、二匹目を爪で切り裂き、三匹目を再び斬り裂こうとしてガイザーグは血の塊となった猟犬に足を封じられて転倒。
動きを封じられたガイザーグの姿は、血の猟犬達によって朱に染まっていた。
これまでのような返り血ではなく、彼自身の血で、だ。
「ガルシェン……のう?」
ガイザーグが動きを止めると共に、周囲の軍勢も崩壊する。グリムはガイザーグが残した言葉に首を傾げるのだった。
●原初のディミヤーナ
「私の巣へようこそ、エンドブレイカーの皆さん」
戦場に足を踏み入れたアルペジオ・ナテリアーナ(c13526)達に、原初のディミヤーナは、艶然と微笑んだ。
「大魔女が定めた理を歪め、マスカレイドに滅びを与えるエンドブレイカーの力、私が見定めてあげましょう」
この原初のディミヤーナの言葉を合図に、ディミヤーナの巣での戦闘が始まった。
攻め寄せるエンドブレイカーと迎え撃つディミヤーナ。
その戦いは、一進一退ではあったが、少しづつエンドブレイカーは劣勢に追い込まれていった。
この強さこそが『弱肉強食』を生き延びてきた者の強さであろうか……。
ナテリアーナは、そう感じはしたが、その考えをすぐに否定した。
「私は、弱肉強食と言うのはあまり好きではありません。弱いから群れを成すのは、きっと正しいことだと思うのです」
その言葉の通り、彼女は、劣勢な戦場の中、仲間達と助けあいながら、戦場の中心にいる原初のディミヤーナの元へと到達したのだった。
ディミヤーナ達は、群れを作る習性が無い。そこを突く事ができれば、劣勢をひっくり返す事ができると彼女は見抜いていた。
だが、そのナテリアーナの前に、この戦場の強者の頂点であろうディミヤーナが立ちふさがり、ナテリアーアナの言葉を真っ向から否定した。
「弱肉強食のどこが悪いのかしら? 私達ディミヤーナはね、より強い個体になるために生み出された。より強くより強く、それこそが私に望まれた希望なのですよ」
原初のディミヤーナの言葉には、強い誇りのようなものが感じられた。
だが、ナテリアーナも引きはしない。
「あなたと議論するつもりはありません。強い立場の者の傍若無人は嫌いなだけですから」
そう宣言すると、シャルムンディのお返しとしてプレゼントされた二張の竪琴を構え、かき鳴らした。
そして、彼女が竪琴が鳴らすと共に解き放たれた、魔曲の幻獣は地面を疾駆してディミヤーナの懐に入ると鋭い回転とともに攻撃を乱れ打ち、そのままディヤーナの腹部を貫き、空中を駆け抜けた……。
それは、強者である筈の原初のディミヤーナさえも圧倒する攻撃であり、さしもの原初のディミヤーナもこの攻撃を耐え切る事はできないと悟ったのか、抵抗するのをやめたのだった。
だが、さいごまで目を逸らすことはなかった。
「これが、大魔女を滅ぼしうるエンドブレイカーの力……。確かに見定めさせてもらっ……」
そう言い残してマスカレイドの仮面と共に消滅する原初のディミヤーナに、ナテリアーナは一瞥をくれると、背を向けた。
次の戦場に向かうために。
●大奇術人形改
「あんなものまで回収して来ていたんですね」
傷がついているが、おそらくランスブルグで使われていたのと同一だろうと、紅月の舞人・サザ(c06931) は見当を付ける。
山斬烈槍ランスブルグでの戦いにおいて、奇術師・老ゼペットが身代わりとして使っていた大奇術人形。あの時点では単なる身代わり同然のものだったはずだが、どうやらいつの間にかマスカレイド化したらしい。
三勇者決戦からの時間やゼペットとの関連性を考えれば、マスカレイド化してもおかしくないだろうが。
「老ゼペットを斃さない限り、また同じようなものが出てきかねませんね」
『サアサア、タノシイまじっくノジカンダヨ!!』
ゼペットを真似るように、おどけた調子で言いながら、大奇術人形は道化めいた仕草でエンドブレイカー達へと接近して来る。
軽くステップを踏みながらとはいえ、人間よりも上背のある大奇術人形。
その速度は速く、エンドブレイカーとの距離を瞬く間に詰めて来る。
「とにかく、まずはこの敵を倒さないと!」
サザの爪弾く竪琴から、壮絶な不協和音が鳴り響き始める。
調子を狂わされた大奇術人形は、ぐるりと首を回してサザを見た。
『まじっくノジャマヲシチャイケナイヨ!!』
大奇術人形の体内から、ファンファーレと共に刃が現れる。
剣呑な輝きを見つめながら、サザは落ち着いて竪琴を弾く勢いをただ強めた。
不協和音がさらに強まり、大奇術人形の手に震えが走る。
『アギギギギギギギ』
やがて震えは全身に至り、突進して来た大奇術人形は、その勢いのまま近くにあった建物の壁へと突っ込んだ。サザが確かめるように大奇術人形を見る。老ゼペットの創り出した人形は、そのまま起き上がろうとしながら、大奇術人形はその体をひきつったように震わせるのみの存在となっていた。
「マジックって人を幸せにするものだと思いますよ」
だから、ゼペットがやっているのは奇術ではないのだ。
サザはそう考えながら、ゼペットのいる方角を見つめる。
その方角では、エンドブレイカー達を迎え撃つべく、新たな『人形』が動き出そうとしていた。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
蜃気楼のメリアンジェ | 324 | 6勝0敗 完勝! | 502⇒0 |
海神殺しのダルグロス | 490 | 9勝0敗 完勝! | 【ガード】1450⇒0 |
紅蓮の猛虎ガイザーグ | 486 | 9勝0敗 完勝! | 【ガード】1450⇒0 |
原初のディノシャン | 385 | 3勝10敗 敗北 | 【原初のピュアリィ】1375⇒559 |
原初のキャンサルド | 438 | 3勝8敗 敗北 | 【原初のピュアリィ】1512⇒446 |
原初のディミヤーナ | 434 | 5勝8敗 勝利! | 【原初のピュアリィ】1663⇒538 |
大奇術人形改 | 446 | 8勝0敗 完勝! | 【ウォール】1023⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第3ターン終了時点) |
---|
45820−559−446−538=44277 |