<シャルムーンの戦い 第4ターン結果>
第4ターンの開始状況
●緑影の呪詛士キーザルニア砂月楼閣の姫君シャルムーンの座す城を守る四人の勇者達。
その最後の一人である緑影の呪詛士キーザルニアは、無垢なる漣・ナナミ(c34823)達を前に仮面の向こうで小さく溜息をついた。
「またしても、私が最後に残ることになりましたか。ですが、この命尽きるまで姫は私が守り抜きましょう」
そうキーザルニアが告げた瞬間、強烈な悪寒がナナミの背を這い上がった。
キーザルニアや部下達の呪詛が、エンドブレイカー達の戦意を奪い去らんとする。
「冗談じゃないわ!」
その悪寒を振り払うように、ナナミは空中に紋章を描いていく。
「こういう時は目には目を、よね」
呪いに対抗するには、やはり呪いか。
紋章が示すのは、嘲笑を浮かべた王の姿だ。
「狂王アニールの紋章!!」
試練場の幻影が呪いの力をマスカレイド達に叩き付け、エンドブレイカー達へ呪力を送っていた術者達が何人も倒れる。
「今よ!」
ナナミの号令に、他のエンドブレイカー達も一斉に距離を詰めた。
接近戦を挑んで来るエンドブレイカーに対し、キーザルニアは素早く呪文を唱え、次々と呪詛を解放する。
これ以上に呪詛による汚染を広げられてはたまったものではない。
マスカレイドの仮面に覆われたキーザルニアの顔が、エンドブレイカー達の方を向く。
近くにあった障害物を蹴り飛ばしてキーザルニアの視界を遮ったエンドブレイカーは、再び先程よりも大きく紋章を描き出す。
狂王の交渉は強烈な呪いとなって、キーザルニアの精神を蝕んでいく。
「私の呪いが、敗れるとは……」
消滅していくキーザルニアの顔からマスカレイドの仮面が剥がれ落ちるように消え去った。
女性の様な美しい顔立ちが一瞬露わになり、その姿も直後に消滅する。
「これで、勇者シャルムーンのところに攻め込む準備は整ったね」
ナナミは呟いて城門を見つめる。
エンドブレイカーと砂月楼閣の姫君シャルムーンの、直接対決の時が訪れようとしていた。
●原初のディノシャン
「左翼戦線が薄い、呼び兵力を投入して持たせろっ! 王国の興廃この一戦にあり。戦え戦え戦うのだっ!」
原初のディノシャンの戦場は、他の原初のピュアリィとの戦いと違い、ごくまっとうな戦いとなっていた。
だが、それは、原初のピュアリィとしての性癖を持っていないというわけでは無いようだ。
それは、
「戦場での繁殖は軍規に照らして厳罰に処すっ! 敵前繁殖は例外なく死刑だっ!」
この指揮官の号令を聞けば理解できるだろう。
敵前繁殖という単語は、もしかしたら、はじめて聞くかもしれない。
「軍勢として充分に機能している。集団戦を戦い慣れている。決して油断できる敵では無い。がしかし、戦いにくいということは無い」
嶺渡の狩人・ルファ(c06436)は、淡々と戦況を分析する。
すでに原初のディノシャンの軍勢は半壊状態であり、撃破は決して難しくないだろう。
それでも必死のディノシャンの抵抗に、戦いは一進一退の攻防となるが、だが、地力で勝るエンドブレイカーに徐々に天秤が傾いていく。
「不甲斐ない部下どもめ。絶対強者となるべく定められた我らが、こうまで追い込まれるとは……」
指揮官である原初のディノシャンは、自分を追い詰めたエンドブレイカーを睨みつけていた。
「絶対強者となるべき定められた? それは誰に? 神それとも悪魔?」
ルファの問いかけに、原初のディノシャンは胸を反らして誇り高く言い放つ。
「我らが種族を生み出した母様に決っている。我らが母こそ、本物の魔女なのだからなっ!」
そして、その言葉と同時に原初のディノシャンは、全身全霊の力を込めて、ルファに向かって槍を突き出そうとする。
原初のディノシャンにとって、戦いとはどちらかが滅びるまで続くもの。
つまり、どんなに劣勢であろうとも、自分が生きている間は、戦いは終わらないのだ。
「この私がお前たち全員を殺せば、帳尻は合う。絶対強者に敗北は無いっ!」
だが、その裂帛の気合も、今となっては意味など無い。
「特別恨みはないけど、向かってくるなら倒すのみ」
ルファは、直線的に切り込んでくる原初のディノシャンを細糸を巧みに操る事でがんじがらめにして、容赦なく締め付けてみせたのだ。
原初のディノシャンは強烈な締め付けに苦しみ悶えながら死に、その死体は消滅して消え果てていく……。
「やはり、ディノはスピリットに限る」
ルファは、残念そうにそう言うと、戦場を後にしたのだった。
●ガンダッタ不完全体
「あれは……ゴルバックか!?」
久遠なる焔・エアリィ(c05109)は一瞬、目を疑った。ラッドシティの監獄に収監されていた、『伝説の大海賊』と言われていた存在、ゴルバック。それが、砂丘の街を暴れ回っている。
ゴルバックはその後の戦いで、機械と人間を混ぜたような存在であると判明していた。
海賊群島を支配していた存在の一つ、ビュレファストがゼペットに協力していたことを思えば、その伝手で入手されたのかも知れない。
「あれにガンダッタ不完全体の名が与えられているということは、ガンダッタの肉体を再現した存在か、あるいは予備……というところか」
マスカレイド化したガンダッタと、ゴルバックの体型は似ていると言えば確かに似ている。
「まあ、ガンダッタはあそこまで太っていなかったがな。……とにかく、人を襲うのを止めるぞ!!」
エアリィは≪GIFT≫の仲間達と共にガンダッタの前へと躍り出た。
片手で放った気咬弾が、ガンダッタ不完全体の顔に命中する。
小揺るぎもせずにエンドブレイカー達の方を見たガンダッタ不完全体が、力強く地面を蹴る。
そこらの鎧よりも重そうな、鉄板を張り付けた体が弾丸のように飛翔し、建物の壁を突き破る。
「ゴガガガガ! 俺ヲ! 勝手ニ! 動カスナ!!」
「老ゼペットに操作されているのか……。とはいえ、手心を加えることはできんがな」
エアリィ達エンドブレイカーの攻撃は、ガンダッタ不完全体の足元へと集中した。
人間離れした巨体を支える足を傷つけられたガンダッタの上体は次第に大きく揺れるようになり、その動きも次第に緩慢になっていく。
「精進し、前へ進め」
仲間に竜気を分け与えつつ戦っていたエアリィへと、ガンダッタ不完全体の腕が振り下ろされようとする。
だが、その動きは体に走った痺れの前に停止を余儀なくされる。
「単体で現れたところで……!」
エアリィは、再び手に竜気を集中させた。
踏込と共に撃ち出された気弾が、ガンダッタ不完全体を直撃する。
全身を覆っていた鋼板が弾け飛ぶと、一瞬ガンダッタに似た男性の姿が現れ──直後に内圧に耐えかねたかのように爆散した。
パラパラと落ちて来る歯車やネジを払いのけると、エアリィは残る敵の元へと前進していった。
●移動城塞ガイアファング
「山が動いてるようなものね、あれは」
うるわし歌と舞・サキ(c09449)は、≪喫茶店【青空亭】≫紅守護獣の仲間と共に、進軍する巨獣の群れを高台の上から見下ろしていた。
中央にいる緑蒸す山のような存在が、移動城塞ガイアファングだ。
その周囲にはメスの巨獣が集まっている。
進軍する方向には人里があり、エンドブレイカー有志によって避難が進められているとはいえ、
まだ多くの人々が残っている。
もしもエンドブレイカー達が敗北すれば、巨獣によって人々は虐殺の憂き目を見るだろう。
「ここで食い止めるわよ、いきましょう!!」
サキの言葉に応じ、エンドブレイカー達は一斉に高台から飛び降りた。
巨獣の群れの背中へと降り立ったエンドブレイカー達は、一斉に攻撃を仕掛ける。
足元にいたマウンテンタートルを瞬間的に粉砕、エンドブレイカー達の足場とすると、身軽な者達は絶命した巨獣たちの背を蹴って、次なる巨獣へと向かっていく。
『GRUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!!』
反撃を命ずるように、ガイアファングが上体を逸らした。
エンドブレイカー達はそこに、巨大な『牙』を見る。
無数の牙と、その奥の大口……。
先程までの山とも見えるような姿が、『上体を伏せていた姿』であったと気付き、エンドブレイカー達は慄然とする。
「けど、巨大なだけなら……!!」
ガイアファングの身体に取り付いたエンドブレイカー達の攻撃が、緑の巨体を揺らし始める。
それらのエンドブレイカー達を振り落して前進するガイアファングに従う巨獣たちもまた、エンドブレイカー達への攻撃を止めることは無い。
だが、エンドブレイカー達が命を落とした巨獣達をも障害物として攻撃を仕掛けていくうち、その進撃にも遅滞が生じる。
全身に炎を帯び、動きを止めたガイアファングの姿に、負傷しながらも奮戦していたサキの目が輝く。
「全てを倒すまで負けない!」
サキがポーズを決めると共に、因果律の歪みが生じた。
直後、ガイアファングの上体が上へと弾けた。
開かれた口腔の中に見えるのは紅蓮の炎。
神がかったパフォーマンスが、大爆発を呼んだのだ。
開かれた大口が轟音と共に閉ざされ、そのまま二度と開くことは無かった。
こうしてエンドブレイカー達は、老ゼペットの国外脱出手段を奪うことに成功したのだ。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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緑影の呪詛士キーザルニア | 428 | 8勝1敗 勝利! | 【ガード】1450⇒0 |
シャルムーンメイガス(未完成) | 150 | 0勝36敗 敗北 | 【遠隔操作】2495⇒2445 |
原初のディノシャン | 213 | 5勝0敗 完勝! | 【原初のピュアリィ】559⇒0 |
原初のキャンサルド | 163 | 1勝2敗 敗北 | 【原初のピュアリィ】446⇒128 |
原初のラミア | 404 | 2勝16敗 敗北 | 【原初のピュアリィ】1830⇒1065 |
ガンダッタ不完全体 | 583 | 10勝4敗 勝利! | 【虐殺】【絶望】【遠隔操作】2080⇒0 |
王虎アルギオス | 423 | 7勝9敗 敗北 | 【逃走】2298⇒1018 |
移動城塞ガイアファング | 519 | 8勝6敗 勝利! | 【虐殺】【逃走】2088⇒507 |
ブレイクゲージ残量(第4ターン終了時点) |
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44277−2445−128−1065−1018−507=39114 |