<シャルムーンの戦い 第5ターン結果>
第5ターンの開始状況
●原初のキャンサルド「また来た、また来た」
「こんなに沢山の雄が、私達の所に何度も来てくるなんて、夢のようね」
「大魔女に反抗して敗れた私達に、こんなプレゼントをくれるなんて」
「大魔女さまって、案外良い人なのかも」
「なのかも〜」
「でも、シャルムーンはダメね」
「そうそう〜」
「魔女になる素質なんててんで感じなかったもの」
「もうひとりのほうはわるくなかったね」
「アリッサムだね。うん、彼女は悪くなかった」
「応援しよう」
「そうしよう」
クールプリンス・アシェア(c31599)達が戦場に駆けつけると、キャンサルド達は、戦いに傷つきながらも嬉しそうにお喋りしながら出迎えてくれた。
楽しそうにさんざめく彼女達の会話は、その恐ろしげな容貌がなければ、ただのガールズトークであったかもしれない。
「あなた達に恨みはありませんが、マスカレイドである以上見逃すことはできません。お覚悟っ!」
アシェアは、蟲惑ガンナイフをかまえて原初のキャンサルドにその切っ先を向ける。
が、既に幾度の戦いを乗り越えた原初のキャンサルド達は動じない。
「うわっ、氷の王子様みたいっ。素敵、抱いてっ!」
「うーじゅるじゅるじゅる」
「こらこら、泡を吐かない。あら、でも女の子みたいよ」
「うわっ、クールプリンスだと思ったのに、見掛け倒しじゃん」
「とりあえず殺してから考えよう」
「さんせーっ!」
その巫山戯た言いように、アシェアの表情が引き攣った。
「誰がクールプリンスですか!?」
そして、戦いが始まった。
キャンサルドは繁殖に不利な外見特徴を持つが、それを補うだけの戦闘力を持つピュアリィであった。
その証拠に、既に2度もエンドブレイカーを撃退しているのだ。
だが、それでも、3度目も撃退されるほどエンドブレイカーは弱くは無い。
戦いはエンドブレイカーの有利に進み、あとは首魁である原初のキャンサルドを残すのみとなる。
「今だ、行け!」
遮蔽物に隠れたアシェアの攻撃が、敵の首魁たる原初のキャンサルドの甲殻を貫ぬき、そして、その勢いのまま甲殻が爆ぜてその内臓をぶちまけたのだった。
「はぎゃらじゅーっ!」
原初のキャンサルドは、意味不明の断末魔の叫びをあげて死亡し、キャンサルドとの不毛な戦いは幕を降ろした。
●原初のラミア
戦場をうめつくす大蛇の群れ。
それが、原初のラミアの戦場に立ったエンドブレイカーの印象であっただろう。
全長20mに迫るような大蛇の体を持つラミア達は、もはや巨獣の上にピュアリィが乗っているようにすら感じられる。
「なんて出鱈目なのでしょう」
原初のラミアの偉容に、蠍の魔獣戦士・ルル(c22068)は、呆れ混じりに嘆息する。
少なくとも、中心部に鎮座する、ひときわ大きなラミアは、勇者に勝るとも劣らない戦闘力を持っているのは間違いないだろう。
逆に、これほどに強力なピュアリィ達でさえ、マスカレイドにさせられてしまったという事実が、大魔女の恐ろしさなのかもしれない……。
「でも、戦って勝てない相手ではありません」
ルルの言葉に勇気づけられたかのように、エンドブレイカー達が、巨大な大蛇の棲家へと、鬨の声をあげて突入する。
エンドブレイカーと原初のラミアとの激戦の幕開けである。
長大なラミアの蛇体を駆け上り、攻撃を繰り出すエンドブレイカーと、そのエンドブレイカー達を小うるさい蝿のように振り払い押しつぶそうとするラミア達。
戦いは、熾烈を極めたが、次第にエンドブレイカーが優勢となり、ルルは、戦場の中心へと歩を進めていった。
「あなたが、今回のピュアリィ軍の元締めでしょうか? ルルが狩ったら、原初のピュアリィの事を教えてくださいね」
そう話しかけたルルに、原初のラミアは煩わしそうな表情を見せた。
「原初のピュアリィは勇者の時代より前からいたのでしょう? なら、いろいろな事知ってるはずです」
が、重ねてそう問いかけられると、破顔して頷いてみせた。
「私に勝てたのならば、話してあげましょう。でもね、かつて、カーザイスの荒野で勇者の軍勢を迎え撃ち撃退した、この私を、果たしてあなたごときが勝てると言うのかしら?」
自慢気な原初のラミアに対して、ルルは両腕の武器を振り上げる。
すぐに臨戦態勢を取る原初のラミア。
だが、ルルの武器はそれだけでは無かった。
死角になるように所持していた自慢のシールドスピアをサードアームによって、蠍の尾のように自在に振り回したのだ。
振り回されたシールドスピアは、2重の旋風を巻き起こし、その対流を利用するように、凄まじい速度で原初のラミアへと突貫し、その勢いのまま、ラミアの左胸のマスカレイドの仮面に風穴を開けてみせた。
「ルルのサイクロンドライブ、流石でしょっ!」
褒めて褒めてといわんばかりのルルに、自分が致命傷を受けたことを悟ったラミアは頷いた。
「ルルとやら、流石ですよ。約束ですから、良い話を聞かせてあげましょう。
勇者シャルムーンと、勇者アリッサムの願いは、自らが魔女となる事です。
アリッサムはその目的の為に旅立ちました。
そして、シャルムーンは、エリクシルの力を利用すべく、私達配下に足止め程度の戦力をもたせ、自軍を強化して戦いに備えています。
私達の軍勢の少なさを見て油断してはいけません。
それこそ、シャルムーンの小賢しい罠なのですから。
急ぎなさい、残された時間は、もう、すくないのです」
そこまで言うと、ルルに約束は果たしましたよとほほ笑み、そして、原初のラミアは光の粒となって消えていった。
おそらく、ラミアとシャルムーンは仲が悪く、シャルムーンの邪魔をする事は、彼女の意趣返しだったのだろう。
マスカレイドが善意からエンドブレイカーのみかたをする筈は無いのだから。
だが、ルルは敢えて消えていく原初のラミアにお礼を言ったのだった。
「ありがとうですよ。でも、できれば、あなたの名前が知りたかったな。そうしたら、もっと、きちんとお礼を言えたのに」
ラミアの話が本当であれば、シャルムーンとの戦いに猶予は無い。
ルルは、ラミアから聞いた話を皆に伝える為、戦場を後にした。
●王虎アルギオス
山斬烈槍ランスブルグの貴族の家に生まれ、他の貴族の謀略によって闘技奴隷に身を貶められながらも復讐を果たしたという闘士、王虎アルギオス。
彼は、闘技試合が盛んなランスブルグにおいて、一つの伝説とも言うべき存在だ。
だが伝説を知るならば、今の王虎アルギオスの置かれた境遇が、アルギオスにとって許容できるものでない事は分かるだろう。
若草の乙女アリッサムによってマスカレイドとして再現されたアルギオスは、砂月楼閣シャルムーンの外壁周辺の街で、エンドブレイカー達と交戦していた。
彼が率いるのは、募兵によって集められた戦士団。
砂月楼閣の姫君シャルムーンに騙されて悪行を積まされ、棘(ソーン)によってマスカレイドとされた彼らは、エンドブレイカー達と激しく打ち合っていた。
そうした戦いを突き破るように、アルギオスの拳が振るわれる。
「俺はこんなところでは死ねん!!」
豪腕一閃。
突き出されたアルギオスの拳が衝撃を伴ってエンドブレイカー達へと繰り出される。
攻撃を受け止めた者の身体が宙に浮き、建物を突き破るのをエンドブレイカー達は目撃。
アルギオスの身体は、その名が示すように虎を思わせるような黄と黒のオーラで覆われていた。
心臓の上には虎の頭を模した『仮面』が浮かび、アルギオス自身の目は赤く爛々と輝いている。
「いずれ力をつけ、技を磨き、俺を侮った全ての者に目にもの見せてやる」
アルギオスが拳を繰り出すたび、辺りの地形が変わっていく。
「だからこそ、勝つ! どんな手を使ってもな!!」
「笑えないな」
アルギオスの言葉に、我は人狼なりや・エリニス(c09631)は呟いた。
マスカレイド化によって精神まで歪められたか。
アルギオスの伝説は復讐譚に他ならない。
だが、そこに本来のアルギオスの堂々とした戦いが無ければ、今も闘技試合に挑む者が憧れを持って語るような伝説的な存在とはならなかっただろう。
荒れ狂う王虎に、エンドブレイカー達は向かい合う。
周囲にいたマスカレイド達は退けられ、残る敵はアルギオスのみ。
エンドブレイカー達の囲みを突破せんと突撃するアルギオスの全身が虎縞状のオーラに包まれ、その回転突撃は反撃を受けながらもエンドブレイカー達の肉体を削り取らんとする。
「……!!」
それでも敗北するわけにはいかないと、エリニスはアルギオスの背へと視線を留める。
「逃走に成功するというお前の終焉……俺が喰ってやる!!」
黒い爪をつけたエリニスの腕が鋭く振り抜かれる。
狼の牙の如く駆け抜けた衝撃波が、アルギオスの背中を大きく断ち割った。
再び突撃を繰り出そうとしたアルギオスの全身の傷口が開き、全身の力が一気に抜ける様子がエンドブレイカー達の目に映る。
「復讐、二度目はならずか……ああ、だが……」
何に復讐しようとしていたのか。
言い残し、自らの血だまりの中に倒れ伏したアルギオスの姿は、次第に消滅していった。
「当然の結果ってヤツだな」
自分を見失った相手に負けるはずがない。エリニスはそう述べると、新たな戦場へと向かう。
●砂月楼閣の姫君シャルムーン
シャルムーンがこの戦争の拠点とした古城から現れた戦力の多さは、歴戦のエンドブレイカー達をして目を疑わせるものだった。
「エンドブレイカーの目を引くような戦力を配置しておく……マギラントさんは、良い手を教えて下さいましたね」
攻め寄せたエンドブレイカー達……決して少なくない戦力を迎撃しながら、シャルムーンはほくそ笑む。
勇者の資質を持つエンドブレイカー達は、将来の被害を看過することは出来ない。
原初のピュアリィが粗方撃破されたのは痛いが、エリクシルを得ることのない彼女達にエンドブレイカー達の目が向いたのは幸いだ。
もう少しエンドブレイカー達の四勇者撃破が遅れていれば、結末は既に決まっていたかもしれない。
「何千年も経って、いまだに私に懸想しているなど……諦めの悪い人達でしたね」
もはや過去形で自分を守っていた勇者四人のことを述懐すると、シャルムーンは戦場を見た。
「あとは……ゼペットさんに狙いが向けば、といったところですか」
本来の性質ならばありえないであろう邪悪な微笑が、砂の国の姫の口元に浮かぶ。
自分が斃れ、老ゼペットにエリクシルが渡る恐れはある以上、エンドブレイカー達が老ゼペットを無視することはできない。
もっとも彼女自身も、もし狙い通りに自分がエリクシルを得た時、自分を待ち受ける未来については理解してはいないのだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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シャルムーンメイガス(未完成) | 63 | 0勝36敗 敗北 | 【遠隔操作】2445⇒2430 |
砂月楼閣の姫君シャルムーン | 1094 | 0勝77敗 敗北 | 9229⇒8091 |
原初のキャンサルド | 235 | 4勝0敗 完勝! | 【原初のピュアリィ】128⇒0 |
原初のラミア | 447 | 10勝0敗 完勝! | 【原初のピュアリィ】1065⇒0 |
王虎アルギオス | 529 | 10勝0敗 完勝! | 【逃走】1018⇒0 |
奇術師・老ゼペット | 575 | 8勝12敗 敗北 | 2562⇒902 |
ブレイクゲージ残量(第5ターン終了時点) |
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39114−2430−8091−902=27691 |