<ガロウマルの挑戦 第4ターン結果>
第4ターンの開始状況
●ロック大僧正ガイボン:Battle5『ガイボン、ガイボン、火那大僧正ー、無敵の力だ火那大僧正ーガイボーン!! お賽銭ジャラジャラ火那大僧正ガイボーン!!』
ロック大僧正ガイボンがロックギターを奏でながら歌っていた。
いや、違う。
ロックギターを奏でているのはガイボンだが、歌っているのはロックギターだ。
「『喋る武器』ならぬ『歌う武器』ですかぁ?」
ソードハープの妖精騎士・フローライト(c07391)はぽややんと首を傾げる。
間奏に入ったところで、ガイボンは焦った様子で自分の手にした『喋る武器』に話し掛ける。
「あ、あのー、拙僧、あんまり自分の宣伝とかしたくないのでおじゃるが」
『なァに何度もヌルいこと言ってんだ。こうして敵を引き付けるのがお前の役割だろうがよォ!』
「そうでおじゃるけど! わざわざ敵を挑発するようなことしなくていいでおじゃる!!」
既に繰り返されたやり取りだったらしく、ロックギターはガイボンの泣き言を無視して歌を再開する。
『エンドブレイカー倒すぞー火那大僧正ガイボーン』
「しくしくしく」
ガイボンは勝手に動く自分の手を見下ろして、わざとらしく泣いた。
「折角華麗なる復活劇の大チャンスかと思ったのに、こんな扱いとか酷過ぎでごじゃる。拙僧、細く長くがモットーでおじゃるよ。いわゆる針小棒大でおじゃる」
『意味間違ってんぜ』
「あのー、すみません。そろそろ攻撃していいですかぁ?」
漫才を遮るフローライトの声に、ガイボンは彼女を見下ろして愕然とした様子で叫んだ。
「……エンドブレイカーまた来てるでおじゃるよー!?」
『歌に夢中になり過ぎたぜ』
「お前マジふざけんなでおじゃる!!」
慌てた様子でロックギターを構えたガイボンは、白黒させながら叫んだ。
「なんでジュウゾウどのは拙僧にこんな『喋る武器』を……! どうせなら可愛い女の子ボイスの『喋る武器』が良かったでおじゃるよ!!」
後半は無視し、何故、という点についてだけフローライトは言った。
「捨て駒扱いだから、ダメっぽい武器を渡したとか?」
「……あっ」
『人間、気付かない方が良いことってあるよな……』
人間なら遠い目をしていたのではないかという口調で『喋る武器』は言った。
「でも、あなた達、どっちも人間じゃないですよねぇ」
ガイボンの顔が青ざめるが、フローライトは容赦なく妖精を舞い踊らせる。
魅了されたガイボンの身体が消滅し、戦いは終わった。
●歌人扇サネトモ:歌人扇サネトモ:Battle6
霊峰天舞アマツカグラから流刑の憂き目にあったという貴族、歌人卿サネトモ。
刑に従って流刑されている以上、マスカレイドと化したのは彼がアマツカグラを出てからのことだったのであろう。
『もっとも、アマツカグラに留まっていれば薔薇の開花で死ぬ、ラッドシティに行ってもやっぱりエンドブレイカーに負けて死ぬ。どの道死んじゃう人っているんですねぇ』
『喋る武器』の扇に対し、サネトモは
「勝手に人の記憶を見ないでいただきたい。そんなことは今となっては詮無きこと。……それよりも、再び来たようだぞ」
地獄兵達を突破した斧顎熊爪・サキ(c13747)は、水晶のような物体で出来た翼を背にしたサネトモへと挑発するように魔獣化した腕を向けた。
「帰国したとこを悪いが、倒されてもらうぞサネトモ」
「ふるさとの 名残惜しけれ……さて、生前の私ならば何と詠んでいたやら」
『喋る武器』の扇がサネトモの身体を操り、舞を踊らせる。
魔力を秘めた舞いが引き起こす現象の発動は、エンドブレイカー達の脅威と成り得る威力を持っていた。
「我が力を受けてみるがいい!」
サネトモの刀が踊るように繰り出され、エンドブレイカー達を斬り裂いた。
しかしエンドブレイカー達もただでやられはしない。
サネトモの防御を上回る勢いで、多数の攻撃が一気に降り注いだ。
彼がマスカレイドでなければ、そして『喋る武器』を手にしていなければありえなかったであろう勢いで、サネトモは手にした刀と扇を振るう。
「再び負けるわけには……」
「負けるわけにいかないのは、こっちも同じだ!」
必死の形相でエンドブレイカー達と切り結ぶサネトモ。その防御に産まれた一瞬の隙をつく形で、サキのエッジアバランチが繰り出された。
気の刃がサネトモの衣を斬り裂き、マスカレイドの仮面に半ばを覆われた顔には苦痛が浮かぶ。
「三日月や 斧の刃に 涙あり」
「……句の評価はよく分からないな」
サキの言葉は届いたか。
その句を遺し、サネトモの再現体は消滅していった。
●双弓モスキート:双弓モスキート:Battle14
剣狼剣聖ガロウマルを目指すエンドブレイカー達は、『大地の扉』へと通じる通路へとついに突入していた。
その行く手を阻むのは、モスキートの再現体だ。
「やはり、ここまで来てしまうのか……つくづく面倒なものだな、エンドブレイカーという連中は!」
モスキートは両手に弓という奇妙な装備でありながらも、器用に2つの弓を使いこなしていた。
両手で器用に弓を構えると、仮面の突起まで動員し、瞬く間に矢をつがえる。
「巧いの……」
まるで腕が四本あるかのような高速の弓の扱いに、月への誓い・ララ(c12094)も舌を巻いた。
もっとも動作の主体が『喋る武器』であると考えれば、その弓巧者ぶりも当然か。
「ここでお前達を退かせれば、まだ目もあるというものだ!!」
モスキートが降らせる矢の雨を援護として迫りくる『喋る武器』使い達。
彼らを迎撃する仲間達を援護するように、ララは自分に向けて飛来する矢を手にしたナイフで叩き落とす。
「私を守れ!」
周囲の地獄兵達に当然といった態度で命じるモスキート。
犯罪計画屋たる彼は、その実力はラッドシティにいたカーニバルの上級マスカレイド中でも強い方ではなかった。
「だが、新たな『喋る武器』と部下を得た……私の新たな犯罪計画はこれからだ!」
未来への夢想に浸るモスキート。
しかし、その妄想を彼が楽しめたのも、突撃する地獄兵達を、エンドブレイカー達の攻撃が打ち破るまでの僅かな時間に過ぎなかった。
「何、だと……」
愕然とするモスキート。
「チャンスなの」
その判断と、ララの身体が動くのは同時だった。
弓を引き絞るような動作と共に身体の中で高まった気が両腕に集まり、呼吸と共に撃ち出される。
放たれた気咬弾は蚊を思わせる異形の仮面をつけたモスキートの腹部を貫いた。
「おのれ……私の……計画は……」
口惜しげに言って、モスキートの姿は消滅していく。
「頑張れたの」
ララはそう言うと、地面に洞窟の床に落ちた弓を拾いあげ、有無を言わさず叩き壊すのだった。
●ハンマー女王アルゴラ:ハンマー女王アルゴラ:Battle3
ピュアリィの一種、ラビシャンであるアルゴラの姿は、無個性な敵の軍勢の中にあって、ひときわ異彩を放っていた。
『ドゥフフ、アルゴラ殿、敵は我々の攻撃で怯んでいるでゴザルよ』
「それなら、このまま一気に片付けてしまいたいわねぇ」
『喋る武器』との連携も、他の強力なマスカレイド達に対していささかの揺るぎも無い。
二振りの長柄のハンマーを振り回すアルゴラに、エンドブレイカー達は間合いを取って身構えるが、その守りをハンマーから生まれた重力が打ち破る。
「あら、知らない技」
『拙者達に任せておけば万事問題なしでゴザルよドゥフフ』
アルゴラが所有していた『喋る武器』、『滾る槌ベリオルズ』と同型のハンマーが不気味な笑い声をあげる。
「生前より、ずっと強いみたいだね」
仕込み杖のソーンイーター・サヤ(c18075)はそう見て取っていた。
エルフヘイムで倒された時期のことを考えると、今のエンドブレイカー達なら本来のアルゴラ相手なら楽勝のはずなのだが、その強さは生前を大きく上回っている。
長期間にわたって『喋る武器』を所有し続けたことによる十分なデータ再現と、『喋る武器』を扱うために特化された肉体。
その相乗効果は、エンドブレイカー達にとっても脅威と成り得るものなのだろう。
「エンドブレイカー……私の王国を潰してくれたんですから、少しはお返ししないとね」
『復讐するは我にありというわけでゴザルな。カッコイイでゴザルよアルゴラ殿、ドゥフフ』
「ボク達を倒してから言うんだね!!」
女性と見紛うような美貌のサヤは、そう叫ぶと地面を蹴った。
エンドブレイカー達が同時に散開、アルゴラの振るったハンマーから生まれる高重力が地面に穴だけを残すにとどまる。
めり込んだハンマーを持ち上げるアルゴラへ、エンドブレイカー達の攻撃が爆発的な勢いで繰り出された。
二振りのハンマーを腕の可動範囲を越えるような勢いで振り回されるが、次第にアルゴラへの命中弾が増えていく。
「これで、終わりだっ!!」
サヤの腕が交差するように振るわれる。
赤い十字の衝撃が、アルゴラと『喋る武器』を十字に斬り裂いた。
「そ、そんな……!!」
『アルゴラ殿……あなたは良い使い手でしたぞドゥフフ……』
消滅する両者の姿は、エンドブレイカーこそがこの戦場の勝利者であると告げていた。
●双杖の魔女ヴィオラ:Battle3
「あら……あの子はやられてしまったんですね。『沼地の魔女』の名を継いだといっても、やはり小娘は小娘ですね」
ヴィオラは、その豊満な肢体を誇示するように、揺すってみせる。
たぷんたぷんと揺れる胸は、沼地の魔女の無に恥じないボリュームをもって、エンドブレイカーに迫ってくる。
更に、ヴィオラはその二つの丘の中に手をいれると、するりと1本の杖を引き抜いた。
「それ、何処に隠してたのっ!」
エンドブレイカーのツッコミを華麗にスルーして、ヴィオラは取り出した杖の鞘を払った。
現れたのは銀色の刀身。つまり、その杖は仕込杖であった。
「それがどうした」
と、思わざるを得ないエンドブレイカーも、双杖を掲げた魔女ヴィオラが、配下のマスカレイドに迎撃を命じると、ツッコミを断念せずにはいられなかった。
双杖の魔女ヴィオラの戦術指揮は的確で、配下のマスカレイドを手足のように使っていた。
もともと知性の無いアンデッドの軍勢を指揮していた沼地の魔女にとっては、このくらいの指揮はお手のものであろう。
だが、エンドブレイカー達とて、歴戦の戦士である。
この程度の敵であれば、いくら戦術指揮が優れていたとしても、個人技で圧倒する事が叶だったのだ。
「≪総合商会【Jugement】≫金牛宮名、推参つかまつりましたわよ?」
周囲のマスカレイドを蹴散らし、槍の・テルス(c35168)が、双杖の魔女ヴィオラに挑みかかる。
隠密服に隠しきれなかった豊満な胸が、ヴィオラを挑発するようにぷるんと揺れた。
それは、28才という年齢に相応しい色香であったろう。
『その胸、儂の相手にするに相応しいのじゃっ!』
仕込み杖は、その銀の刀身にテルスの胸元を映し出すと、ヴィオラに自分をテルスの胸元に突き刺すように命じる。
ヴィオラはしょうがないという風情で、テルスは、蔑むような目でその攻撃に相対するのだった。
「その武器がなければ、もっと良い戦いになったかもしれませんね」
「やむをえません。これがなければ、私はここにいないのですからね」
ヴィオラとテルスは、そう言い合うと、互いに武器を閃かせる。
その戦いは、テルスに軍配があがった。
稲妻の闘気を舞踏木槍に込めたテルスの一撃が、電光の如くヴィオラの胸を貫き通し、危険を感じてヴィオラの胸の谷間に逃げ込もうとした仕込み杖もろとも試算させたのだった。
「戦況は良くありませんが……。最後の幸運は、きっと私達の元にあはずよっ!」
テルスは、皆を鼓舞するように言うと、戦場を後にするのだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
ロック大僧正ガイボン | 257 | 5勝0敗 完勝! | 【ウォール】115⇒0 |
歌人扇サネトモ | 304 | 6勝0敗 完勝! | 727⇒0 |
蛇剣琴シェラハ | 260 | 1勝6敗 敗北 | 890⇒305 |
双弓モスキート | 739 | 14勝0敗 完勝! | 【ガード】1502⇒0 |
双杖の魔女ヴィオラ | 183 | 3勝0敗 完勝! | 302⇒0 |
ハンマー女王アルゴラ | 187 | 3勝0敗 完勝! | 121⇒0 |
魔神の斧イングレッサ | 365 | 5勝3敗 敗北 | 999⇒223 |
ブレイクゲージ残量(第4ターン終了時点) |
---|
30355−305−223=29827 |