<戦神海峡の冒険 第2ターン結果>
第2ターンの開始状況
人間……つまりはエンドブレイカー達の襲撃の報を受けた時、この都市を支配するクラーリンの頂点に立つ女王ゲッソリーナ3世は、海底都市の大劇場にて観劇の真っ最中だった。
貴賓席で報告を受けた女王は、演目が幕間に入ったのを見計らって舞台に上がった。
白く透き通った女王の美しい肌が、舞台照明に照らされる。
「みんな、聞くでゲソ! 不埒な人間達が、この都市に迫っているゲソ!! 人間達は、妾達の地上侵攻計画に気付いて先手を打ってきたに違いないでゲソ」
女王の言葉に、ぬめぬめとざわめく劇場の観客たち。
だが、女王は自信ありげに宣言した。
「でも、心配することはないゲソ! なぜなら、妾達クラーリンは、人間よりも優れた種族だからゲソ! 妾達は海中で呼吸ができて、腕もいっぱいあるゲソ! あんな2本しか腕が無いような連中に、負ける理由が無いでゲソ!!」
女王が白い繊手を振り上げる。
「クラーリンの力を見せるでゲソ! やつらを撃退したら、そのまま怖いジャイアントオクトパスがいない地上に侵攻するでゲソ!!」
女王万歳、クラーリン万歳。
その類稀なる美貌(クラーリン的な意味で)とカリスマ(クラーリン以下略)によって海底都市をまとめ上げた女王の号令一下、クラーリン達は迎撃戦闘を開始したのである。
●城門
エンドブレイカー達は、海底都市を覆う泡の中へと入っていった。
泡の中は一部をのぞいて海水も入り込んでおらず、普通に歩くことが出来る。
頭の上からは、海水をくぐった日の光が、滅びた都市を照らしていた。
その都市を囲む石壁に作られた城門は、人が暮らしていた頃には城塞騎士団によって守られていたのだろう。だが、現在でその城門を守るのはクラーリン達だ。
軟体ということで柔らかそうな守りではあるが、クラーリン達の士気は旺盛だった
「女王様に栄光あれイカー!」
その触手を用いて一度に大勢と握手をすることで、大量の民の心をつかんだゲッソリーナ3世。
彼女のカリスマは、今のところ健在であった。
とはいえ、エンドブレイカー達の実力と勢いは、クラーリンの軍勢を遥かに上回っている。
「一気に突破するッス!」
≪道場一室≫因果応報に所属する旋棍拳士・カズラ(c00825)は、トンファーを回転させながら敵陣へと突っ込んだ。
回転するトンファーの打撃が、ぶよぶよとしたクラーリンを打ちのめす。
撃ち放たれる好奇心・アーケイシア(c09554)は、敵に狙いを定めながら呟いていた。
「イカ……足が美味しそうでござるなー……足……イカの足……」
瞳に宿る『食欲』の色を感じてか、クラーリンが怯えたように身をすくめる。
そこに矢を射かけると同時にチームメイトが
「これ」
「いや、バルバ喰うのか……?」
とはいえ彼女同様に、クラーリンの姿に食欲を刺激されたエンドブレイカーも多いようだった。
●大劇場
海底都市の一角に鎮座する大劇場がクラーリン達にとって大事な場所であることは、エンドブレイカー達にもすぐに分かった。
何故なら、武装したクラーリン達が叫んでいたからだ。
「女王様を守るイカー!」
「この劇場に近付けるわけにはいかなイカー!」
と。
「どうやら、ここにクラーリンの親玉がいるみたいだね。それにしても、クラーリンの女王なんているんだね……」
「な、何故分かったイカー!?」
クラーリンが驚いたような声をあげるのを無視して、フルスロットル・マイト(c01923)は一瞬にしてクラーリンとの距離を詰めた。
「必殺、乱舞脚!」
瞬く間に、暗殺シューズのつま先が、そのクラーリンへと蹴り込まれる。
「こ、これぐらい女王様への忠誠心があれば痛くなイカー!!」
「へえ、ならもっと行くよ!!」
威勢の良いクラーリンだったが、マイトの言葉に流石に顔色を変えた。だがマイトは止まらない。そして何十発目かの蹴りが決まったところで、そのクラーリンも仰向けに倒れ伏した。
「け、警備隊長! おのれ人間、妾の侵略を邪魔させるわけにはいかないゲソ!」
舞台の上から腕をブンブンと振るうゲッソリーナ3世。
「うーん……普通のイカ……じゃなかった、クラーリンでございますね」
紫の踊り子・クロミエ(c07519)は、その姿を見て溜息をつく。
「大体、勝手に人の領土に入って来るなんて、立派な侵略行為だゲソ!」
「……ここは、いつからあなた達のものなのでございますか?」
クロミエの質問に、女王は胸を張って答えた。
「ついこの間、怖いジャイアントオクトパスから逃げて来たら、たまたま見つけたんで住んでるんでゲソ」
「たまたま……」
「しかも、ついこの間って……」
ツッコミどころ満載過ぎた。
そのジャイアントオクトパスというのは、先程『人魚の入り江』を襲っていたものだろう。
溜息一つつくと、クロミエは竪琴に手を当てる。
「せっかくの劇場です。魔曲の調べを聞き、朽ち果てろ!」
竪琴の音色が、劇場に響き渡った。誘惑魔曲が女王の心を溶かし、その抵抗心をそいでいく。
やがて、魔曲の力に抗えなくなった女王は、虚ろな目で言った。
「おのれ人間! でも海は広いゲソ。第二第三のクラーリン帝国が、きっと妾達の仇を討つでゲソォォ……ガクッ」
力なく軟体を床に広げるクラーリン女王ゲッソリーナ3世。彼女が倒れたのが契機となり、劇場の他の場所で戦っていたクラーリンも総崩れとなっていった。
●罠の回廊
海底都市を探索し、その奥底へと進もうとしていたエンドブレイカー達の前に現れたのは、迷路のような回廊だった。
そこに無数の罠が仕掛けられていることは、途中で遭遇したクラーリンの、
「罠の回廊の奥で人間を待ち伏せるでイカー!」
という捨て台詞からも分かっていた。
無闇に足を踏み入れれば、たちまち命を落としかけないような危険な通路だ。
「へへっ、罠の突破かー。みんなで協力してやんなきゃな! 一人でやってもダメだしな!」
旅する雲の・テッド(c02473)の言葉に、エンドブレイカー達は頷いた。
そして彼らは、罠の回廊の攻略に取りかかった。
まず釣り天井の攻略にとりかかったのは268名。
彼らは侵入者を押し潰すべく仕掛けられた釣り天井を大勢で支え、その間に別のエンドブレイカーが釣り天井を下げる仕掛けを破壊する。
次に「巨石」を攻略したのは、291名のエンドブレイカー達だ。
「罠ははまって踏み潰すもんだぜ……って……さーすがにコイツぁデカすぎる……か……?」
騒剣・グラン(c12581)は、坂道の上から響く音にひきつった声を発した。
転がり来る球状の岩は、通路いっぱいの大きさがある。
あれに押し潰されれば、
「ってノンビリ見てる場合じゃねぇ! 逃ぃげるんだよぉぉぉぉぉ!」
グランらが決死の覚悟で罠を予め発動させたことによって、巨石の通路は突破された。
3つ目の罠、アロースリットを潰すのには、451名が参加した。
「はっ!!」
塀の上の寝子・ルーイ(c07792)が振りまわした槍で矢を叩き落とし、そのまま矢を射出したアロースリットに、穂先を突き込んで破壊する。
周囲では、他のエンドブレイカー達が同様の手段でアロースリットを破壊していく。
「この調子なら、一人一穴破壊すれば良さそうですね」
後続の仲間達がアロースリットで傷つくことは無さそうだ。ルーイは満足そうに頷いた。
最終4つ目の罠、落とし穴地帯。この地帯の攻略には、392名が挑んだ。
赤ずきん・アリスレッド(c02738)は床にブレスを吹き付けることで、落とし穴の位置を明らかとした。
「落とし穴の中身って何か好奇心を擽られるの」
ランタンに照らし出された穴の中に、串刺しになって死んだクラーリンの姿。
「お気の毒ー……」
軽く呟きながら、アリスレッドはランタンを引っ込めた。
やがて、罠の回廊にも終わりは見えて来る。
その先に広がるのは、この海底都市の新たな領域であった。
●罠の回廊の罠と選んだ人数
・釣り天井を重点的に攻略する 268
・巨石を重点的に攻略する 291
・アロースリットを重点的に攻略する 451
・落とし穴地帯を重点的に攻略する 392
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 戦力 |
---|---|---|---|
城門 | 1498 | 33勝0敗 完勝! | 740⇒0 |
大劇場 | 1698 | 37勝0敗 完勝! | 860⇒0 |
罠の回廊 | 1402 | 攻略成功! | − |