<戦神海峡の冒険 第5ターン結果>
第5ターンの開始状況
●「珊瑚の海」の珊瑚迷路
「ニンゲンノミナサン、サッキハシュウラクヲタスケテクレテアリガトネー」
先程、人魚の入り江へと通じた水路を通って海底都市へとやって来た人魚は、朗らかな笑顔でそう言った。
「ゴオンガエシニ、ワタシタチデ、サンゴノウミヲゴアンナイスルヨー」
「……その喋り方、なんとかならないのか?」
黒ノ咎猫・キーストア(c07587)は、こめかみをかきながら言う。
どうにも人魚達の、美しい見た目と脱力ものの喋り方にはギャップが伴う。
何はともあれ、エンドブレイカー達は人魚達の助力を得て、珊瑚迷路を着実に進んでいた。
優雅な泳ぎを見せながら、人魚達はエンドブレイカーを迷路の奥へと案内していく。
「皆さんは、ずっと昔からここにいるのー?」
「ソウヨ。デモ、コノ『カイテイトシ』、ワタシタチキタコロカラアッタネー」
海底の溺れ月・ロッサリーナ(c02346)の問いに、人魚はそう答えた。
ハルバードの狩猟者・ゲオルク(c00861)が海底都市の歴史について聞いてみたところ、彼女達が集落をつくった頃には、既に海底都市は滅びていたようだ。
これまでい見て来た海底都市の光景と照らし合わせても、相当な昔に、この海底都市が廃墟となっていたことは確かなようだった。
「なあ、なんか美味い食い物とかってここらへんある?」
この辺りの美味な食べ物のことを聞いた破砕鬼・グラナス(c00175)に、人魚は冗談めかした仕草で言う。
「サイゴメイロ、キレイダケドコワイトコロ。サンゴハタベラレナイシ、マヨイコンダラオナカペコペコネー。シュウラクノマワリナライロイロアルケドネー」
「じゃあ戻ったら、何か御馳走してくれよ」
グラナスの笑いに、人魚は頷きで応じた。
「この奥はどこに繋がっているのだろう?」
白銀の月影・ルシエル(c08810)が問うと、人魚は答えた。
「コノオク、マタアワガアル。ソノオクニハ、オオキナトビラガアルネ」
「じゃあさ、人魚とお友達になるにはどうすればいいのぉ?」
「モウオトモダチヨー。チガウカ?」
夕暮れに踊る小悪魔・マキーナ(c00048)の問いに、人魚は大きな瞳を瞬かせて笑うのだった。
●「珊瑚の海」の泡の海
「よろしくお願いします。私はテオバルトと申します」
「ヨロシクオネガイネー」
努力の天才・テオバルト(c02419)の挨拶に、人魚は弾けるような笑顔を浮かべた。その笑顔に、幻想交響黒兎・クロウ(c00568)や温泉うさぎ・パティ(c01785)は、心に温かなものを感じる。
「やっぱ種族間の壁とか関係ないのですよー」
「ありがとう、貴方達のおかげで海が大好きになったよう」
「ニンゲンニモイイヒトイルネー。ニンゲンサンタチ、ミズノナカモグレナイカラ、ワタシタチトアウノモホントハタイヘンダケドネー」
翼雲・ルク(c00833)は過去に人魚と接した冒険者や人間がいないか聞くが、どうやら一緒にいる人魚の知る限りでは、人間とこうも親しく接したのは近年無いことのようだ。
「皆さん芸術や装飾品はお好きなんでござんしょか?」
「キレイナモノキライナニンギョナンテイナイネ」
風吹きゃ消える昼行灯・ユレルミ(c04147)が問うと、人魚は貝殻で作った髪飾りを示して見せる。
やがてエンドブレイカー達は、人魚と共に珊瑚の海の出口へと辿り着く。
「今度アクスヘイムにも遊びにこいなっ」
淡雪・エニス(c00262)が言うと、人魚は困ったような顔をした。
「ワタシタチ、ウミガツナガッテナイバショハタイヘンネ」
「じゃあ……また来ても良い? おねーさん達とも会いたいな」
「イツデモクルガヨイネー。ワタシタチガイリエニイルトキナラアエルネー」
黄金の羅針盤・ナシャ(c03314)の言葉に、人魚はそう頷くのだった。
●「珊瑚の海」の戦神像
「珊瑚の海」の奥底、波に洗われながら、その巨像は静かにたたずんでいた。巨像は豊かな髭をたくわえた、初老と思われる背の低い武人の姿を模っている。
そして、その武人が手にするのは、長柄の両刃斧だ。
おそらく、この巨像は作られてから長い年月を得ているであろう。にも関わらず、珊瑚に飾られることもなく、厳然とその姿を珊瑚の海に現している。
「コノサキ、ミズナイカラワタシタチイケナイシ、ごーれむイテキケンイッパイネー。アナタタチツヨイノシッテルケド、ホントウニイクカ?」
「ありがとう。だが、行かなければ、あの像を調べることは出来ないからな。戦いが終わるまで、しばらく下がっていてくれ」
ここまで案内してくれた人魚に礼を言うと、紅蓮の風・リボー(c11858)は前方へ向き直った。
視線の先にいるのはゴーレムだ。
既にこちらに気付いたらしく、轟音を立て、砂煙を巻き上げながら突進して来る。
「行くぞ!」
≪便利屋・ハナアヤメ≫ヘマタイトの仲間達に短く戦闘の開始を告げる。
ゴーレムが振るう腕をかいくぐり、リボーは鋭く爪を振るった。
衝撃の波が地面を走り、ゴーレムの体を撃つ。
「三連……六連!!」
立て続けの衝撃が、海底に響き渡る。
エンドブレイカー達の連携攻撃の前に、ゴーレムはたちどころに倒されていった。
それは、リボーの周囲ばかりではない。
「ニンゲンモ、ヤルモンダナー」
観戦していた人魚達が、感心したように言う。
「ガンジョウソウナイイオトコモイタネー」
「ソレハスゴクイイコトネー」
彼女達が笑いさざめきあう間に、戦神像の周辺にいたゴーレムは駆逐されていった。
「なんだって!?」
戦神像の足元にたたずむ石碑を読んだエンドブレイカー達は、驚きの声を上げていた。
『このアックスヘイムを拓きし大英雄ガンダッダ・アックスの姿を、像として遺す。
魔女との戦いの果てに戻らずとも、偉大なる勇者の栄誉を我らは永遠に語り継がん』
「アックスヘイム……?」
「どういうことだ?」
聞きなれた都市の名が出て来たことに、エンドブレイカー達は戸惑ったように顔を見合わせた。
ここまで通過して来た海底都市を見渡して、ハニーフェイス・カレット(c08089)は言う。
「この海底都市が、本来のアクスヘイムだった……ということなのかもね」
エンドブレイカー達のよく知る現在のアクスヘイムが、いつ頃出来たのかは定かではない。
だが、『戦神海峡アクスヘイム』という名は、海底都市であるこの場所の方がしっくり来るのは確かだった。
なんらかの事情で、アクスヘイムは位置を移すこととなったのだろう。それに要した労力や時間は計り知れないものがある。
「何か、とんでもない事件が起こったんだろうな。この都市を出なりゃならないような大事件が」
スタイリッシュ魔法剣士・ノワキ(c08251)は呟き、ガンダッダの巨像を見上げた。
豊かなひげを蓄えた巨像の表情は、迫る敵を迎え撃たんとする大英雄の覇気を見事に再現していた。だが、その見事さは、この海底都市……旧アックスヘイムを襲った異変を防ぐことは出来なかったのだろう。
「しかし、アックスヘイム建国の大英雄……か。その子孫がアクスヘイムを滅ぼそうとしたとは、皮肉という他ないな」
『アクスヘイムの戦い』のことを思い、日緋色金・スゥイン(c12448)はそう呟いた。
戦神像を調べていたサイレントファントム・ルティナ(c11676)が、別のことに気付いたのは、その時だった。
「……この像……中に入れるようになってる」
「なんだって?」
期待と共に、エンドブレイカー達は像の中へと足を踏み入れた。
彼らが像の中で目にした物。それは、
「斧……」
「斧だな……」
「ああ、斧だ……」
ルティナの発見した入口から像の中に入ったエンドブレイカー達は、そう言ったきり言葉を失った。
彼らの目の前に広がる宝物庫に置かれていたもの。それは、紛れもない『斧』の数々であった。
世界各地から集められたのであろう様々な種類の斧が飾られている。
中には現在のエンドブレイカー達では扱い切れないような凄まじい威力を持つ斧も、数多く存在している。
この像の中に保存されていた斧の数は、合計で数千にも上るであろう。
巨像を作った当時のアクスヘイムの人々の斧にかける強い思いを、エンドブレイカー達は感じ取らずにはいられなかった。
「ま、まあ、ここに置いててもしょうがないな……後で持って帰るとしようぜ」
結局、そういうことになった。
戦神像を超え、珊瑚の海のさらに奥へと、エンドブレイカー達は進んでいった。
傾斜のついた地面を下るうち、やがて彼らの前に、一つの巨大な扉が見えて来る。
「また扉か」
「だが、空いてるな」
先程の探索の中で、碑文の謎によって厳重な封印が施されていた鍵。
あの鍵の封印を解除した際に開いたのは、この扉であったのだろう。
「さて、何が隠されているのやら……」
エンドブレイカー達は力をこめ、扉を開く。
その向こうにあったのは……幾つもの『顔』が彫り込まれた、巨大な岩壁であった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 戦力 |
---|---|---|---|
「珊瑚の海」の珊瑚迷路 | 1237 | 攻略成功! | − |
「珊瑚の海」の泡の海 | 1242 | 攻略成功! | − |
「珊瑚の海」の戦神像 | 1996 | 40勝0敗 完勝! | 950⇒0 |