<アクエリオ水神戦 第2ターン結果>
第2ターンの開始状況
巨獣の第一陣を打倒したエンドブレイカー達の前方、泡立つ水面から現れるのは新手の巨獣達だ。それらの体には全て、かつてのアクエリオでの戦いを経験した者達にとっては見覚えのある『部位』が備えられている。
魔王ゼルデギロスの『部位所有者』達が持っていた部位は、その本来持てる力を極端に弱める形で巨獣達の体に現れていた。
「とはいえ、本来の『部位所有者』とは違う。あいつらがどれだけ勝ったところで魔王ゼルデギロスは蘇らないだろうね」
水流を操りながら、水神アクエリオはかつての宿敵の残骸を身に宿した巨獣達のことをそう評する。
かつてのアクエリオの戦いで、ゼルデギロスの心臓は鼓動を止めたと妖精は宣言し、さらにその後に形成された結界によって棘(ソーン)はアクエリオから一時的に完全に放逐された。
一時的にでも棘(ソーン)を完全に喪ったマスカレイドがどうなるかは、想像に難くない。
ましてやゼルデギロスは、棘(ソーン)を狂わせた張本人でもあるのだ。
「教主槍ウルカンダールがもし生きていれば、最悪アンデッドゼルデギロスでも出て来ていたかも知れないけれどね。今となってはその心配もないだろうさ」
「心配が無いならいいんだけど、倒せてて良かったなぁ……」
水神アクエリオの激励を受けて、エンドブレイカー達は巨獣達との戦いへと突き進んだ。
●黒鳥カブトガニ
カブトガニから伸びる無数の触手が、人を模したような姿を取る。
手足にあたる触手を蠢かせ、黒鳥カブトガニはエンドブレイカー達へと触手を振りおろし、あるいは呪いを解き放って来る。
「飛ぶ奴が多い……面倒な!!」
ビターフレーバー・ペシェ(c34768)は上空を見上げた。
カブトガニ型巨獣達の触手が空中から振り下ろされては氷を割り砕き、放たれる呪いはエンドブレイカー達を侵食する。
水神アクエリオの加護を強く受けている者達を中心として守りを固めたエンドブレイカー達は、果敢にその脅威に立ち向かった。
触手の雨が降りやんだ瞬間、レギオスブレイドの群れを召喚。
刃の群れは触手をかつら剥きにするように、表面を斬り裂きながら一気に本体へと切り昇っていく。
黒い体液がビシャビシャと音を立てて飛び散り、氷の上に黒い水溜りが生まれた。強烈な呪詛を帯びたそれも、水神大瀑布からの水がたちどころに洗い流していく。
遠くの方で水神アクエリオがウィンクしているのがペシェの目に映った。
「ニニギアメツチに集中しろというのに……」
ともあれ援護があるのはありがたい。
ニニギアメツチを抑え込む水神アクエリオに感謝の念を向けながら、ペシェはさらにレギオスブレイドを増やしていく。
『美シキモノニ死ヲ!!』
衝撃と共に、エンドブレイカー達を乗せた氷塊が空中へと舞い上がる。
だが、その隙間から飛んだレギオスブレイドの群れは、黒鳥カブトガニの殻の表面に浮かんだ顔へと突き立った。
『クょぉぉぉぉぉ!!』
耳障りな悲鳴が上がるが、それには構わずに剣をさらに飛ばす。
堅固な甲羅に穿たれたヒビが広がり、それはさらに力を入れることで完全な崩壊へと結びついていく。
やがて力を喪い、黒い粘液の塊となった巨獣は、清浄なる水に溶かされるようにして消えていった。
●獣王魚
「ヒィィィ!」
「バンガイアサマ、オユルシヲ!!」
シーバルバ達を駆りたてているのは『恐怖』の二文字だ。
かつて深海のシーバルバ達の上に恐怖と力を持って君臨した絶対王者『獣王』バンガイア。
この深海に残っていたシーバルバは、獣王とエンドブレイカー達との決戦を生き残り、その後も地上での決戦に出ることを拒んで生き延びた者達だ。
今のアクエリオに残っている以上、当時はマスカレイドではなかったのだろうが、バンガイアと同じ『部位』を得た『獣王魚』が率いる巨獣の群れは、シーバルバ達をマスカレイド化させ、エンドブレイカー達との戦いに駆り立てていく。
「アクエリオのシーバルバは、この戦いで絶滅でしょうね……」
槌撃の・サレキ(c00246)は向かって来るシーバルバを叩き潰しながら、ふとそんなことを思う。
こうして激戦の中で敵として現れた以上、エンドブレイカー達の側にも慈悲をかける余裕もありはしなかった。
魔王に仕える種族という伝説の真偽はさておき、シーバルバの力は、もはやエンドブレイカー達にとっては歯牙にもかけない程度でしかない。
そうして前衛のシーバルバ達が駆逐されるや否や、獣王魚とその配下……鋼の鱗を持つ魚型巨獣の群れの背から生えるオーラの翼が、強く大気を叩いた。
衝撃音と共に弾かれたように加速して来る巨獣へと、サレキはロックギターを振り上げる。
「水神祭都アクエリオを守るためです。勝ちます!」
互いの防具と鱗を砕きながらの戦闘は、硬い響きで『深海』を満たす。
その中でも苛烈さを極めているのは、獣王魚のいる戦場だった。
六勇者にも届きかねないような力で、周囲にいるエンドブレイカー達を次々とその牙にかけていく。その姿はかつての激戦を経たエンドブレイカー達に、獣王バンガイアの威容を思い出させた。
「ですが、もう残っているのは獣王魚1体。確実に、とどめを刺しましょう!」
エンドブレイカー達は獣王魚を包囲すると、次々に攻撃を加えていく。
やがて、その身を覆うオーラが霞んだのを見計らい、サレキは獣王魚の背へと飛び乗った。
頭上で振り回し続けたロックギターが、獣王魚へと振り下ろされた。
必殺の一撃は獣王魚の背を突き破り、背骨をへし折り、突き抜けて氷上に巨大なクレーターを形成する。
轟音と共に動きを止めた獣王魚の姿は、その戦場が勝利というエンディングを迎えたことをエンドブレイカー達に告げていた。
●ファルケインナイブズ
はじまりのエンドブレイカー、アウィンが遺したエリクシルへの願いによって、夜来香・ヘミソフィア(c03151)が己のルーツと引き換えに得た「真実を見通す力」。
その力は、エンドブレイカー達を翻弄せんとする『怪盗ファルケイン』の部位を得た海の魔物が現れる場所を、完全に見極めていた。
万が一にもアクエリオ市内にテレポーテーションされたら大惨事だっただろうが、それほど離れた場所にできるわけではないようだ。
「『遺失魔術テレポーテーション』を自在に操っていた怪盗ファルケインには、遠く及ばないようですね」
ヘミソフィアは呟き、そしてエンドブレイカー達に巨獣の群れが現れる場所を指し示す。
「あちらです!!」
「ありがとう! よし……いくわよ、エイブラム!!」
光り輝く紅い刃・アリカ(c32337)は、ヘミソフィアが指差した方角へとグランスティードを走らせる。
それは主戦場となっている水面から離れた、崩壊した建物が顔を出している一角だった。
その上空に一斉に魚型巨獣達が転移して来た瞬間、崩れかけた屋根を蹴って跳んだグランスティードの背からアリカが振るった刃が光を帯びて閃いた。
翼を切り落とされた巨獣が地上に落下し、それを皮切りにヘミソフィアの情報を受けてに応じて移動したエンドブレイカー達は次々と迎撃していく。
撃墜された巨獣達の屍が、廃墟の建物を押し潰し粉塵を巻き上げる。
『ナゼ……コノ……イチ……ガ……』
驚愕の感情を帯びたような思念が伝わって来るが、巨獣達の頑丈さも並大抵ではない。
すぐさま態勢を立て直すと、その身から生えた刃でエンドブレイカー達を斬り裂いていく。
激戦となる中、アリカはファルケインナイブズへとまっすぐに突っ込んでいった。
ファルケインナイブズの身から生える刃は、エンドブレイカー達を斬り裂き続けたことで赤く染まっている。
「エイブラム!!」
主の意を受け、グランスティードはアリカを迎撃せんと振り下ろされて来る刃を蹴って再び高々と跳んだ。
高度を取ろうとする巨獣に向け、アリカはグランスティードの背を蹴り、さらに跳躍する。
紅き刃からの閃光が深海を刹那の時間だけ照らし、そして光を帯びた剣は、深々と巨獣の白い仮面を貫いた。
「はっ!!」
白い巨獣の体内で太陽の光が荒れ狂い、アリカは巨獣の外皮を蹴ってエイブラムの背へと飛び降りる。そしてファルケインナイブズの断末魔の鳴声と共に、『怪盗』の部位を受け継いだ巨獣達との戦いは終わりを迎えたのだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
黒鳥カブトガニ | 849 | 8勝9敗 勝利! | 2217⇒318 |
獣王魚 | 1134 | 26勝8敗 勝利! | 【単騎無双】2882⇒0 |
ファルケインナイブズ | 886 | 16勝1敗 勝利! | 【隠密】2304⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第2ターン終了時点) |
---|
25075−318=24757 |