<世界革命阻止戦 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●マスターデモン・スフルマスターデモン・スフルの率いるデモンの軍勢は、影に隠れる力を持つデモン人間や、飛行可能なデモン達で構成されていた。
そうした者達を率いることで、小部隊によって砂月楼閣シャルムーンを守る防衛網の内側へ侵入を図るのが、マスターデモン・スフルの取った戦術である。
繰り出される小部隊は次々と交代で前線に投入され、本隊の位置を掴ませない。
その戦術が功を奏し、戦いの場は砂月楼閣シャルムーンの街の中まで達していた。
だが、それも夜来香・ヘミソフィア(c03151)が対策に現れるまでだった。
ヘミソフィアの瞳は戦場を覆う欺瞞を許さず、デモン達の侵入をことごとく阻止しつつある。
そしてエンドブレイカー達の攻撃は、指揮官であるスフル本人にまで及んでいた。
「真実を見通す力ですか。『盟約の地』で得た力を有効活用したものですね」
感心したように呟くマスターデモン・スフル。
活用された例はまだ少ないが、今後の大魔女との決戦においてもエンドブレイカー達にとって有用な役割を果たすであろうことは間違いのない能力だ。
かくして半減以下となった戦力を率い、スフルの元へ、再び攻め込んで来るのは流星ポストマン・ジェラルディン(c18815)をはじめとしたエンドブレイカー達である。
「攻撃のお届けっすよ!!」
「その受け取りは、拒否したいところですね……」
穏やかな笑みを浮かべたままで応じるスフルへジェラルディンの投げつけた槍が突き刺さらんとするが、背中から瞬時に伸びた翼が打ち払う。
「行きます」
フードに覆われた全身から、膨大な闇が溢れ出した。
マスターデモンとしての本性を露わにしたスフルに対し、エンドブレイカー達は全力をもって撃ちかかっていく。
だが、戦力差はもはや歴然だ。
デモン人間やレッサーデモンが次々と闇に消え、スルフの白いフードもまた傷ついていった。デモン達の死と己自身の傷に、スフルの口から声が上がる。
「皆さんとの戦い、これほどまでとは!」
そこに宿るのは歓喜の念だ。
フードの下からのぞいた黒い闇は、スフルがもはや後戻りのできない場所に至ったことを示しているかのようであった。
だが、次の瞬間、スフルの胴を雷撃を帯びた槍が貫く。
それは、ジェラルディンの放ったものであった。
力なく地に伏したスフルの体から力が失われていくのを、エンドブレイカー達は見て取る。
「もう少し、長く愉しみたかったのですが……仕方がありませんね」
「遺言とかあれば、届けるけど」
ジェラルディンに首を振って、スフルは消滅していった。
●マスターデモン・エヴァルト
漆黒のデモン達の軍勢の中、黒衣に身を包んだエヴァルトの銀髪は輝くようにエンドブレイカー達の目に映った。
だが、その美しさとは裏腹に、彼の髪の間から伸びるのは捻じ曲がった山羊の角だ。
そしてエヴァルトの口から吐き出される言葉は傲慢の色を帯びている。
「好きなだけ抗うと良いでしょう。所詮は無駄な足掻きに過ぎません」
その穏やかな口調とは裏腹に、マスターデモン・エヴァルトの顔に浮かぶのは圧倒的な力を持つが故の傲慢さであった。
その力量を鑑みれば、彼の傲慢も理解し切れないものではなかっただろう。
率いている軍勢の数も、ここまでに相対した他のマスターデモン達を上回っている。
「でも、負けるわけにはいかないんですぅ!」
ぽんこつエルフ・ヒナ(c06748)は、ソードハープを硬く握り締めた。
エヴァルトのマントの裏から一瞬翼が現れ、大気を叩く。
彼はそのままデモン達の群れの奥へと降り立つと、エンドブレイカー達を手招いた。
「来ると良いでしょう。真なる強者の力、見せてあげましょう。容赦はしませんよ」
言葉と共に、戦いの火蓋は切って落とされた。
エンドブレイカー達を迎え入れるかのように展開されたエヴァルトの陣からは、デモンの力を見せつけようと言うかのように、無数の攻撃が放たれて来る。
エヴァルトのマントがはためいた。
マントの下に隠された翼が閃き、膨大な魔力が荒れ狂うように放たれる。
傷つき倒れそうになる体を魂の力で支えながら、ヒナは告げる。
「子供達を守るためにも、負けるわけにはいかないんですぅ……」
そっと近づき、優しく子守唄を届かせる。
エヴァルトの脳裏に染み込んだ魔曲が、彼を二度と目覚めぬ眠りへと導いていく。
「やれやれ……僕もまだまだですね」
自嘲するかのように言って、エヴァルトはふらつきながらも立ち上がる。
まだ戦うのか。そう思ったエンドブレイカー達の前で、エヴァルトの体はぼろぼろと崩れていった。
「お見事と言わせてもらいましょうか大魔女スリーピング・ビューティを倒し、その先に何があるのか……精々楽しみにしていますよ」
あくまでも傲慢に言い、エヴァルトの存在は消滅していった。
●マスターデモン・パトリック
マスターデモンの中でも、パトリックの姿は異彩を放っていた。
中年男性であることもそうだが、将とも言い難いような汚れた姿は、彼が人間として、そしてエンドブレイカーとして人の不幸に触れ続けて来たことを示しているのかも知れなかった。
「完全なる滅びを避けるためまら、『世界革命』ってのは一番の近道だろうぜ。それを否定できるのかよ」
パトリックが率いるデモン人間達もまた、人生裏街道という風体をした者達が多いようにエンドブレイカーは見受けていた。
エンドブレイカーではないにせよ、決して悪とは言えなかったはずの彼らが、『世界革命』という一事に邁進している姿は、一種異様さを感じさせる。
エンドブレイカー達との交戦は、激しさを増していく。
その中で、パトリックはエンドブレイカー達へと視線を向ける。
「なぁ、なんで戦ってんだ? 大魔女スリーピング・ビューティに滅ぼされかけても、今の今まで生き延びてるんだ。人類なら、またやり直せばいいだろう」
もし、エンドブレイカーの全てがマスターデモンとなったのなら、大魔女スリーピング・ビューティの軍勢に真っ向から勝利を収めることも困難ではないだろう。
それはマスターデモンとなった者達の力の上り方を見ても分かることだ。
そうした意味で、彼らは世界に不幸をもたらす、邪悪なる棘(ソーン)を根絶するため、最善の努力をしていると言うこともできるのかも知れない。
パトリックの目が、ふと悪魔憑き・フィーネ(c00324)を捉える。
「オールウィザードか……。その力を活かす術は見いだせたのかよ?」
「……」
遺失魔術ステイシスを持つフィーネだが、その力を活かすべきものを得られてはいなかった。
「術者としての力量こそ高いようだがな。エヴァルト辺りなら、お前に遺失魔術は分不相応だったとでも言うんだろうが……好きなだけ悩んでりゃいいだろうよ。溜め込んだ貯金を使い切れなくたって、俺の知ったことじゃぁない」
パトリックのフードがはためいた。
マントの下に隠された翼が閃き、膨大な魔力が荒れ狂うように放たれる。
傷つき倒れそうになる体を魂の力で支えながら、フィーネは告げる。
「悩んでこそ……力の正しい使い道を見出せるのでしょう」
どこか達観したように言って、大鎌を投げつける。
もはや限界に達しようとしていたフィーネの放った攻撃を、パトリックはかわし切ることができなかった。深々と斬り裂いた鎌がフィーネの元へと戻って来ると同時に、彼は膝をつく。
「お前達の勝ちだ。……正義の勝利だろう。誇るがいいさ」
諦観するように言って、パトリックは消滅していく。
●マスターデモン・クゥナ
「世界がお菓子で満たされれば、争いはなくなりますよね♪」
チョコレート色の肌をした少女、マスターデモン・クゥナは、未来を夢見て笑みを浮かべた。
既に大方の戦力を喪失してはいるのだが、その微笑は、どこまでも蠱惑的だ。
もし、彼女の理想の通りに世界革命が成し遂げられたならば、世界に残る戦いはマスターデモンの軍勢と大魔女スリーピング・ビューティの軍勢による最終戦争へともつれ込むだろう。
その後には確かに平和な時代が訪れることになるかも知れない。
もっとも、その時に菓子を作るパティシエや菓子の材料を作る農民が生き残っているかは定かでは無いが。
エンドブレイカー達を向こうに回して孤軍奮闘するクゥナへと、月光と戦歌の護り・フィーロット(c24962)が語り掛ける。
「世界中をおかしにしてもいい事なんてないわよ? お菓子を食べ過ぎると醜いおデブさんになっちゃうんだから」
「大丈夫ですよぅ、マスターデモンになれば太りませんから!!」
「え、ほんとに?」
「嘘はつきませんよ?」
「いやいや、フィーロットさんがグラついてどうするんですか」
アルカナ魔法教会の仲間のツッコミを受け、フィーロットは頭を振った。
「逆に精神攻撃を仕掛けて来るなんて。どうやら説得は通じないようね……」
絶望的な辛党である彼女と、お菓子を愛するクゥナ。ひょっとすると、その時点で色々と相容れない存在であったのかも知れない。
「お菓子を悪く言う人は、許しません!」
クゥナは可愛らしく爪を振るった。
ただそれだけで、エンドブレイカーは強烈な力を感じ取る。
先程の太らないという言といい、もはや、彼女は人間とは別の生命だった。
そもそもマスターデモンが生物と呼ぶべき存在なのか怪しい。
少なくとも、その起源からも『魔女』によって創造された正常の生命でないことだけは確実だった。
振るわれる爪と共に戦場は闇色に染まっていく。
その向こうに愛するお菓子があるとでも言うかのように、クゥナは無我夢中と言った体で爪を振るった。
「デモン人間さん達も、賛成してくれてるんです。わたし、頑張ります!!」
自意識を失ったかのようにも見えるデモン人間達が本当に同意したのかどうか、フィーロットには分からなかった。
ただ分かるのは、
「もう、あなたの配下はいないということ……!」
夢のために孤軍奮闘するクゥナへと、フィーロットの竪琴が招いた様々な自然現象が降り注ぐ。
「砂月楼閣シャルムーンのお菓子も、もうちょっと食べたかったですねぇ……」
変幻する歌の中で、クゥナの姿は闇に沈み、消えて行くのだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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マスターデモン・スフル | 305 | 6勝0敗 完勝! | 【エンドブレイカー】【巨人の援護】751⇒0 |
マスターデモン・エヴァルト | 741 | 14勝0敗 完勝! | 【傲慢】【エンドブレイカー】【巨人の援護】2940⇒0 |
マスターデモン・パトリック | 481 | 7勝5敗 勝利! | 【エンドブレイカー】【巨人の援護】2426⇒0 |
マスターデモン・クゥナ | 311 | 6勝0敗 完勝! | 【エンドブレイカー】【巨人の援護】267⇒0 |
マスターデモン・シズカ | 356 | 5勝4敗 敗北 | 【ウォール】【エンドブレイカー】【巨人の援護】1896⇒473 |
マスターデモン・ショコウ | 386 | 5勝3敗 敗北 | 【ウォール】【エンドブレイカー】【巨人の援護】2086⇒574 |
ブレイクゲージ残量(第3ターン終了時点) |
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46682−236−287=46159 |
ターン終了時能力 |
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【巨人の援護】! ブレイクダメージ473⇒236 【巨人の援護】! ブレイクダメージ574⇒287 |