<ラズワルド大戦 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●雷雲翁ふるふるふるふるふる。
実体化した雲が、ふるふると震えながら、エンドブレイカー達の行く手を遮った。
これまでの戦いにより、その数を大きく減らしていても、その戦意は衰えることは無い。
エンドブレイカーが攻め寄せてきたのに反応したのか、実体化した雲の塊は、むきむきと人型の姿に変化していく。
そして、三度、雷雲翁とエンドブレイカーの戦いが始まった。
「悪人に人権なし。これで三度目、そろそろ倒すぜっ!」
「おじーちゃんはそろそろ寝る時間だよ!」
「その通りです。これで最後にしましょう」
斬りたいだけの・アサクリア(c00675)、刺し穿つ黒白の槍・リーゼリット(c02065)平原の騎士・セルマン(c33173)が、戦場を駆け巡る。
その彼らの言葉の通り、雷雲翁の戦場は、エンドブレイカー側が圧倒していた。
エンドブレイカー達は、残り少ない敵マスカレイドを取り合うように倒していき、すぐに、雷雲翁を残すのみとなる。
太刀の妖精騎士・ゴードン(c36018)は、最後に残った雷雲翁に、こう宣言した。
「私達はエンドブレイカー。エンドブレイカーに倒されたものは、イマージュマスカレイドであっても、ソーンに戻る事はできません。あなたは、ここで死ぬのです」
イマージュマスカレイドは、無限に湧き出てくるように思えるが、元となるソーンが無ければ復活はしない。つまり、エンドブレイカーの力はイマージュマスカレイドに対しても切り札となるのだ。
その言葉と同時にゴードンが召喚した妖精達が乱舞して、雷雲翁の体を蜂の巣に変えた。
穴だらけとなった雷雲翁の体が霧散し霧に変わり、マスカレイドの仮面も罅割れ崩壊していく……。
「わしを殺しても、わしと同じ存在がうまれるだけじゃぞ。大魔女様が目覚めた以上、お前たちが滅ぼすソーンなど微々たるもの。それ以上のソーンを大魔女さまが作り出せば、尽きることなど無いのじゃ。この程度の軍勢、大魔女様にかかれば1週間で再生できる程度の手駒に過ぎぬのじゃからな」
崩壊する雷雲翁の最後の言葉。
だが、その脅しのような言葉も、ゴードン達には意味をもたなかった
「つまり、マスカレイドを倒したければ、大魔女を倒せということですか?
あなたの助言はありがたく頂きましょう。そして、大魔女は必ず、私達エンドブレイカーが倒してみせましょう」
ゴードンを始めとするエンドブレイカー達は、そう決意し、新たな戦いを求めて、戦場へと戻るのだった。
●偽りの幻想郷「ディガルダ」
偽りの幻想郷「ディガルダ」を倒さない限り、侵入者として捕らえられたエンドブレイカーは脱出することが出来ない。
それが、このイマージュマスカレイドの能力なのだ。
そして、その中には戦いに敗北した400名近くのエンドブレイカーが囚われている……。
「くっ。このままでは……」
ファウンティナ・アルカナ(c02976)は、そう言いつつ、偽りの幻想郷「ディガルダ」の戦場を見渡した。
この戦場で、2度の戦いを耐えぬいたアルカナであったが、取り残されたエンドブレイカーの多くが負傷しており、戦闘に加わる事ができないものも多い。
このまま戦いが続ければ、全滅もありえるだろう。
アルカナは、かつて美しかった幻想郷の空を見上げた。
空中には、幻想郷の空であったのだろう、イマージュマスカレイド達が浮遊している。
それはまるで、楽園というパズルのピースが、バラバラに壊されて散らかされたような様子であった。
バラバラに別れた楽園の空は、獣となりて、幻想郷に残されたエンドブレイカーを駆逐するべく攻撃を仕掛けている。
その隙間を、幻想郷の住人であろう、美しい姿のイマージュマスカレイドが埋め、敗残のエンドブレイカーを駆り立てるのだ。
そこへ待ちに待った、新たなエンドブレイカーの援軍が駆けつけてくれた。
「みなさん! 救援ありがとうございます」
「これで、僕たちはまだ戦えます」
「さぁ、ここからは私のターンです、めろめろにしてやんよ!」
この援軍に、アルカナと同様にこの戦場で戦い抜いた、弾む靴の音・エルナ(c00756)、紺青の空・クラース(c13158)、王道滅却紅蓮の炎・ファルゥ(c05128)達が息を吹き返し、戦況は一気にエンドブレイカー側に傾いていく……。
偽りの楽園の住人たちは次々と屠られ、そして、残るは、ディガルダの本隊を残すのみとなったのだ。
「本当に、しぶとかったわね。こんなに手間取るとは思わなかった。でも、これで最後にしましょう。わたし達は、こんな所で立ち止まっていられないの」
アルカナは、この空間そのものでもある巨大なイマージュマスカレイド、偽りの幻想郷「ディガルダ」を、前に、巨大化させた腕を赤熱化させて振り上げた。
「わたし、立ち塞がる障害は、握り潰す事にしているのよ」
そう言うとアルカナは、ワイアードによって防御を封じられたディガルダを、握り、そして、握りつぶした。
ぐちゅりと嫌な音がして、ディガルダだったものは四散し、偽りの幻想郷は失われ、囚われていたエンドブレイカーも、現実の戦場が彼らの前に戻ってくるのだった。
「さぁ、外の戦場はどうなっているのかしら? とにかく、すぐに戦線復帰しなくては」
そう言うと、アルカナは共に戦った仲間と共に戦場をかけ出した。
●ナインテイルクイーン
翼を広げて空を舞う死尾狐。その白い毛に包まれた姿は見るに優雅だが、性質は凶暴だ。
雑食の狐に、巨大な身体と奸智を巡らせる頭脳を与えたかのような巨獣達は、霊峰天舞アマツカグラの内にまで侵攻し、人々を襲う。
街を襲撃した当初、狐たちの行いには、遊戯の色が強かった。
すぐさま命を奪わず、反撃する者だけを刈り取ると、あとは人々が逃げ惑う様を見ては追い掛け、追いつきそうになっては再び逃がし……と、逃げる鼠を弄ぶ猫のように振舞っていたのだ。
エンドブレイカー達によって、そうした動きは収まったが、今度は逃げ遅れた人々を相手に同様の行為を繰り返している。
「……つまらん奴らだ」
狼の眼・ギセン(c31381)は言い捨て、アックスソードを引き抜いた。
戯れとばかりに自分達の往く手を塞ぐ巨獣を、ギセンの刃が容易く切り飛ばす。
「ギ……!!」
雑音めいた悲鳴を上げながら、狐の巨獣は横に倒れ伏した。
巨獣が倒れたのを受け、巨獣の屍を迂回して人々が逃げていく。
それに構わず、ギセンは狼の如き瞳で狐達を見据えた。
仲間を殺した者に復讐をしようとでもいうのか、死尾狐たちが集結して来る。
アマツカグラにいる、反撃の力を持つ者を刈り取る。それもまた、彼らの役割であった。
「……群れのボスは、あいつか」
後方に控える巨体、狐達の『女王』を見て取ると、ギセンは駆け出した。
駆け出す先は狐達の足元だ。
虚をつかれたかのように狐達が反応するが、後方からの攻撃が狐達の陣を乱す。
エンドブレイカー達による攻撃だった。
再びの襲撃だけあって、巨獣の女王は慌てる様子も無い。
だが、なればこそやりようもある。
引き抜いたアックスソードに神火が宿る。
続けての遥か離れた位置から振り下ろす動きは、神火を放つためのものだ。
空中を乱れながら飛ぶ神火は、次第にひとつの形を作る。
「神火吼狼撃。突っ切れ……!!」
神火の狼は狐達の陣を突き抜け、ナインテイルクイーンに食らいついた。
白い毛皮に神火は纏わりつき、その巨体を激しく焦がす。
脅威を見てか、距離を取ろうと巨獣達を、エンドブレイカー達は追う。
塔を駆け上り窓から屋根へと飛び出す。
うち振るわれる尾が瓦を薙ぎ払うが、既にその場所にギセンはいない。
「こっちだ」
尾を斬り捨てながら再び神火の一閃が放たれる。
巨獣を燃やし、中空に大輪の華が咲いた。
●炎竜『サラマンデル』
マスカレイドの軍勢の出現と時を同じくして、霊峰天舞アマツカグラの各地では突如として山や丘が『噴火』する異常現象が発生していた。
『世界の瞳』への扉がある『神楽都』に近い上層の街も、その被害の例外ではなかった。
まるで火山と化したかのように火山弾や溶岩を吐き出す土地を前にして、人々は逃げ惑うことしかできない。
「ひぃぃぃ、な、何なんじゃ!? よもや火那山津見神様がお怒りなのか!?」
「違うよ、お爺ちゃん。これ、皆が噂していた天災だよ……!!」
転倒した老人に少女が手を貸そうとした瞬間、2人の頭上を影が覆う。
赤い鱗を持つ、火の災害竜。
その口腔から溢れる炎が吐き出されようとした瞬間、その竜が横からの衝撃に吹き飛ばされた。
夢見る暴力・フィグ(c00731)の左手に握られた『血道の覇』の一撃だ。
「今のうちに逃げるんだ。いいね!」
横倒しになる竜に油断なく目を向けながら、フィグは少女と老人に声を投げる。
相手は油断ならない強敵だ。
エンドブレイカーが強烈な一撃を入れたにも関わらず、すぐに起き上がらんとする災害竜へと他のエンドブレイカー達の攻撃が集中、消滅させる。
だが、火の災害竜は1匹だけに留まらない。
フィグの目の前にいた1体の消滅に反応したかのように、災害竜達は次々に現れ、自分達の目論みを阻む者……つまりはエンドブレイカーへと炎を噴き付けて来る。
たちまち、街は火炎地獄と化した。
滴る汗すらすぐに蒸発する熱を感じながら、フィグは竜達の巨体を見上げる。
「災害竜……でも自然災害に比べれば、まだ対処のしようがある! そうだね、皆!!」
応、と威勢の良い返事が返り、エンドブレイカー達は一気に災害竜達へと挑みかかった。
鍛えて来た力で、目の前の敵を討つ。
それこそが、災害を終わらせる手段なのだ。
桜花の術士・クオン(c23084)の魔鍵が開いた門から伸びる地獄の炎が、災害竜達を上回る勢いで焼き滅ぼす。
災害竜達の消えた先に見えるのは、ひときわ巨大な災害竜の姿だ。
「あれが『サラマンデル』!!」
炎の災害竜『サラマンデル』は、火の災害竜達と共に一斉にブレスを吹き続ける。
だが限界を越えながらも、自らが倒れるエンディングを撃ち払い、あるいは仲間同士で庇い合いながら、エンドブレイカー達は災害竜に立ち向かっていく。
一体、また一体と災害竜は消滅し、やがて残るは『サラマンデル』のみとなっていた。
残るサラマンデルへと、エンドブレイカー達の攻撃が集中していく。
「これ以上はやらせない……!!」
フィグは鉄槌を宙に放ると、空いた手でサラマンデルの体に取り付いた。
首筋へとよじ登った彼女の口元に、長く鋭い牙が生える。
そして、フィグの牙は、サラマンデルの
炎のように熱い血が、彼女の顔に降りかかる。
だが構わないとばかり、フィグはさらに牙に力を籠めた。
『ガァァァ……!!』
断末魔の悲鳴が上がる。
だが、サラマンデルが最期の力で吐き出した炎で、さらに一人のエンドブレイカーが倒れてもいる。
災害竜の力……そして、それに勝利を収めた自分達の実力を、エンドブレイカー達は改めて実感するのだった。
●密告者(魔竜軍)
「こんにちは、『密告者』です。
私の情報収集能力、御理解いただけましたでしょうか?
私は、何度でも現れるお手軽な存在です。
隠し通せる秘密など、『密告者』の前では存在しません。
さあ、あなたも秘密を隠し通すのを諦め、私に心を見せて下さい」
空に浮かんだ『密告者』の言葉が、鶻・ヤクト(c28231) の耳に届く。
≪Atelier fleurs≫銀鋼の仲間と共に走りながら、ヤクトは大鎌を振り回した。
周囲に湧いてくる小さな『密告者』が切り捨てられ、消滅していく。
「……ここからなら、あいつを狙えるね」
高い建物の上に出たヤクト達は、頷きかわすと『密告者』へと一斉に攻撃を仕掛けていった。
市街のあちこちにいる他のエンドブレイカー達からも攻撃が『密告者』へと飛び、たちまちその巨体は傷ついていく。
「これでとどめっ!!」
巨大な岩石の腕が『密告者』の真下から伸び、密告者を遥か上へとドロースピカによって空が映し出されていた天井に激突した『密告者』は、ぼろぼろと崩れ去っていった。
「ですが、今回の戦いで、私はもう1体残っています。
私の情報収集は止まることはありません。『密告者』でした」
「ふぅ……面倒なやつだったね」
大きく息をついたヤクトは、『密告者』の消えた後に映し出されている空を見て、怪訝な顔をした。
「……アマツカグラを取り囲んでいた雲が……」
動き出していた。
それはまるで、巨大な一匹の『竜』であるかのように。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
雷雲翁 | 267 | 5勝0敗 完勝! | 491⇒0 |
偽りの幻想郷「ディガルダ」 | 442 | 8勝0敗 完勝! | 【ウォール】【閉ざされし楽園】618⇒0 |
炎獄公女リーザレータ | 324 | 3勝8敗 敗北 | 【ガード】2392⇒1061 |
氷魔参謀アイザーレイ | 384 | 7勝4敗 敗北 | 【ガード】2553⇒654 |
騎士姫隊長リンレイ | 175 | 0勝12敗 敗北 | 【ガード】2553⇒2471 |
ナインテイルクイーン | 194 | 3勝0敗 完勝! | 811⇒0 |
炎竜『サラマンデル』 | 677 | 13勝0敗 完勝! | 【虐殺】【災害竜】3500⇒0 |
密告者(魔竜軍) | 579 | 11勝0敗 完勝! | 【密告】2000⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第3ターン終了時点) |
---|
35066−1061−654−2471=30880 |