<ラズワルド大戦 第4ターン結果>
第4ターンの開始状況
●密告者(大魔女軍)風が吹く。
見上げる空には、密告者の巨大な瞳。
全てを見通す、巨大な瞳は、眼下のエンドブレイカーを嬉しげに見下ろして、瞳を揺らしてほくそ笑んでいた。
「みなさん揃いましたね。
それでは、みなさんの秘密、いただきます。
安心してください。
おいしい秘密も、そうでない秘密も、『密告者』は区別したりなんていたしません。
秘密に貴賎の差は無いのです。
あなたがつまらないと思っている秘密も、絶対に守り抜こうとする秘密も、同様に価値が有るのです。
なんて平等なのでしょう。
なるほど、みなさんは、勇者達が捨て駒となり育んだ未来の希望なのですね。
そして、みなさんの拠点は、ラッドシティ。世界の瞳とは、なんと便利なものなのでしょう。
なるほどなるほど。みなさんの希望は、ラズワルドセイヴァーと創世の翼というのですね。
さて、それはどういう力なのでしょう?
あぁ、大丈夫ですよ。
皆さん、答えを思い浮かべようとしなくても大丈夫ですよ。
みなさんは、なにもする必要はありません。
ただ、あなたの隣の『密告者』に全てを委ねれば良いのです。
えっ? なんですか、これはー。これは大変、一大事な情報ですね。
さすがの『密告者』も、あわてざるを得ません。
さっそく大魔女さまに……」
密告者をも慌てさせる情報。
その秘密が漏れてしまったと感じたエンドブレイカーは、必殺の意志を込めて、武器を構えた。
「知られたからには、生かして返す事は出来ないな」
「お前でラストだ。その秘密と共に、綺麗さっぱり消えてしまいな」
迷子の狼・セルヴェイル(c01107)と幻虹陽炎・アゼル(c02796)が先陣を切って、突撃する。
『密告者』は逆に、自分の知った情報の重さに震えるように、逃走を試みようとし始めた。
しかし、そんな事は、エンドブレイカーが許さない。
ラズワルドセイヴァーも創世の翼も、対策されては効果を発揮するのは難しいのは事実。
敵を知り己を知らば百戦危うからずと言う。
ならば、敵に己の情報が筒抜けになったならば、どうなるであろうか?
それは、敗北の未来にほかならない。
「でもね、その敗北の未来は、密告者くんの密告が大魔女に伝われば……なの」
敗北の未来を幻視したエンドブレイカー達だが、そんな幻視に惑わされることは無かった。
「密告は確かに強い武器ですよ。でもね、あえて言いいますよ。私達の剣は更に強いのです。密告者くんの情報、私の暗殺シューズで蹴り飛ばしてあげましょう」
散ラズノ華・リタ(c14439)は、そう言うと、密告者の瞳の中央に超高速で飛びつくと、大きく足を伸ばしてニ連撃、そして空中で宙返りしつつ、更に四連撃を繰り出し、密告者の瞳孔を切り裂いた。
その攻撃は決して強力では無かったが、残り僅かな密告者の力を奪い取るには充分であったようだ。
「あなた達は、文明人では無いのですか?
武力で情報を統制するなど、許される事ではありませんよ。
やり直しを要求します。
あなたが、文明人であるというのならば、この要求に……」
大魔女軍の密告者は、最後まで敗北を認める事無く敗北し、その存在を消滅させた。
エンドブレイカーの秘密は守られ、そして、道は未来へとつながったのだ。
「さぁ、前に進もうよ。未来を私達の勝利で飾るためにね。そして、その未来で……私も、オトナになるんだよ!」
そう言うと、リタは、軽い足取りで戦場を歩み去った。
彼女が無事にオトナになるためにも、最後の戦いに勝利しなければならない。
ラズワルド大戦の終幕は、確実に近づきつつあった。
●氷魔参謀アイザーレイ
「エンドブレイカー……流石に今の時代の勇者ですね」
一度は攻撃を退けた氷魔参謀アイザーレイ。
だが、その手勢はエンドブレイカー達によって大きな打撃を受けていた。
そして今、アイザーレイ自身も、諦めることなく攻め寄せたエンドブレイカー達によって追い詰められつつある。
どうやらラズワルドの親衛隊3人の中で、最も早く倒れるのは自分ということになりそうだと、アイザーレイは自覚する。
「やはりマギラント様を倒した者達。私の手に負える相手ではないということですか……」
三塔戒律マギラントの祖となった者達とは異なり、勇者軍の頭脳として東方賢者マギラントと共に智恵を絞って来たアイザーレイ。
マギラントの天才ぶりを知る彼女にとって、マスカレイド化して勇者であった頃以上に手段を選ばなくなったであろうマギラントが敗北したということ自体が、既に衝撃であった。
≪カノン・ナイト≫清奏の仲間達と共に棍の自由農夫・シア(c35961)
「だったら、やめとくか?」
「いえ。それで諦めては、ラズワルド様の参謀は名乗れませんから」
そうかい、とシアは棍をアイザーレイに向ける。
彼女のまた、避けられぬ滅びを知りながら、絶望的な戦いに立ち向かった勇者の一人なのだ。
アイザーレイの肉体は、既に氷の巨人と化していた。
マスカレイド化した彼女の『異形化』である。
「ラズワルド様、見ていて下さい、私の想いを……!」
氷の鞭を振るうアイザーレイ。その攻撃はあくまでも冷静で、確実にエンドブレイカー達の急所を狙って来る。
だが、エンドブレイカー達による攻撃は、堅固な氷の鎧を打ち貫き、彼女自身を傷つけていく。
「私の知恵ではエンドブレイカーには届きませんか……ラズワルド様、申し訳ありません!」
草によって雁字搦めに縛り上げられたアイザーレイの姿は、力尽きたかのように消滅していった。
●大空を覆うもの
霊峰天舞アマツカグラの山裾を取り巻いていた黒雲が、次第に上へと昇り始めていた。
その黒雲が一瞬、エンドブレイカー達の目にはとぐろを巻いた蛇のように見えた。
「あれは……大空を覆うもの!!」
気付きと同時、魔竜「大空を覆うもの」は一気に山肌に沿って霊山アマツを駆け登る。
螺旋状の傷痕を残しながら魔竜は昇り往き、圧倒的に巨大な身体に触れた命ある者の悉くを蹂躙せんとする。
創造神イヴ・ザ・プリマビスタが世界を創造する際に生み出した、三存在の一にして、『大気』を司る魔竜「大空を覆うもの」。
その性質は『大気』そのものであり、影響を受けた部位を他の大気と置換することによっていかなるダメージも無効化してしまう。
だからこそ、大魔女スリーピング・ビューティは、イヴ・ザ・プリマビスタに制約を課すことによって、魔竜「大空を覆うもの」への敵対を封じた。
それは逆説的に言えば、魔竜「大空を覆うもの」に影響を与えうるということを示している。
そして、イヴ・ザ・プリマビスタと同じく魔竜「大空を覆うもの」に影響を与えうる存在が現れていることを、大魔女の軍勢はいまだ知らずにいた。
『使うのですね。くれぐれも慎重に……』
聞こえる誰かの……いや、イヴ・ザ・プリマビスタの声に心中で頷き、翠狼・ネモ(c01893)は
大空を覆うものの前に立ちはだかる。
彼の背からは、『正しき棘(ソーン)』によって構成された、赤い翼が伸びている。
それは、魔竜「大空を覆うもの」を倒すため、万能宝石エリクシルにネモが願った力だ。
大気を物質化する、使い様によっては危険極まりない力。
「今こそ、それを振るう時じゃ……!」
赤い霧の翼は瞬時に広がり、魔竜「大空を覆うもの」に触れる。
瞬間、翼を構成する赤い霧状の棘(ソーン)は瞬く間に「大空を覆うもの」の全身へと広がり、そして僅かな時間の後に消失する。
だが、それによって起きた変化は劇的だった。
雲のように掴みどころの無かった魔竜「大空を覆うもの」の巨体が実体を帯びると、山肌に転落したのだ。
激震と共に、魔竜の上げる苦痛の声が、山麓に響き渡った。
無敵のはずの魔竜があげた苦痛の声に、他の戦場で戦っていたマスカレイドの軍勢にも激しい動揺が走る。
万が一にも「大空を覆うもの」が倒されれば、彼らの撤退手段は失われてしまうのだ。
「今のうちだ、飛びつけ!!」
その『無敵』が崩れた隙を、エンドブレイカー達が見逃すはずもない。
「大空を覆うもの」が再び動き出すよりも早く、その身体の上に飛び乗ると、攻撃にかかる。
「わしの力もいつまで保つか分かったものではない……頭じゃ! そこだけ反応が違った!」
ネモの先導を受け、エンドブレイカー達は走り出す。
大空を覆うものの周囲に、雑兵と呼べるマスカレイドは皆無だった。
それも当然だろう。生半可なマスカレイドが、魔竜の動きについて来ることは出来ない。
だが、大空を覆うものの周囲には、次々と災害竜が現れつつある。
紫刻の幻影・クトラ(c16568)が目を細めた。
「本来とは異なる出現……大魔女の介入だね」
「焦ってるのよ。この機に決める!!」
白金の狙撃手・サリア(c02780)はインフィニットゼロを発動。瞬く間に災害竜への距離を詰め、連打を浴びせかけていく。
エンドブレイカー達にとって、これは、二度とは無い乾坤一擲のチャンスだった。
世界最高と言える兵員輸送能力を持つ魔竜「大空を覆うもの」を撃破できれば、大魔女軍の戦略にすら大きな影響を与えることが出来る。
だが、逆に魔竜「大空を覆うもの」を倒し得る手段をエンドブレイカー側が有していることを大魔女スリーピング・ビューティが知った以上、この戦争が終われば二度と前線に出そうとしないだろう。
大空を覆うものもまた、無敵性こそ失えど、大気を司る存在としての権能全てを失ったわけではない。大気を操る力を用い、次々に攻撃を繰出して来ていた。
その力は、エンドブレイカー達が戦った時の邇邇藝天地我尊を上回っている。
だが、強烈な防御力を有していた邇邇藝天地我尊とは異なる点があった。
「防御面はスカスカですね!!」
叡智の闇・リデル(c34372)は、デモンウィングからの閃光を、「大空を覆うもの」へと叩きつける。守りに入った災害竜達ごと薙ぎ払った光線が止むと、大空を覆うものの目には確かに傷がついている。
その無敵性に防御面を頼り切っていた魔竜「大空を覆うもの」は、邇邇藝天地我尊が見せた水障壁のような防御に向いた能力を一切有していないのだ。
本来ならば災害竜全てを送り込んでも良いようなものであるが、肝心の災害竜は、その本体『カラミティ』がエンドブレイカー達の一斉攻撃を受けている真っ最中である。
その戦力分散もあり、エンドブレイカー達
「今回では削り切れないか……だが、次だ!」
五将軍の出撃によって定められた絶望の未来に立ち向かう力も尽きんとしている。
だが、勝機は見えた。
霊峰天舞アマツカグラにおける戦いの最終局面が始まろうとしていた。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
黒き暗殺者 | 67 | 0勝11敗 敗北 | 【隠密】2574⇒2555 |
密告者(大魔女軍) | 638 | 12勝0敗 完勝! | 【密告】2000⇒0 |
原初の災害竜『カラミティ』 | 954 | 4勝15敗 敗北 | 【最終破壊術式】7000⇒3842 |
炎獄公女リーザレータ | 152 | 0勝4敗 敗北 | 【ガード】1061⇒770 |
氷魔参謀アイザーレイ | 199 | 3勝0敗 完勝! | 【ガード】654⇒0 |
騎士姫隊長リンレイ | 113 | 0勝12敗 敗北 | 【ガード】2471⇒2434 |
大空を覆うもの | 958 | 3勝16敗 敗北 | 【無敵】【高空からの撤退】【全軍撤退】30000⇒17505 |
ブレイクゲージ残量(第4ターン終了時点) |
---|
30880−2555−3842−770−2434−17505=3774 |