<ゼルフォニアの戦い 第6ターン結果>
第6ターンの開始状況
●燦然天使ゼルフォニアこれまで感じたことが無いほどに強烈な、世界への悪意。
燦然天使復活儀式が終了した瞬間にエンドブレイカー達がまず感じたのは、それであった。
やがて、儀式場がそこにいた大魔女の軍団ごと消え去り、荒れ狂っていた大台風も消える。
「あれが、大魔女スリーピング・ビューティ……」
誰もがそれを確信していたが、去った敵のことを意識している暇はエンドブレイカー達には与えられなかった。
天から光臨した巨大な人の形をした光……それが降下して来る間に何人かが、その遠距離からの攻撃を行うが、それらの攻撃は空中で弾き返される。
「レイレギオと同じ障壁か」
「まあ、眷属が使えたものを使えない道理はないな」
目を閉じても感じられるほどの強い光は、王城を崩壊させながら着陸する。
脱出するエンドブレイカー達は、崩れた王城の上に鎮座する巨大な存在を見た。
燦然天使ゼルフォニア。
世界創世の時、『大地母神』と『大空を覆うもの』の力の衝突から生まれた、この世界の光と闇を司る存在である。
『大地を燃やし、全てを消し去りましょう。
全ては、大魔女スリーピング・ビューティのために』
目もくらむような光の向こうから、声は響いた。
光をもたらす原初の獣、燦然天使ゼルフォニア。
マスターデモンの一件の時に氷茨の祭祀長・マウザー(c11248)らが懸念したように、本来悪を滅するべき燦然天使は、棘(ソーン)によって完全に歪められていた。
ゼルフォニアの思念がエンドブレイカー達の心に響くと共に、ゼルフォニアが放つ光は急激に弱まったかのように感じられた。
だが、それは燦然天使ゼルフォニアの力が弱まったことを示してはいないとエンドブレイカー達は直感的に理解する。
燦然天使ゼルフォニアは、世界を『創世の光』によって照らし出すべく、力を溜めこみ始めたのだ。その光が解放された時、世界は光によって焼き払われるであろうことを、エンドブレイカー達は確信する。
「させるものか!!」
『世界に光を。それこそが、我が使命』
自分を倒そうとするエンドブレイカー達の敵意に呼応するように、ゼルフォニアの体から零れ落ちた燐光の一つ一つが、モンスターとなってエンドブレイカー達の前に立ちふさがる。
その中には、勇士号を襲ったレイレギオを小さくしたような存在も含まれていた。
『創世の光』を蓄積する間の時間を稼ぐ。
ただ、そのためだけに創られた戦力にも関わらず、強敵揃いであることは一目瞭然だった。
だが、それらに対してエンドブレイカー達が怯むことなどもはやありえない。
モンスター達は確かに手強い相手だが、それも燦然天使ゼルフォニアの生みの親とも言うべき魔竜「大空を覆うもの」が引きつれていた軍勢と比べれば、まだしも勝ち目のある存在だ。
怪獣と天使兵の軍勢を突き破り、エンドブレイカー達がゼルフォニアへと迫る。
洗礼とばかり、光と熱が、物理的な圧力すら伴って、エンドブレイカー達に襲い掛かった。
凄まじいまでの光の奔流を、しかしエンドブレイカーは突き破っていく。
「この程度か! 世界を焼きつくす程の存在でも、蘇ったばかりではそこまでの力は出せぬと見える」
ゼルフォニアやモンスターたちの攻撃を受けて服を焦がされながら、凶星氷蝶・リン(c17201)は、極小のアックスソード絶氷刃・凪継を手に、半ば崩れた王城を駆け抜ける。
音を立てて壁を突き破りながら破壊光線が追い掛けて来るが、それを振り切ってゼルフォニアの頭が見える位置にまで辿り着くと、刃を立て続けに振るっていく。
リンの予想の通り、創世の光を放たんとしているゼルフォニアは、全力を戦闘に振り向けることは出来ていないのかも知れない。
だが、たとえ相手が全ての力で襲って来ようが、敗北するつもりはリンにはさらさらなかった。
「我は、再びこの赤き大地に降り立ったのだ」
マスカレイドに支配された滅びの大地。
リンにとっては、古の勇者の最長老ルーマと出会い、エンドブレイカーという存在が受けた役目を知りながらも、退くしかなかった土地だ。
厳しい冒険の記憶が、リンの脳裏を過ぎった。
「敗北の恐怖よりも勝ちの悦びを味あわせてもらおう!」
二度の敗北は許されぬと、絶氷刃が横薙ぎに振り抜かれた。
衝撃を伴い、地面と水平に繰り出された刃は、ついにゼルフォニアの胴を断ち割った。
そのまま転落したリンは転がりながら受け身を取ると上を見上げる。
無数の燐光となり、空に融けるように消えていくゼルフォニアのいた場所から、何かが落ちて来るのが目に映る。
「おっと……」
地面に届く前に、それを受け止めたリンは、手にした鉱石をしげしげと見つめた。
「これは……ゼルフォニア鉱というやつか」
燦然天使ゼルフォニアの骸が、鉱石の塊へと変化していく。
かつて大地母神が語った通り、燦然天使ゼルフォニアの骸が変じた鉱石なのだろう。
とりあえず勇士号の無敵化装置の足しにはなるだろうが、大魔女との決戦に勇士号で行くわけにもいくまい。
「有効に使う手段でもあれば良いのだがな」
そう考えながら、リンは鉱石をひとまず勇士号に運ぶことにする。
光が止んだ燦然鉱脈ゼルフォニアは静まり返り、エンドブレイカー達と伝説の勇者ラズワルドのほかに動く気配も無い。
「流石はエンドブレイカーだ。常に私達の上を行ってくれる」
ラズワルドは、感嘆の念を声に乗せる。
この都市国家が無人となったということは、マスカレイドの手に落ちた都市国家が、真に解放されたことを意味しているのだ。
それは、大魔女を追いつめる、重大な一歩に違いなかった。
そしてエンドブレイカー達は、他の都市国家からの敵が襲来する前に、燦然鉱脈ゼルフォニアを去ることを決める。大魔女スリーピング・ビューティを完全に追い込むための道のりを、彼らは着実に歩みつつあった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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燦然天使ゼルフォニア | 2798 | 55勝0敗 完勝! | 【燦然天使蘇生儀式】【創世の光】10000⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第6ターン終了時点) |
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26567=26567 |