<スリーピング・ビューティ 第1ターン結果>
第1ターンの開始状況
●新たなる大魔女のめざめエンドブレイカー達の戦いは、その当初から『万能宝石エリクシル』との関わりの中にあった。
大魔女スリーピング・ビューティの力の源泉とされ、大魔女に創世神イヴ・ザ・プリマビスタをも上回る力を与えた真紅の宝石。
エリクシルを巡って、幾つもの都市国家で何人ものマスカレイドがこの宝石を狙い、無辜の人々を巻き込んだ争乱を幾度も引き起こしている。
エンドブレイカーが知るエリクシルとは、手の中に納まる小さな宝石でしかなかった。
だが、対して、エンドブレイカー達の頭上に浮かぶ『巨大エリクシル』は、小さな山程度ならば上回ろうかというほどに大きい。
空を裂いた謎の『赤い手』によってもたらされた『巨大エリクシル』は、大魔女スリーピング・ビューティを呑みこみ、その内に閉じ込めた。
そして、エンドブレイカー達は垣間見た。
世界を終わらせる、大魔女の新たな姿が、エリクシルから現れるエンディングを……。
大魔女が現れる、その瞬間こそが決着をつけるべき時であることを、エンドブレイカー達は誰に言われるまでもなく悟っていた。
そして、その時は訪れる。
巨大エリクシルが弾けると、空中に大魔女の姿が現れる。
そして大魔女の周囲を取り巻くように、何重何百という数のエリクシルがその周囲に浮かんだ。
鎖のように大魔女へと巻き付くと、エリクシルは白い薔薇となり、大魔女を覆っていく。
さらに回転するエリクシルの幾つかが他のエリクシルを取り込みながら巨大な歯車を形成、大魔女の周りで回転を始める。
そのまま空に留まり、無言のままに魔力を高めゆく大魔女。
空を飛ぶ術を持たないエンドブレイカー達に、創世神イヴ・ザ・プリマビスタは告げる。
「あなた方が戦いの場に赴く手助けをしましょう」
地上に紅い霧が立ち込めたかと思うと、霧は空へと続く『道』として固定された。
エンドブレイカー達を大魔女の元へと導く道を嫌うように大魔女がその身を覆う魔力を強めるが、イヴ・ザ・プリマビスタもまた力を強め、道を維持する。
だが、少女の姿が、一瞬ノイズが走ったかのようにぶれるのをエンドブレイカー達は目撃した。
大魔女エリクシル形態の力は、イヴ・ザ・プリマビスタの存在すらも揺らがせるような力を有しているのだ。
「『鍵』以外での侵入を阻止していた大魔女の城でないのが幸いです。
あなた達の、『定められた絶望の未来に立ち向かう力』が尽きぬ限り、わたしもこの『道』を維持し続けることが出来るでしょう。
ですが、大魔女のもたらす終焉を打ち砕くことが出来るのはエンドブレイカーのみ。
わたしは、待っています。あなた達の勝利する時を……」
創世神の赤き光の道が、大魔女の元へとエンドブレイカー達を導くように伸びていく。
その道を踏みしめ、エンドブレイカー達は大魔女の元を目指し走り出した。
●大魔女エリクシル形態(左足)
自らの天敵であるエンドブレイカーの接近を拒むかのように、大魔女は身をよじらせる。
イヴ・ザ・プリマビスタの保っている空への道も、届いているのは四肢だけだ。
胴体部から上への侵攻を阻止する足からの魔力を打ち消すべく、左足へと緩やかなる風・ティリア(c15609)達は侵攻していく。
足を覆った薔薇の花は、幾重にも連なりエンドブレイカー達を惑わせる。
薔薇の隙間からはエンドブレイカー達がかつて戦ったマスカレイド達が溢れ出し、飛行するものに乗ってはエンドブレイカー達の進軍を妨害する中、赤く輝く何かが降り注ぐのがティリアの目に映る。
「またエリクシル?」
だが、それらは正常な形状を保っていなかった。
破片とも呼ぶべき砕けたエリクシルは、消失の代わりに小さな『蟲』を産み落とす。
『蟲』は見る間に大きさを増し、巨獣の如き大きさを取ると、エンドブレイカー達の前に立ちふさがった。その殻の白さは大魔女の体を覆う薔薇のようでもあり、その『蟲』がこの世に産み落とされたばかりであることを示しているかのようでもあった。
「何……ザリガニ? サソリ?」
白っぽい外皮を持った巨大な『蟲』は、エンドブレイカー達に敵意を向ける。
「マスカレイドでも無い敵が、なんでこんなところに?」
仮面が無いのを見て取り、ティリアは内心で首を捻りながらも交戦を開始していく。
ただ、貪欲なまでの食欲でエンドブレイカー達に喰らいついてくる『蟲』。
強力でこそあれ、撃破することは今のエンドブレイカー達には困難なことではなかった。
「もっとも、これから数が増えて来ると厳しいかもしれないけれどね」
ムーンブレイドを振るい、ティリアは薔薇の隙間を駆け登る。
遠く見えて来るのは、大魔女の左足の中でも魔力が最も高まっている箇所だ。
叩きつけられてくる魔力をムーンシールドで受け止めると、ティリアは渾身の虚月輪を解き放つ。
満月をかたどった輝きが、薔薇を貫く。
連鎖的にちぎれ落ち、消えていく薔薇の花と共に、左足の魔力は停止に追い込まれていく。
●大魔女エリクシル形態(右足)
時を同じくして、大魔女スリーピング・ビューティの右足にとりつくべく動き出した食欲業を制す・アニー(c19876)は、マスカレイドと共に、奇妙な存在に襲われていた。
「仮面が無い……イマージュマスカレイドじゃない?」
怪訝な顔で、アニーは前方にいる敵を見る。
ガラス片を集めて人間の上半身を作ったかのような、奇妙な姿。
掴みかかり、あるいはガラス片のような体の一部を飛ばしてアニー達を攻撃して来る。
ジェノサイドレイブンを飛ばし、それらの敵を倒した瞬間に見えるのは、無惨に滅び去る世界の光景だった。
星々の間を駆け巡る船を駆る人々の住まう世界は、星々を次々と喰らい尽くされ、輝く星はついに潰えた。
空に浮かぶ大地の間を知性ある鳥が飛び交う世界は、羽を休める大地のことごとくを削り取られ、生きる者は全て赤く輝く深淵へと落ちていった。
知性ある海洋生物の住まう世界は、海底に飽いた巨大な赤い穴から海の全てを吸い込まれ、滅び去った。
ある世界は、空から降り注いだ万能宝石エリクシルから現れた『蟲』の群れによって、命あるものも、大地も、何もかもを食い尽くされた。
それぞれの世界に生きていた知性ある存在達の無念が、断末魔の声が、守るべきものを守れなかった悲しみが、エンドブレイカー達の心を打ちのめす。
それら全ての滅びの原因となったもの。
赤い輝き。
万能宝石エリクシル。
「……幻覚? いや、本当にあった出来事なの? みんなも、今の見えた?」
アニーの確認に、周囲にいる他のエンドブレイカー達から肯定の返事が返る。
「ただの幻覚ってわけじゃなさそうね……とはいえ、今は戦う方が優先!」
断片的に見えた光景から自らの意識を現実へと引き戻すと、アニーは眼前の敵を打ち倒す。すがりつくようにして倒れ込んだ敵は、そのまま消滅した。
全く異なる世界の光景が何を意味しているのか。
それを考えながら進む先、右足部の中枢となっている薔薇が見える。
強い魔力は、それが右足の中枢であることを物語っていた。
頭部を見上げ、アニーは大魔女に向けて呟く。
「お前、それでいいのか?」
その行為の末路とはいえ、救われないものを感じながらもアニーの放った一撃は、薔薇の花弁を引き裂き、道行きを拒む魔力を消し去った。
●ゼルデギロス(獣神形態)
水神祭都アクエリオに現れたゼルデギロスの『部位』を持つ者達。
その中でも、最も大きな戦力を有していたのは獣神バンガイアであっただろう。
エンドブレイカー達によって地上への侵攻を阻止され、撃破されたバンガイアは、海棲のバルバ、『シーバルバ』の王であった。
エンドブレイカーの前にいる『ゼルデギロス』の姿は、バンガイアのそれとほぼ変わらない。
往時のバンガイアが強い力を持っていたことのあらわれと言えた。
かつての大魔女の軍勢にとっても、バルバの軍勢こそが世界を支配するための最大戦力であった。獣神形態のゼルデギロスの周囲にも、多数のバルバが展開している。
「だが、今さらこいつらに負けるわけにはいかないだろうな! 勝たせてもらう!」
ゼルデギロスへとアーティスティックアームズ・アトレード(c16937)が放った気咬弾が、エンドブレイカー達へと腕を振るう獣王を吹き飛ばす。
バルバ達が吠え猛り、怒りもあらわにエンドブレイカー達へと襲いかかるが、その戦いの結末はアトレードの宣言した通りとなった。
●ゼルデギロス(道化師形態)
水神祭都アクエリオに現れた
イマージュマスカレイドの軍勢を操る夢姫レムの姿に似ていると言えた。
だが、今の姿には人間的な要素は薄い。
「道化師形態といっても、中に人間が入っているとも思えないけれどね……」
楽しくやりましょ・ハルナ(c20456)はそう思いつつも、掴みかかって来る無数の手を鉄鍋で受け止める。
武者鎧風の装いを帯びた魔女服の端すらつかめずに引き返していくゼルデギロスの手を見上げ、ハルナは薄く笑った。
「あらあら、だらしないわねえ」
「こんなとこで止まってられないよ。急ごう!」
「それじゃあ、少しは力を入れるとしようかしら」
どこかアンニュイな雰囲気を漂わせるハルナは、仲間の声にそう返すと盾に力を籠める。
周囲にいる者達の持つ『ディアボロスブレイド』は、エンドブレイカーの耐久力を大きく高めていた。
とはいえ、敵の戦力も侮るべきものではないのだが、そこで余裕と自信を失うような彼女達ではない。
連携から放たれる神火咆狼撃。
神火の刃は、たちどころにゼルデギロスの仮面を貫き、そして消し飛ばしていった。
勝利の歓声に、ハルナは、
「ふふ、当然でしょ」
と応じるのだった。
●エリクシルの秘法メテオスウォーム【4】
魔力の高まっている箇所は、エンドブレイカー達にも肌で感じることが出来ていた。
「どいてもらいましょうか!」
最果てで嗤う凶爪・ゼロ(c10410)の振るう爪が前を遮るマスカレイドを退ける。
前方に現れるのは、大魔女エリクシル形態をそのまま縮小したような存在だ。
『遺失魔術メテオスウォーム。発動まで……』
「させませんよ!!」
エンドブレイカー達と、分身体への道を遮るマスカレイド達とが激突する。
激しい戦いの中、戦いを制したのはエンドブレイカー達の側だ。
「なかなか手ごわいですが……ここまでですね」
ゼロの放った見えざる衝撃波が、小分身体の肌に斜めの傷を刻み付ける。
その消滅は、発動されようとしていた遺失魔術の一つが消え去ったことをエンドブレイカー達に伝えていた。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
---|---|---|---|
大魔女エリクシル形態(左足) | 816 | 16勝0敗 完勝! | 【ウォール(偶数ターン)】4000⇒0 |
大魔女エリクシル形態(右足) | 796 | 15勝0敗 完勝! | 【ウォール(奇数ターン)】4000⇒0 |
ゼルデギロス海神形態 | 123 | 0勝5敗 敗北 | 【ガード】2500⇒2327 |
エリクシルの秘法メテオスウォーム【4】 | 430 | 7勝1敗 勝利! | 【遺失魔術メテオスウォーム【4】】2750⇒159 |
ゼルデギロス道化師形態 | 171 | 2勝2敗 勝利! | 【ガード】2500⇒756 |
ゼルデギロス獣王形態 | 372 | 6勝1敗 勝利! | 【ガード】2500⇒198 |
エリクシルの秘法『死薔薇の呪い【4】』 | 230 | 1勝6敗 敗北 | 【死薔薇の呪い【4】】2750⇒1581 |
ゼルデギロス鉄神形態 | 49 | 0勝3敗 敗北 | 【ガード】2500⇒2413 |
ブレイクゲージ残量(第1ターン終了時点) |
---|
44987−2327−159−756−198−1581−2413=37553 |