<スリーピング・ビューティ 第3ターン結果>
第3ターンの開始状況
●ゼルデギロス(邪神形態)
マスカレイドの魔女たる大魔女スリーピング・ビューティが産み落としたマスカレイドの王ゼルデギロス。
大魔女の頭部へ至らんとするエンドブレイカー達の前に立ちはだかるのは、かつて水神祭都アクエリオで戦った、教主ウルカンダールに酷似した姿をとった『ゼルデギロス』であった。
放たれて来る強烈な魔法の数々を凌ぎながら、ひなたぼっこ王子・ルオル(c03664)はここに来る途中ですれ違った勇者ラズワルドの言葉を思い出す。
「あれは、私達が相手をしたゼルデギロスだな。
ゼルデギロスの部下は多い上に本人を倒しても異様に早く、しかも他の見えざる敵……マスカレイドと違い、記憶を維持したまま蘇るという特性が判明していた」
霧氷荊の冠・マウザー(c11248)から渡されたというディアボロスブレイドを背負ったラズワルドはそう語っていた。
そのため、勇者達も撃破よりも封印を選んだのだというが、封印されてなお復活を果たそうとする生き汚さは、エンドブレイカー達もよく知るところだ。
だが、復活のタネは既に割れている。
ゼルデギロスは寄生生物マスカレイドであり、棘(ソーン)そのものを汚染した張本人。
おそらくは寄生した肉体を放棄し、棘(ソーン)として他の肉体に乗り換えていたのだろう。
つまり、棘(ソーン)ごと破壊できるエンドブレイカー達には通用しない。
「ボク達を敵に回したのが運の尽きだったね」
エンドブレイカーはにこりと笑った。
手にした『エスカトス・デュミナス』に雷が走ったかと思うと、それは即座にゼルデギロスへ向けて迸った。
『むぅん!』
杖を一振りしてゼルデギロスはそれを防ぐが、エンドブレイカー達の攻撃はルオルだけで止まるわけもない。
マスカレイドの軍勢とエンドブレイカー達の激突は、短時間のうちにエンドブレイカー達の優勢へと傾いていった。
再び放たれたルオルのサンダーボルトが、ゼルデギロスに膝をつかせる。
『馬鹿な。我はマスカレイドの王なのだぞ……』
「マスカレイドを倒すために、勇者達に託された力……負けるわけにはいかないよ」
とどめとばかりに魔法を叩き込まれ、ゼルデギロスは今度こそ完全に消滅していった。
●ゼルデギロス天翼形態
大魔女エリクシル形態の頭部を護る最後の盾、白き翼を持つゼルデギロス。
その威容はマスカレイド化した勇者もかくやという威圧感を放っていた。
「その翼は怪盗ファルケインさんですか? ずいぶんと偉そうになったんだねぇ」
天暗星・フェイ(c03258)の言葉とおり、ゼルデギロス天翼形態の白き翼は、かつてアクエリオで邂逅した怪盗ファルケインの翼と同じものであった。
だが、それ以外の部分は大きく違っていた。
暴風のような攻撃力と、強靭な防御力。そして、エンドブレイカーをここで阻止するという強い意志がその体に満ちていたのだ。
情けなくも逃亡を企て討たれたファルケインとは全くの別物といって良いだろう。
「でも、戦うならば容赦しないし油断もしない。お前のような化け物を狩るのが、僕の仕事なんだ」
フェイはそう言うと、隠行刀【鴉】を握る手に力を込めた。
大魔女エリクシル形態の頭部を護る最後の壁、戦う相手として不足は無いだろう。
「グガァァァっ!」
そのフェイの決意を見てか、ゼルデギロス天翼形態が、一度天高く飛び上がり、そして空を切り裂くように急降下してエンドブレイカー達に襲い掛かってくる。
エンドブレイカー側も、臆する事無く、その攻撃を受け止める。
一進一退の攻防が暫く続くが、戦いの趨勢は次第にエンドブレイカーに傾いていった。
天翼形態の象徴たる翼を切り裂かれ、数多の毒に蝕まれたゼルデギロス。フェイは、その喉元に【鴉】を突き立てると、ゼルデギロスに向けて言い放った。
「魔王の力を持つ自分が負けるのが信じられないか? 確かにお前はなかなか強かった。だからお前が負けた理由は1つ。僕達がそれ以上に強かったという事さ」
その言葉に己の敗北を悟ったのか、ゼルデギロスはガクリと膝をつき、そして、フェイは突き立てていた刃を振りきって、その首を落としたのだった。
エンドブレイカーは、何者にも負けぬほどに強い。
その自信と誇りを胸に、エンドブレイカー達は、制圧した戦場を後にしたのだった。
●大魔女エリクシル形態(左腕)
骨で出来た翼の如き、巨大極まりない左腕は、頭部への進撃を拒むように振るわれていた。
その上に乗ったエンドブレイカー達も振るい落とされそうになるが、イヴ・ザ・プリマビスタの赤い霧が落下を防いでくれている。
「虫を振り落すような感じか。どうせなら、あのエリクシル蟲も落として欲しいところだが」
心はいつも十七歳・アメリア(c20558)達が向かおうとしているのは左腕の魔力が集まる一点だ。
不自然極まりない変異を遂げた左腕は、魔力によって維持されている。
「左右の足と同じだ。魔力の収束点を破壊すれば、腕自体を崩壊に導ける……」
だが、そこへと至る道には、大量のマスカレイドやエリクシル蟲がひしめいている。
エンドブレイカー達と同様、何らかの魔力が働いているかと言えば、そういうわけでもない。
この動きに耐えられるもののみが昇って来ており、そうでないものはおそらく落ちて死んでいるのだろう。
今の大魔女に、そのようなことは些末事に違いなかった。
「いや、あるいは最初からなのか……?」
アメリアはこの戦争に現れているゼルデギロス達の粗雑な扱いを思い出した。
人類を慈しむ姿勢を崩さない『此華咲夜若津姫』と比較すると、大魔女のマスカレイドに対する姿勢は兵力に対するものでしかないように思える。
「どちらにしても……」
アメリアはユーティリティナイフを握り締めると走り出す。
マスカレイド達の守りを縫うように投げつけられた何本ものナイフは骨の如き大魔女の肉体の隙間へと潜り込んだ。
「あそこが脆いぞ!!」
アメリアの声を受け、エンドブレイカー達の攻撃が集中的に左腕をもぎ取るような勢いで叩き込まれていく。
いまや世界最強と言うべき集団と化したエンドブレイカー達の勢いを押し留めることは、大魔女スリーピング・ビューティには不可能であった。
魔力の収束点が破壊されると共に、巨大な左腕は根元からもぎ取られ、地上に落ちる前に粉々になって消えて行った。
●エリクシルの秘法『死薔薇の呪い【4】』
右腕の上、森の弓手さん・パトゥーシャ(c00347)は弓を構えた。
矢の先にいるのは、戦場の奥に姿を現した大魔女の小分身体だ。
『世界よ滅びよ世界よ滅びよ世界よ滅びよ世界よ滅びよ世界よ滅びよ世界よ滅びよ世界よ……』
大魔女スリーピング・ビューティの小分身体は、既に倒された1体と同じく、呪いの言葉をただ無表情に繰り返すのみだ。
「あれだけ同じ顔がいる混乱とかしないのかな?」
ふと疑問が浮かぶが、遺失魔術『ギガンティア』を使い数十体に分身したこともある大魔女だけに、なんとも言い難い。
おそらくは本人にしか分からないことなのだろう。
「ようやく……ここまで来たんだから、絶対に勝って帰ろうね!」
パトゥーシャの矢が放たれると共に、戦いの幕は切って落とされた。
たちまち敵を追いこんでいったのはエンドブレイカーの側だ。
次々とマスカレイドを撃破していくエンドブレイカー達は、その向こうに勝利のエンディングを見据えていた。
「これで、おしまいにしよう!!」
大魔女の小分身体を狙うパトゥーシャをマスカレイド達が襲わんとするが、旅団の仲間達がそれを防ぐ。
「ありがとう♪ ……いくよーっ!!」
パトゥーシャが放つのはハートクエイクアロー。
ハートの形をした矢は、大魔女スリーピング・ビューティの小分身体の胸を貫き、弾けたように消える。
だが、その帯びた魔力は大魔女の小分身体へと染み込んでいた。
魅了の力に耐えかねたように、小分身体は弾け、そのまま消滅していく。
「小分身体はこれで全部! やったね!」
全身で喜びを露わにするパトゥーシャ。
全ての遺失魔術の発動を阻止したことを受け、エンドブレイカー達から大きな歓声が上がった。
●ゼルデギロス鉄神形態
イマージュやゴーレムがマスカレイドとなりうることを、エンドブレイカー達は熟知している。
無論のこと、寄生生物マスカレイドの王たるゼルデギロスは、その寄生する対象を選ばない。
≪闇に陰≫の仲間と共に戦いに臨んだ陰の片陰・シュエ(c30603)の前に姿を見せたゼルデギロスは、ゴーレムの如き姿をしていた。
水神祭都アクエリオの戦いを経験した者ならば、『鉄神』ギガメタルの肉体に似ていると感じただろう。
「いや、もしかすると逆なのか……?」
ギガメタル自体が、元々ゼルデギロスを真似てスペアボディとして作られたのかも知れないと、シュエはふと思った。
「だが、そんなことは今は……いや、永遠に追及する必要はないな!」
シュエが手にするフレイムソードが、空気を焦がすように燃え盛る。
その火が作る影のように、足元に血の猟犬達が現れ攻撃の意志を示すように低く攻撃の態勢を取る。
「喰らえ!!」
その指示と共に、黒い猟犬達は一斉に動き出した。
ゼルデギロスの率いるゴーレム軍団もまた、エンドブレイカー達を迎え撃つように動き出す。
激突の中で、ゼルデギロスの目がふと奇妙に輝くのをシュエは見た。
『他の形態からの反応途絶……再生、他存在への移動の痕跡無し。エンドブレイカーによる存在抹消攻撃を受けたものと推測。
当ゼルデギロスは、存在維持のために撤退行動に移る』
「そいつはムシが良過ぎるってもんだろ」
猟犬が飛んだ。
悲鳴の如き金属音が、ゼルデギロスの翼の破壊をエンドブレイカー達に知らせる。
『逃亡困難。当ゼルデギロスの存在は……』
「終わりだな」
『抹消さレ』
皆まで言わせることなく、エンドブレイカー達の攻撃はゼルデギロス最後の一体を完全に沈黙させるのだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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ゼルデギロス邪神形態 | 429 | 8勝0敗 完勝! | 【ガード】1902⇒0 |
ゼルデギロス天翼形態 | 694 | 13勝0敗 完勝! | 【ガード】2500⇒0 |
大魔女エリクシル形態(左腕) | 1021 | 20勝0敗 完勝! | 【拒む左腕】4000⇒0 |
エリクシルの秘法『死薔薇の呪い【4】』 | 479 | 9勝0敗 完勝! | 【死薔薇の呪い【4】】672⇒0 |
ゼルデギロス鉄神形態 | 469 | 9勝0敗 完勝! | 【ガード】2399⇒0 |
ブレイクゲージ残量(第3ターン終了時点) |
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29773=29773 |