<スリーピング・ビューティ 第4ターン結果>
第4ターンの開始状況
●大魔女スリーピング・ビューティ彼女が世界を己のものにせんと決意した切っ掛けは何だったのか。
マスカレイドという、恐るべき存在を産み落とした切っ掛けは何だったのか。
彼女が産み落とす種族の選定に悩むうち、既に人類の魔女『此華咲夜若津姫』は優れた魔女として知られていた。
魔女ならば誰しもが持つエンドテイカーの能力を捨てた『此華咲夜若津姫』は、既に子である人類を最優の種族へと導いていた。
エンドテイカーの能力による庇護を失った人類は、世代を重ねる中で失敗を繰り返しながら、幾つもの都市国家を建設するに至っていた。
それは、他の魔女達からは変わり者と言われた『此華咲夜若津姫』と、その子供達の成し遂げた偉業に他ならなかったと言えよう。
だが、それを賞賛し、他の魔女達と協調するような精神性を、後に大魔女を名乗るスリーピング・ビューティは持ち合わせていなかった。
『もう少し早く生まれていれば、その偉業は、その声望は、自分が得たはずのものであった』
自分にはそれが出来たであろうという自負を抱きながらも満たされぬ日々を送る彼女は、万能宝石エリクシルを得る。
そして、寄生生命体マスカレイドの王ゼルデギロスが産み落とされた時、災いは始った。
●大魔女エリクシル形態(頭部)
エリクシル形態となった大魔女の顔は、城の内部で戦った時と同様、黒い仮面に覆われていた。
だが、その形状は以前とは異なっている。
長い角を持つ仮面は、大魔女スリーピング・ビューティがその本質を変えたことを示しているかのようであった。
ここまで戦い抜いたエンドブレイカー達に、変化を如実に感じさせるのは、大魔女の沈黙だ。
エリクシルによって得た部位やゼルデギロス、小分身体を次々と破壊されながら表情ひとつ変えない大魔女の姿は、エンドブレイカー達に違和感を覚えさせる。
「城で戦った時の彼女は、悪意に満ちたものでこそあれ感情を示していたように見えましたが」
城の中で戦った大魔女スリーピング・ビューティのことを思い出し、雪下山水・ソフィア(c02845)は呟きながらも≪星霊騎士団≫の仲間達と共に大魔女の頭部へ向けてひた走った。
もはや巨大過ぎる大魔女の頭部を、顔と認識するのは離れなければ難しいほどだ。
この『エリクシル形態』への変化が関係しているのか……そう考えながら、エンドブレイカーは大魔女の頭部へと迫る。
以前の大魔女は、エンドブレイカー達を排除し、その後に世界を支配することを望んでいるかに思えた。燦然天使ゼルフォニアの復活などは、まさにその目的であっただろう。
だが、今の大魔女が望んでいるのは世界全ての純然たる『滅び』だ。
幾つもの遺失魔術を唱え、無数の敵を率いて、大魔女はエンドブレイカー達を迎え撃つ。
その従える存在は、マスカレイドだけではない。妖精やエリクシル蟲、世界の滅びを映し出す鏡のような者達……。
「どれも、おそらくはエリクシルの起源に関係しているのでしょうが、だとしても……」
ソフィアは、その手にした聖剣を力強く突き立てる。
噴出するオーラの刃が、大魔女の仮面に傷を穿った。
それを止めるべき敵は、もはやいない。
「大魔女、エリクシル、私達を止めるには、もはや力不足!!」
大言壮語とは言うことは、誰にも出来はしない。
世界を滅ぼすであろう大魔女スリーピング・ビューティを倒す。
旅の終着点に向けて、エンドブレイカー達の攻撃は加速していく。
攻める手を緩めることはしない。
「ここで貴女との、そしてエリクシルとの因縁を断ち切る、未来の為に! 散りなさい、仇花!!」
力強い宣言と共に、ソフィアの剣が大魔女の仮面を打ち砕く。
大魔女の体を覆っていた薔薇の花が、一斉に散った。
白い花弁が、滅びの大地の空に舞う。
エンドブレイカー達の攻撃を退けていた右腕が、崩壊していった。
●大魔女の死
「……やりましたか!?」
勝利の手ごたえを感じながら、ソフィアが剣を降ろす。
その瞬間、唐突に五十以上もの穴が、大魔女の全身に穿たれる。
「この傷は……」
大魔女の城での決戦に臨んだエンドブレイカー達は、それがあの戦いで大魔女に刻まれたものだと知る。遺失魔術『ギガンティア』を使った大魔女は、それが破られると共に全ての致命傷を受けたのだ。
『……この身体は……? なるほど、あやつめ、私を……。
エンドテイカーの力を持つ私を、世界の終焉を拒む者達を排除する駒として使ったか!!』
不意に声が上がる。
仮面なき大魔女は、エンドブレイカー達を見下ろして言う。
『この私が、こう何度も破れるとはな。屈辱だ……だが、もはや、世界は終わりだ。
世界は、私と共に滅ぶのだ。来るぞ、『ギルタブリル』が。
エリクシルの主、輝ける破壊、次元移動存在……!
貴様らに、止められるものか……』
その言葉と共に、大魔女エリクシル形態が今度こそ完全に絶命する。
エンドブレイカー達の視界に移る空が揺らいだのは、次の瞬間だった。
●ギルタブリル
空が揺れる。
その揺れは次第に強まり、やがて空が砕けた。
扉を叩き破るように空を砕いたのは、巨大エリクシルを出現させた『赤い手』だった。
『この世界の外』から、こじ開けるようにして侵入を果たした赤い手の向こう、空に開いた亀裂の向こうに見えるのは炎のように赤く輝く空間だ。
「いや、違う……!」
その輝きのひとつひとつが『万能宝石エリクシル』であるという事実に気付き、エンドブレイカー達は驚きと、またか、というに襲われる。
『上空の大気が、一瞬にして喰らわれた……!?
あれが、ギルタブリル……エリクシルを生み出していた存在だというのですか』
創世神イヴ・ザ・プリマビスタが絶句しながら空を見上げる。
巻き起こる大気の渦の中、こじ開けられた『虚空』に、輝ける破壊ギルタブリルは、その全容を現した。
それは、巨大な『顔』であった。
赤い手のように見えた部位は、その顔の横から生えた牙の一部に過ぎない。
そして、その全身の全ては赤く輝く宝石で出来ていた。
ギルタブリルが咆哮する。
そこに籠められているのは、圧倒的な飢餓感だ。
全ての知的生命体もろとも、世界を喰らい尽くす。
その『食欲』が、物理的な圧力すら伴ってエンドブレイカー達へと叩きつけられて来る。
「大魔女め、これを呼び寄せたのか!!」
死に際の捨て台詞を思い出し、エンドブレイカー達は思わず大魔女への悪態を口にする。
わたしこそが世界の全て。
そう大言していた大魔女は、既に勝機を失いつつあることを悟ると、ギルタブリルを呼び寄せることで、世界諸共心中を図ったのだ。
「往生際の悪い……」
「あれと心中させられるなど、まっぴらごめんですね」
それは間違いなくエンドブレイカー達に共通する思いであっただろう。
イヴ・ザ・プリマビスタが咄嗟に形成した赤い霧の天井を薄紙のように破りながら、ギルタブリルは地表へと近付いて来る。
エンドブレイカー達に、イヴ・ザ・プリマビスタは早口に告げた。
『あれだけの力ある存在が、外から直接世界を喰らうことをしなかったのは、あなた達の存在故でしょう。
理不尽なる終焉を否定するエンドブレイカーの力が、世界にもたらされようとしている『ギルタブリル』による滅び無意識のうちに拒んでいるのです』
だからこそ、ギルタブリルはエンドブレイカー達を滅ぼさんとする。
そしてエンドブレイカー達が抗う力を失えば、次は世界と全ての知的生命体を喰らい尽くす。
大魔女が呼び寄せた、最悪の『理不尽なる終焉』。
それを打ち砕くことが出来るのは、エンドブレイカー達をおいて他にありえない。
ならば、悪しき終焉に終焉をもたらす者、エンドブレイカー達が、為すべきことは一つだった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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大魔女エリクシル形態(頭部) | 2701 | 41勝13敗 勝利! | 【遺失魔術パワーワードキル】100000⇒9129 |
大魔女エリクシル形態(右腕) | 583 | 6勝5敗 敗北 | 【妨げる右腕】4000⇒1063 |
ブレイクゲージ残量(第4ターン終了時点) |
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29773−9129−1063=19581 |