<スリーピング・ビューティ 第5ターン結果>
第5ターンの開始状況
大魔女スリーピング・ビューティが呼び寄せた存在、ギルタブリル。エリクシルの主、と大魔女スリーピング・ビューティは称していたが、その大魔女すらも遥かに上回る力は、こうして空を飛ぶエンドブレイカー達とギルタブリルの彼我の距離がなくなりつつある今、ひしひしと感じ取ることが出来る。
「あの女、世界崩壊の危機幾つ用意してやがったんだ?」
ゼルフォニアを使った世界のやり直しが失敗すれば、今度はギルタブリル。あまりにも往生際が悪い大魔女スリーピング・ビューティのことを思い、竜の掌握・フリオ(c01043)は渋面を浮かべた。
ギルタブリルがその顎を開けると、喉の奥から剥がれ落ちた赤い宝石が次々とエンドブレイカー達へと飛来する。
その一つ一つが先程までの戦いでも姿を見せていた『エリクシル蟲』へと変化して、エンドブレイカー達を取り囲むように『滅びた世界の欠片』達が滅びる世界の幻影を見せる。
エンドブレイカー達が敗北すれば、他の世界も同じように滅ぼされるのだろう。
フリオは手にしたディアボロスブレイドに視線を落とす。
『座標』を追う習性があるというギルタブリル。
ならば天地創世の『座標』を示したという、このディアボロスブレイドがあれば、ギルタブリルの矛先をこの世界から逸らすことも出来るのだろうか。
その弱気な考えを、フリオは首を振って追い払った。
その存在は、既にエンドブレイカー達の世界を獲物として捉えている。
ここで存在に終止符を打たない限り、いつか必ず、再び襲い掛かって来るだろう。
追うというならば、追わせてやるまでのことだ。
「さあ、かかって来いギルタブリル! この世界はお前の思い通りになんかさせねえ!!」
ディアボロスブレイドを掲げるフリオの声に応じるように、ギルタブリルはまっすぐに降下していく。燃えるように輝く顎が、戦場の全てを呑みこんだ。
●燃え盛る赤
まばゆい赤に支配された世界の中で、エンドブレイカー達が目指すのは喉の最奥だ。
巨大な存在との戦いには慣れつつあるエンドブレイカー達だが、ギルタブリルの大きさは、その中でも群を抜いている。
あまりにも巨大すぎる存在の根幹を叩かねば、エンドブレイカー達に勝機は無い。
外から微かな震動が届くと共に、エンドブレイカー達の後方から土砂と岩石が押し寄せてくる。
おそらくはギルタブリルが滅びの大地の地面に食いついたのだろう。
放っておけば、いずれ大地を、海を、空を喰いつくし、世界そのものに終焉をもたらす。
それを実感しているエンドブレイカー達は脱出を選ぶことは無い。
ギルタブリルが咀嚼するたびに飛んでくる岩石を足場として蹴りつけ、ひたすらに奥を目指す。
無数のエリクシル蟲、滅びた世界の欠片達による妨害を退けながらの進軍。大魔女との戦いで既に傷ついていたエンドブレイカー達も、無論のこと無事では済まなかった。
ギルタブリルの赤い牙の隙間から、何処とも知れぬ虚空へと押し出されていく仲間達の姿を目にしながらも、エンドブレイカー達の進軍は止まらない。
彼らがディアボロスブレイドの示す座標へと帰還してくれることを願うばかりだ。
「なんとも最悪な理不尽な終焉だぜ」
フリオは内心で思いながら、眩い赤の奥を見る。
果てしなく続くようなギルタブリルの体内、その奥底に存在しているのは、やはり無数のエリクシル。
その一角に存在していたのは、奇妙な物体だった。
まるで祈る手のように組み合わさった二つの手。
その手の間には、鼓動する『宝石の心臓』が収められている。
「まさか、あれが?」
エンドブレイカー達の心臓への接近を拒むように、暴力的なまでのギルタブリルの力が、エンドブレイカー達へと叩きつけられて来る。
ディアボロスブレイドの守りをも一撃の元に貫いて、ギルタブリルの痛撃はエンドブレイカー達を次々と戦闘不能へと追いやっていった。
だが、己が倒れるという終焉を魂を燃やして破壊しながら、エンドブレイカー達はなおも敵に立ち向かっていく。
「大丈夫? まだ、戦えそう?」
「ああ、そう簡単に死ぬわけにはいかないからな」
ギルタブリルの攻撃からフリオを庇った奇跡の花の戦士・アイリス(c34883)が問う。
一瞬にして全身から鮮血が溢れ出していた。朱に身を染めながらも、なんとか意識を保ったフリオは、ギルタブリルの心臓を強く見つめる。
敵は自分達よりも遥かに強い。
世界を滅ぼし得る存在だということは、身をもって感じた。
「だが、無敵じゃぁないだろうよ」
エンドブレイカー達の攻撃は、確実にダメージを蓄積させて来ている。
「俺達の世界で生きて来た全ての者達の想いと未来……絶対に護ってみせる!!」
体内に残る力をかき集め、フリオは全力を籠めてギルタブリルの心臓へと飛び込むように震脚を繰り出す。
蹴り足が宝石の心臓へと衝撃を染み渡らせ、響く鼓動が止む。
それが最後だった。
ギルタブリルの巨体を構成していた無数のエリクシルが砕け散っていく。
エリクシル蟲達が混乱したように虚空に呑みこまれ、エンドブレイカー達の姿を見送るように、滅びた世界の欠片達が姿を薄れさせていく。
エリクシルの元たるギルタブリルを構成していた宝石達が、エンドブレイカーの頭上へと届くよりも早く消失する……。
●終戦
ギルタブリルの体内から外に出たエンドブレイカー達は、ギルタブリルの咀嚼によって滅びの大地に生まれた峡谷の中にいた。
見上げる空の色から、滅びの大地の不吉な赤色は既に消えていた。
大魔女の支配を示す色が去った空からは、エンドブレイカー達を祝福するように、どこからか花びらが舞い落ちる。
それは、大魔女スリーピング・ビューティとの戦いに勝利したことを、そしてエンドブレイカーが帯びた、古の時代からの使命を果たしたことを祝福するかのようであった。
あなたの戦闘結果(FLASH版/HTML版)
戦場(リンク) | 参加者 | 結果 | 棘(ソーン) |
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ギルタブリル | 3439 | 50勝18敗 勝利! | 【世界を喰らうもの】【新たなる座標】500000⇒82031 |
ブレイクゲージ残量(第5ターン終了時点) |
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19581−82031=-62450 |